【CANYON】AEROAD CF SLグレードのブレーキオイル交換等々■2023年11月11日
広島県広島市にある『動く』自転車屋【サイクルサービストグト】のnoteをご覧いただきありがとうございます。
ボージョレー・ヌーヴォーの季節が来る度、ついつい気になってしまう『快適長持ち系自転車安全整備士』ノーリー(店長)です。
皆さんはボージョレー・ヌーヴォーをお飲みになりますか?
■今回のご依頼内容
販売方法や特殊な設計、独自規格の多さ等から『自己責任ブランド』と呼ばれる【CANYON】(キャニオン)。
その中でも人気の高いエアロ系ロードバイク、AEROAD CF SLが今回の患『車』です。
レバーは【SHIMANO】ST-R7020を採用しています。
アフターケアをしてもらえるショップが近所に無いということで、広島市外からご依頼いただきました。
内容はブレーキオイルの交換、ブレーキローターの歪み調整がメインですが、他は適宜ユーザーさんとのやり取りで進めるというものです。
■ブレーキの作業
無くすと厄介なスモールパーツを丁寧に外し、できるだけ掃除した後でケースに隔離します。
特にブレーキパッドにオイルが飛び散ったりして油分が付着すると、ブレーキパッドは要交換です。
取り扱いは慎重に行わなければなりません。
Oリングの劣化はありませんが、少しティッシュに付着しただけのオイルはこのように黒ずんでいます。
ついでにブレーキ本体まわりも掃除しちゃいます。
こういう部分って、普段はノータッチになりがちですからね。
新品の【SHIMANO】ミネラルオイルを準備して、古いオイルと入れ替えます。
ワインのような色になっています。
これだけ変色しているわけですね。
ブレーキローターは予め振れ取りを済ませてあります。
せっかくのタイミングなので、しっかり洗浄しておきましょう。
入念にエア抜き作業をしていきます。
【CANYON】(キャニオン)のレーシング・ロードバイクのカテゴリーでは整備性が高いCF SLグレードなので、
作業は比較的簡単でした。
これがCF SLXグレードになるとかなり大変です↓
■フロントホイールの不具合
ブレーキがかかりっぱなしになっているのかというくらい、回転が悪くなっていました。
もちろん、フロントブレーキのピストンは異常に押し出された状態だったし、ブレーキローターの歪みもありましたが、今回の回転抵抗を生んでいた主犯格はフロントハブです。
ホイールは【REYNOLDS】のもので、原因はベアリングキャップ(?)部分のパッキンの経年劣化でした。
整備性を良くするため、他のブランドの上位グレードのホイール同様、キャップを手で引っ張って外せる構造になっています。
写真では見づらいですが、パッキン(ゴム)にひび割れが生じています。
反対側は完全に千切れていました。
この写真で部品番号が特定できるので、必要に応じてご活用下さいませ。
※当店では2023年11月11日時点で【REYNOLDS】の取り扱いはございません。
■(余談)神は細部に宿る!当店ならではの愛ある仕事
ここからは完全に余談です。
↑車体お預かり時点の状態です。
赤い○の部分にご注目下さい。
ローターの歪みはできるだけ取り除きますが、個人的に気になったのが、【SHIMANO】のロゴの位置とバルブの位置関係です。
性能に関係あるのかというと、全くと言っていいほど影響ありません。
ユーザーさんが気付くかというと、おそらく多くのユーザーさんは気にも留めないでしょう。
当店ではセンターロックタイプのブレーキローターを組み付ける時に、バルブとの位置関係を揃えています。
前後ともです。
全くと言っていい程、性能には影響が無いのにどうしてここまでやるのか?
これはヴィジュアル的に良くするためです。
こんな細かい所まで気にするユーザーさんは、おそらく少数派でしょう。
プロ・ショップでも気にしない担当者の方が多いように感じます。
性能に関係無いし、メーカーからの指定があるわけでもありません。
となると、お持ち込み時点の位置関係でも正解なワケです。
ところが自転車は人が動力であり、ユーザーさんのメンタルが走りに与える影響は決して小さいとは言えません。
それこそ、カタログのスペック表等で数値化できない性能だと思っています。
自分の愛車がここまでビシッとヴィジュアルも意識しているとわかれば、より愛着が湧いてくるのではないでしょうか。
私の経験上、ユーザー(持ち主)さんを惚れさせるヴィジュアルも、自転車の性能の1つだと考えています。
仕上げのバーテープもそうです。
左右のバランスをできるだけ合わせています。
美しく仕上げるために気をつけるべき点は↓の動画で公開中です↓
こんな細かい部分までいちいち気にしていたら時間もかかるし、同業者さんからも
「所詮、自己満足でしょ?」
とか
「お客さんはそこまで求めていない。」
とか言われることも多いです。
レースやイベントに帯同していて時間的猶予が無い場合や、ユーザーさんからスピード優先の指定がある場合等は、もちろん美しさより早さを優先します。
ただし、よほど急を要するわけではないなら、できるだけヴィジュアルの良さも意識して、ユーザーさんにより愛される車体に仕上げたいものです。
バーテープを巻き終え、化粧テープで仕上げた後にラップを巻いています。
これは化粧テープの馴染みを良くし、剥がれにくくするためです。
当店ではいちいちこういう細かいことも意識して整備作業をさせていただいています。
もちろん、ヴィジュアルよりも早さを優先する場合はお気軽にお伝え下さい。
万人に対してこちらのコダワリを押しつけるつもりはございません。
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当店は出張修理等が多いため、決まった店休日や営業時間という概念がありません。
他店様が営業していない時間帯でも予約制にてご依頼等を承ります。
また、当店にて自転車の販売(防犯登録含む)も行っておりますが、他店様にてお買い上げの自転車の組立や点検及び調整、修理やカスタマイズ、オーバーホール等のアフターケアも大歓迎です。
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