すごいなビーズリー!【5/18 対スワローズ戦○】
どんな人材がいるかな……(鳴尾浜チェック)
すごい経歴!(MLB経験あり)
これほどの即戦力が!?(ファームで29イニング連続無失点)
こんなピッチャーがいったいどこに!?
\ビーズリー/
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J.ビーズリーは開幕1軍を外れた。昨シーズン1年間をかけて作り上げた強固な先発ローテーションの中に、ビーズリーの名前はなかった。春のキャンプで体を痛め、アピールをする機会すら失われた。
もし僕がビーズリーのような立場だったら、果たして2軍でへこたれずにやれただろうか。自信がない。練習もそこそこにこなし、母国にいるかつての仲間たちに愚痴をこぼして、ただ何となく毎日を過ごしてしまうだろう。体の状態が良くない、コーチと合わない、ケガをしたのはついていなかった。逃げ道はいくらでもある。
開幕の先発ローテーションに入れなかった投手の今季初先発。その重みは開幕ローテーションを決めた投手とは全く違う。プレーボール早々から飛ばしているように見えたけれど、むしろこの試合にかける強い思いを感じた。小さく動く変化球と、鋭く曲がるスライダーを駆使してスワローズ打線からアウトを奪っていく。キャッチャー・梅野隆太郎の好守備にも助けられた。
2軍で汗を流し続けたのも、すべてはここ甲子園で腕を振るために。気がついたらスコアボードには5つの0が並んでいた。5回裏に打順が回ってきたところで代打を出され、ビーズリーの今季初登板は終わった。大山悠輔の先制点をブルペンみんなで守り抜き、ビーズリーに今季1勝目がついた。
僕は日本に来る助っ人外国人のみんなを、心から尊敬している。馴染みの無い土地で仕事をすることがどれだけ大変か。同じ野球といえども、アメリカやメキシコで行われている野球とはだいぶ違う。国が変われば文化も変わる。仕事だけじゃなくて暮らしも変わる。言葉も満足に通じない。けれども僕たちは、助っ人外国人に即戦力として主戦級の活躍を求める。「それが助っ人だから」と言ったらそれまでなのかもしれないけれど、仕事も生活も大きく変わる状況で高いパフォーマンスを出すのは、簡単なことではない。
ビーズリーは昨シーズンの途中に父親になった。奥さんはアメリカではなく、日本の病院で出産を行った。初めて来た日本の地で出産し、子育てをすることを選んだ奥さんの覚悟は、どれほどのものだったのだろう。
この日のヒーローに選ばれたビーズリーは試合後、家族で記念撮影をしていた。マウンドで燃えたぎっていた闘志はすでに影をひそめ、ひとりの父親として穏やかな表情を見せていた。
大切な人のために戦える男は、強い。