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人材不足は誰のせい?能力が高く優秀な人なのに企業が活用できない原因をTwitterから探る

さまざまな業界が「人材不足」に陥っているというニュースは連日のように報じられ、問題は深刻化していることがうかがえます。そんな背景も相まってか、Twitterでも、人材不足の原因や能力の高い人たちを十分に活用できていないといったエピソードや意見がたびたび拡散されています。

ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいでわかる週刊Twitterトレンド」、今回は「人材不足」の問題について掘り下げます。

優秀なIT人材は海外を目指すという実態

IT系は人材不足が深刻な業界のひとつ。経済産業省が2019年に発表した「IT人材需給に関する調査」によると、「2030年には79万人ものIT人材が不足する」と言われています。そんな中、優秀なIT人材の実態に関するツイートが投稿されました。

大学関係者であるTwitterユーザーは、文部科学省の事務次官や大手企業の関係者が揃う会合に居合わせた際「日本の大学は優秀なIT人材を輩出すべき」という声が上がっているのを聞いたそうです。その意見に違和感を覚えたユーザーは「大学は優秀なIT人材を輩出しているが、学生たちは待遇が良い外資(系の企業)に行っています」と発言。するとこれ以降、会合には呼ばれなくなった、とツイートしました。

投稿を見たTwitterユーザーからは「確かに(優秀なIT人材は)外資系企業に行く人は多い」「少なくとも20代は外資か海外に行った方がいいですね」など、ツイートにうなずく感想が集まりました。Twitterでは、日本の大学を出た優秀なIT人材が日本企業でなく外資系企業に就職する実態を受け止める人が少なからずいるようです。

「博士号を持っている必要がない」と考える企業に落胆の声

Twitterでは最高学歴に位置する「博士号」の取得者(博士人材)の雇用についても言及されています。経済産業省の「令和2年度産業技術調査事業(産業界と大学におけるイノベーション人材の循環育成に向けた方策に関する調査)」の結果を引用したツイートが注目されたことがありました。

同資料によると「博士人材を採用しない理由」について、アンケート結果で最も多かった回答が「企業に合う人材なら博士号を持っている必要がない」というもの。投稿したTwitterユーザーはこの結果を引用し「こらアカン」とツイートしていました。

この投稿に対し、Twitterユーザーからは「年功序列が根強い大企業ならではの理由かもしれない」「優秀な人材を使いこなせない企業が悪いのでは?」など、雇う側に問題があるのではという感想が。企業側にもゆずれない事情があるのかもしれませんが、せっかく取得した博士号が日本国内では活かしきれていない現状をあらわすアンケート結果に落胆する声が多数集まっていました。

適性を判断できないと優秀な人を手放すことに

優秀な人材はすでにいるのに、会社がその人の能力を活かしきれてないのでは、と考えさせられるエピソードが拡散されたこともあります。

あるTwitterユーザーが勤める企業のチームに「鬼優秀なスタッフ」が別チームから異動してきたそう。ユーザーは優秀な人材を手放した理由が分からず、そのスタッフが元いたチームのマネージャーに聞いてみると「彼女優秀なんですか?事務仕事の手が早いから、もっぱら会議調整とかPMO業務しかやらせてなかった」と返答がきたそうです。

この投稿にTwitterユーザーからは「事務仕事の手が早いならそれだけで優秀」「放っといたら、他社に流れた人材なんだろうな」といった声が。また一方では「優秀な人は調整業務もうまいから、そればかりをやらされて能力を活かしきれない話はよくある」とも。いっぽうで「人間には適性とかもあるから判断が難しいのは分かる」と、理解を示す意見もありました。人の適性を判断することの難しさがうかがえるエピソードです。

60歳のエンジニアを採用し、スキルの高さに感激

2007年に雇用対策法が改正され、企業が求人募集・採用を行う際の年齢制限は原則禁止に。でも実際は、年齢が高いほど就職・転職が不利になる、と考える傾向はまだあるようです。

そんな中、優秀な人材が年齢関係なく活躍しているというエピソードがTwitterに投稿され、多くの反響を呼びました。

そのツイートは「60歳のC++おじさんを派遣で雇ったが、マジで最強すぎる」というもの。ベテランでスキルの高いエンジニアに出会ったことを、投稿者は心の底から感動していることが伺えます。

「C++」(シープラスプラス)とはプログラミング言語のひとつ。習得の難易度が高く、扱えるエンジニアは貴重だと言われています。

この投稿に、業界事情を理解しているTwitterユーザーからは「大ベテランだと動作原理とか基礎がしっかりしてる印象です」「やはり何か武器があるといくつになっても通用する現場があるんだなと思いました」と感心する声が寄せられました。

Twitterに集まっている人材不足に関するエピソードは、優秀な人材確保が難しい現状や、人材活用についての課題を浮き彫りにしています。これらに人材不足解消のヒントが潜んでいるかもしれません。

以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」でした。この連載は毎週月曜日に更新。これからもTwitterから見えた興味深いトピックを解説していきます。
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