いくらでも落ち込んだっていい だけど【6/5 対マリーンズ戦▲】
ランナーを2人置いて、マリーンズのバッターは山口航輝。打球が高々と上がって、レフトスタンドの前列に落ちた。山口が悠々とベースを回っている間、マウンドの浜地真澄は座り込んで動けなかった。
今シーズン5本目の被本塁打。昨季の3本は、とっくに上回った。およそ5試合に1本のペースでホームランを浴びている。リリーフ投手にもかかわらず、セリーグの被本塁打ランキングのベスト10に、浜地の名前がある。(6/5 現在)
明らかにおかしい。どこかがおかしい。
どうしちゃったんだ。
こういう日は自分で撮った写真を見返したくなる。
去年の、0点に抑えてくれたときの浜地の写真。
CS3戦目。浜地が登板したのはまだ試合の中盤だったけれど、秋の横浜スタジアムは既に西日が傾いていた。先発した才木浩人の後を受けてのリリーフ。1アウト1、3塁で4番の牧秀悟をダブルプレーに打ち取った。才木が残したランナーを返さなかった。浜地の結果次第ではここで試合が決まっていてもおかしくなかった。すごい重圧がかかっていたはずなのに、あの日の浜地は持ち前の制球が冴えていた。
去年は浜地のおかげでたくさん良い思いをさせてもらった。
2年連続で活躍するって、こんなに大変なのか。
交代を告げられてベンチに戻った浜地が最前列でグラウンドを見つめている。みんなを応援しているつもりなのだろうけど、目は虚ろで、とてもそんなことを考えられているようには見えなかった。その目は赤く腫れていた。
泣いている姿が中継の映像に抜かれると「そんなんで泣くな」「めそめそするな」って声が出てくる。
そんなことかどうかは、僕らファンじゃなくて浜地が決めることだ。心が弱いから泣いてるんじゃない。それしかできないくらい追いつめられているから、涙を流している。ちょっとやそっとのことでは動じないあの浜地が目を赤くしているその事実が今の事態の深刻さを強調しているようで、僕までつらくなる。
いくらだって落ち込んだっていい。泣いても、何なら怒ったっていい。
その代わり、絶対乗り越えろ。
今日打たれた悔しさ、絶対忘れるな。
これからのペナントレース、タイガースには君の力が必要だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?