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右の岡留英貴が1軍で投げるってこういうことなんだ【8/6 対スワローズ戦●】

3日前はT.オースティン。そしてこの日はD.サンタナ。岡留英貴がマウンドに上がったときのバッターだ。どちらもリーグを代表する右の強打者で、弱点が少なく甘い球は絶対に逃してくれない。サイドスロー気味で右投げの岡留が1軍でやっていくということは、こういった右バッターを抑えていくということだ。

3日前の試合でも岡留は登板した。1イニング目は抑えたが、回またぎをした次のイニングに失点した。1イニング4安打の滅多打ち。しかも牽制を悪送球して走者を返してしまった。最後は今シーズンホームランを打たれている牧秀悟にとどめのタイムリー。良さを出せたとは言えない登板だった。


 勝利した日曜の試合では登板なし。そしてこの日、再び岡留の名前が呼ばれた。7回のピンチ。1点ビハインドで1アウト1,3塁。塁上の走者をすべて返してしまえば、この日の試合はきっと決まってしまうだろう。投球練習を終えて、岡留がグラウンドに置いたロジンパックを強く叩いた。自らを鼓舞しているように見えた。

サンタナとの対決は3球で決着した。ストレートを打ち返したサンタナの打球はショート方向へ。セカンド、ファーストへとボールが送られて、併殺が完成した。マウンドから少しずつ下がりながら、岡留が内野の守りを見つめる。ボールがファーストに収まった瞬間、岡留がグラブを力強く叩き、右こぶしを握りしめた。

この直後、8回の表にタイガースはチャンスを作り、同点に追いついた。岡留の好リリーフがなければ、この同点劇もなかったはずだ。
 
もちろん石井大智や桐敷拓馬が投げれば、このピンチをしのいでくれたかもしれない。けれど、残りすべての試合に彼らに投げてもらうわけにはいかない。もしそんなことになったら、ペナントレースが終わる前に2人がパンクしてしまう。だから、1軍にいるリリーフ全員が欠かせない戦力だ。勝ちパターン以外のリリーフたちで残りのイニングを守りながら反撃のチャンスを待つ試合が、これからのタイガースには絶対に必要だ。そのためには岡留の力も必ず必要になってくる。

去年と比べたら充実した日々を送れているはず。去年も1軍昇格の機会はあったが、出番に恵まれなかった。ブルペンの仲間が続々とマウンドに上がるのに、2週間近く登板がなかったこともあった。

右の強打者封じ。岡留が1軍で任されている役割。ここのところ緊張で心臓が潰れそうな場面が続いているけれど、出番がなくてもどかしい思いをするよりずっといい。

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