訴求ポイントとBenefit(利益)~点と点を繋げる:部署内セミナー⑤『顧客視点から考えるFAB式アプローチ』#オープン社内報
こんにちは、戸田被服株式会社の新井です。
普段はマーケティングや商品企画、HP編集などWebに付随する業務等を雑多に行っています。
さて、部署内で行っているセミナー『顧客視点から考えるFAB式アプローチ』4回目を迎えました。
▼これまでの内容についてはこちら
1回目
2回目
3回目
4回目は『訴求ポイントとBenefit(利益)~点と点を繋げる』
4回目は訴求ポイントとBenefit(利益)ポイントを繋ぎ合わせます。
今回は座学とグループワークを交えながら意見交換を行います。
まずは、初回に書いた『ペルソナ像』や『商品の特徴』の見直しから行いました。
3回目までに『FABの考え方』や『ペルソナ像の考え方』が深まっているので、実際に自分たちが考える物も解像度が上がっているはずです。
実際に意見交換ではこれまで出なかった意見や視点が生まれていました。
特にペルソナ像に関しては新たに加えたものが多くあり、30分ほど時間をかけて加筆・修正を行いました。
点と点をつないでいく
書き終えたら『ペルソナ像の悩み』と『解決しそうな商品の利益(メリット)』を繋ぎます。
まず、解決する利益(メリット)の空欄に、ペルソナ像の悩み番号を書きます。図では1枠に1つ記入したのみとなっていますが、何個書いても構いません。
悩みを解決出来そうなものを描き終えたら『解決される悩み』の数が多い順に下に纏めます。
まとめ終わったら、その悩みを解決する利益(メリット)、使用時の利点、特徴と順番に記入します。
まとめたものがこの商品の訴求ポイントとなります。
この表は『誰に何を伝え』『どうして欲しいのか、どうなって欲しいか』を考える基準になる大事な表となります。
商品の特徴をFABに基づいて整理し、それがお客様の悩みや問題を解決する利点となることで、商品の訴求ポイントを明確に示すことができます。
この表では80代の女性に向けて『服の締め付けがしんどい』という悩みを解決するための提案を行います。
この服を着る事で生活動作の苦痛が軽減され、快適さを手に入れてもらう事が目的ですが、この80代女性は何故服の締め付けがしんどいと感じているのかを考える必要があります。
それにはペルソナ像シートが役に立ちます。
ペルソナ像を作る際に悩みを纏めたので、其々の悩みを元にペルソナ像が持つ特徴を再度照らし合せを行います。
こうすることで、ペルソナ像における人物像がより鮮明になり、どんな言葉で伝えれば伝わりやすいかを考える基準になります。
訴求ポイントはお客様の関心やニーズに直結する要素であり、
お客様にとっての付加価値や利益を伝えるためのポイントです。
お客様が自分の悩みが解消される未来をイメージできるような訴求ポイントを明確に伝えることで興味を引き、商品に関心を持ってもらうことができます。
こんな風にグループワークで話し合いながら、商品の訴求ポイント等を纏めていきました。
これを元に実際のステップに移りました。
商品ページ草案作成
商品ページの作成の流れと、メールマガジン(メルマガ)の作成の流れは異なります。
商品ページ草案作成
これの理由は、お客様がもっとも興味を引かれるのが利益だからです。
例えば『ダイエットに興味がある人』が居たとして、興味がある理由は『太っていることが悩みとしてあるから』だったとします。
その悩みを解決する方法が『痩せる』だとすると、「痩せますよ」という利益を提示することでまず気を引くことが出来ますよね。
商品ページはファーストビューとなる画像、つまり検索画面で並んでいる写真1枚で一気にひきつけなければいけません。
検索結果で商品が並んでいるページでは、1枚当たりの画像を見て貰えてる時間はおよそ2秒と言われています。
2秒での勝負では、最も興味を引くことを伝えるべきですよね。
商品ページの流れ
①:商品ページのタイトル(1st画像)
訴求ポイントを的確に表現するキャッチーなものが良いです。
『伝えるべき相手』に『伝わる言葉』を用います。
②顧客ニーズの再確認
お客様の悩みや問題を再度提示し、解決する商品であることを明示します。
「あなたにお伝えしています」と確認することで、閲覧者であるお客様に「自分のことだ」と認識してもらう事が目的です。
③主要な訴求ポイントの紹介
商品の主要な訴求ポイントを順に紹介します。
各ポイントは簡潔かつ具体的に記述しましょう。
④利益・未来像の提案
訴求ポイントから派生した利益や未来像を具体的に示し、お客様が商品を利用することで得られる価値を伝えます。
再度利益ポイントを伝えるとこで、反復効果が得られより興味を引き付ける事ができます。
⑤補足情報や特典の提示
商品に関する追加情報や特典の提供を行います。
主要訴求ポイント以外にある、商品細部の説明なども簡潔かつ具体的に説明をします。
これにより、お客様の関心をさらに引きつけることができます。
⑥コール・トゥ・アクション (CTA)
お客様に具体的な行動を促す部分を設けます。
例えば、返品・交換の対応有無、お問い合わせの案内等を記載したりします。
こんな風に商品ページでは、大まかに『Benefit(利益)』→『Advantage(利点)』→『Future(特徴)』の流れで説明をします。
メルマガ草案作成
メルマガは商品ページとは逆の流れで作ります。
