見出し画像

森下翔太がいれば【10/12 対ベイスターズ戦●】

ペナントレース連覇の夢は絶たれたが、2年連続日本一の夢に向かって進むもう1つの戦いが始まった。

CSファーストステージを毎年見ていて思うのが、本当にあっという間に終わってしまうということ。結果に一喜一憂している間に決着してしまう。CSは出場チームが1年やってきたことを見せる総決算だという見方もあるけれど、そういったものを見せるチャンスもなく終わってしまったチームも記憶に残っている。

ペナントレース開幕戦とは全く違う雰囲気。見ているこちらまで緊張しているのだから、選手たちも本来の力を発揮するのが難しいかもしれない。

そんなCS初戦で2安打を放った森下翔太。さすがとしか思えなかった。

プロ2年目にしてライトのレギュラーを掴み、チームの中軸を担っている。
もはや打線に森下がいることが当たり前のようになっているけれど、決して当たり前のことじゃない。投手のレベルが年々上がってきて、アマチュア時代に優秀だった野手が苦戦するケースは珍しくなくなってきている。

技術力の高さもそうだが、森下のハートの強さに注目している。どこかの記事で、タイガースのスカウトが選手を探すときは選手の精神力も見ていると読んだ。精神論で何でも解決することを肯定するつもりはないが、何万人という観客が見守る中でベストパフォーマンスを発揮するには、ブレない心を持つことも大事なのだろう。

周りが苦戦しているなか、森下はヒットを2本放った。甲子園の雰囲気が落ち込みがちな中、森下が打席に立てば一際大きな歓声が湧いた。森下がタイガースに入った2年間で共有してきた思い出の多さがあの歓声に表れていた。

タイガースはCSファーストステージの初戦を落とし、いきなり窮地に追いやられた。あと1つ負けると、タイガースの2024年シーズンが終わる。でも、森下がいればこのまま終わるはずがない。

データに裏付けられた確かな証拠があるわけではない。けれども、「今日はダメかも……」と思ったときの森下が突破口を開いてくれたのを、僕たちは何度も見てきた。

この窮地も森下ならなんとかしてくれる。
僕はそんな風に思うのだ。


いいなと思ったら応援しよう!