
【読書ノート】君は戦略を立てることができるか_視点と考え方を実感する4時間
今回採り上げる本は、
『君は戦略を立てることができるか 視点と考え方を実感する4時間』
著.音部大輔
です。
この本を手に取った切っ掛け
最近、中期経営計画を立案する上で、
そもそも「戦略」ってなんだろう?
という疑問があり、この本を手に取りました。
戦略立案のステップ、OAT、の2つの考え方は、参考になりました。
以下、気になるところを書き留めておきます。
書き留めたところ① 普段使いの戦略論
もし、経営戦略論や競争戦略論のフレームワークを効果的に活用し、ブランド戦略や新規事業開発、3か年経営計画などで成果を上げているのであれば、そのまま続けてください。本書は、他の分野の戦略で役立つでしょう。
しかし、私と同様にこれらのフレームワークがプロジェクトにうまく馴染まず、使いづらさを感じているなら、この講座が解決になるかもしれません。日常の戦略立案や意思決定に役立つ、普段使いできる戦略論を一緒に探求していきましょう。
本書にもあるように、SWOT分析や5フォース、PEST分析、成長マトリックス、BCGポートフォリオなど、様々なフレームワークがありますが、これらは、過去情報の整理には役立つものの、未来の方向性を決めるための戦略立案にどのように役立てればいいのか疑問を持っていました。
「普段使いの戦略論」
として、本書はコンパクトに戦略に対するアプローチがまとめられています。
書き留めたところ② 戦略とは?
重要な要素は「目的」と「資源」です。この2つを組み合わせると、戦略とは「目的達成のための資源利用の指針」と捉えることができそうです。
戦略の策定にはさまざまな主張やアプローチが存在し、企業や組織によっては推奨される手法が異なる場合もあります。さまざまな組織や業界で効果的な戦略立案の方法をを模索し、試行錯誤を重ねてきましたが、ここで紹介する6つのステップは、そうした取り組みの成果のひとつです。
1.目的を明示する
2.目的を再解釈する
3.資源を探索する
4.資源優勢を確立する
5.文章に書く
6.組織に展開する
以上の6つのステップです。最初の2ステップでは、目的を明確にする作業を行います。続いて、そうした目的を手掛かりに資源を把握し、戦略を具体的に策定した後、組織に伝えやすい形で文章化し、最終的に組織全体に展開します。
戦略を「目的」と「資源」の2つが重要で、
「目的達成のための資源利用の指針」と捉えている点、
組織の共通言語として流通できそうです。
その後に続く6つのステップについても、分かりやすくまとめられていて参考になります。
書き留めたところ③ 目的明確化表
こうした再解釈案を考える手助けとして、「OAT:Objective Articulation Table(目的明確化表)」というツールを用意しました。私たちが営利組織に所属している前提では、最終的に組織は収益性の改善を目指すことになります。表の一番左端に「大目的」として記しています。

目的を再解釈することが、戦略の肝となります。
その時、一つのツールとしてOATを用いることは、多くの企業で展開できることです。
目的が明確にあり、これを再解釈するために、OATでの展開が出来ていて、それを組織で共有した上で、ポイントの絞り込みが出来ている会社は少ないように感じます。
一見すると、組織を運営する上で当たり前に感じる部分ですが、ここに知恵を絞ることの重要性をあらためて感じました。
書き留めたところ④ 文章化のテンプレート
本講座で提供する戦略記述のテンプレートは、以下のような構成をしています。
①〔いつ〕までに、
②〔収益目標〕を達成するために、
③〔再解釈した目的〕を実現するべく/を目指し
④〔活用すべき優勢な資源〕に集中・注力する。
目的明確化表で、目的を再解釈し、期限を決めて明確な目標に落とし込む流れは、一見すると当たり前に見えますが、とても重要です。
目的明確化表を作っても、達成時の期限と状態が不明確であったり、達成に向けた責任者が不明確である場合、組織内では言い訳が蔓延します。
読後メモ 戦略は実行されてこそ
立案した戦略が、正しかったかどうかは、実行しなければ分かりません。
この時に重要なことは、「組織が戦略通りに動くこと」です。
戦略を立案しても、現場の勝手な判断で、戦略から逸脱した行動がなされると、そもそも戦略が誤っていたのか、戦略は正しいが実行が伴わずに失敗したかが、分からない状態になり、上手くいかない時の改善の打ち手を打つスピードが遅くなる、もしくは、改善の打ち手が打てなくなります。
「戦略を共有する」ことは、戦略を実行した際に、上手くいかなかった時の改善の打ち手のスピードを上げることに繋がります。
本書で採り上げられる「桶狭間の戦い」についても、信長の号令で兵が動かなければ結実しなかったものですし、トップダウンの組織が前提で成立している戦略であるようにも感じられます。
本書の読後メモとして
①「目的」「資源」を言語化して共有することの重要性
②戦略を受容し、行動に移すことが出来る組織の土壌
の2点が重要であることを感じました。
特に②の組織の土壌を耕すことについて、価値観が多様化する現代においては、難易度が上がっているように感じる次第です。
いいなと思ったら応援しよう!