メルマガ草案作成
メルマガはタイトルでお客様に利益を伝えます。
最後まで文章を読み進めてもらう必要があるので、内容はFABの流れに沿って作っていきます。
①メルマガのタイトル
訴求ポイントを的確に表現するキャッチーなタイトルを考えましょう
『読者の悩みを解決する内容が載っている』と期待させるようなタイトルが好ましいです。
②ペルソナ像の紹介
対象とするお客様像を明確にし、その特徴や悩みを簡潔に紹介します。
誰に何を伝えているのかが判らないと意味がありませんので、まず『誰に』であるかを明確にし読者の共感を得る必要があります。
③問題提起
お客様(着用者)が抱えている問題や悩みを具体的に提示します。これにより、お客様の共感を引き出します。
②で誰に伝えているかを明確にしたので、次に「こんなお悩みお抱えですよね?」と提示することで共感を引き出します。
その悩みを解決する方法や商品がある事を伝えますよとすることで、一気に興味を引き付けることができます。
④特徴の紹介 (FAB)
③で悩みに共感を得たら、次は商品の特徴を順に紹介します。
それぞれの特徴がどのような利点やメリットをもたらすのかを明示します。
⑤利益・未来像の提案
特徴から派生した利益や未来像を具体的に示し、お客様がその商品を利用することで得られる価値を伝えます。
商品ページの説明であったダイエットに興味がある人であれば、痩せた未来像などを具体的に提示することで一気に興味が沸きますよね。
例えばダイエット食品のメルマガだとします。
メルマガで紹介する時期が7月初旬であれば「今始めればお盆休みまでにスリムな体型が手に入れられます」といった感じに利益と未来を伝える事で興味を高めることができます。
⑥コール・トゥ・アクション (CTA)
お客様に対して具体的な行動を促す部分を設けます。
例えば、商品を購入する為のURL表示や、返品・交換対応の有無、お問い合わせ先案内などです。
こんな感じに商品ページとメールマガジンの作成の流れを意識しながら草案を作っていきました。
どんな人に、どんなことで解決するかを伝えるかを決める事が出来るので、商品ページにしても、メルマガにしても本筋からずれるのを防ぐことが出来ます。
各作成ポイントまとめ
商品ページの流れでは、タイトルから始まり、顧客のニーズを再確認し、主要な訴求ポイントを紹介していきます。
その後、利益や未来像を具体的に提案し、補足情報や特典を提示します。最後に、具体的な行動を促すコール・トゥ・アクションを設けることで、読者の関心を高めます。
一方、メルマガの作成では、タイトルから読者に利益を伝え、ペルソナ像を紹介し、問題提起を行います。
特徴や利点を順に紹介し、利益や未来像を具体的に提案します。最後に、読者に具体的な行動を促すCTAを設けることで、メルマガの効果を高めます。
いずれにせよ大事なのは顧客視点です。
「誰に何を伝えようとしているのか」「その人にどうなって欲しいのか」が無かったりズレがあったりすると、思うように売り上げが伸びなかったり、労力だけが損なわれ『やってもやっても結果が出ない』という状態に陥ります。
「誰に何を伝えたいのか」そして「どうして欲しいのか」は顧客視点を持つうえで常に重要な思考だと思っています。
そして顧客視点を持つことは、マーケティング戦略の基本とも言えます。
お客様が何を求めているのかを理解し、それに対して的確にアプローチすることで、お客様のニーズを満たす商品やサービスを提供できるようになります。
顧客視点を持つメリット
顧客視点を持つことにより、以下のようなメリットがあります。
要求に応える:
お客様のニーズや悩みを理解し、それに合わせた商品やサービスを提供することで、顧客の要求に応えることができます。
興味を引く:
お客様が関心を持つテーマや利益に焦点を当てることで、興味を引くことができます。
お客様が自分自身に関連性を感じることで、商品やサービスによる解決策に興味を持つようになります。
顧客ロイヤルティの向上:
お客様のニーズを満たすことにより、顧客満足度が向上し、リピート購入や口コミの機会が増えます。
顧客ロイヤルティを高めることで、長期的なビジネスの成果を上げることができます。
競争力の強化:
顧客視点を持つことで、他社との差別化が図れます。
お客様のニーズを把握し、それに合わせた付加価値や利益を提供することで、競争力を高めることができます。
次回は・・・
顧客視点を持つためには、お客様とのコミュニケーションや市場調査などを通じてお客様の声を聞くことが重要です。
お客様の意見やフィードバックを受け入れ、それを元に商品やサービスを改善していく姿勢も大切です。
次回は作成したものを元にデータドリブンを活用する方法を学ぶ予定です。
これまでお客様と接する中で得られた知識を元に作ってきたものが、本当にあっていたのかどうか等を考えていきます。
4回目を終えた時点で、後輩たちに変化が現れました。
お客様にどう伝えるべきかを考えている姿勢が強くなっており、また商品の訴求ポイントを軸に作っていく為、筋が通ったものが出来つつあります。
お客様を起点に考えていっている姿勢が伝わってきて、顧客視点が強化されているな、私も負けてらんないなと感じます。
また次回終えた時に記事にします。
最後までお読みくださりありがとうございました。
2023年6月27日 戸田被服株式会社 新井美晴