言葉が好きだとフレーズだけでも楽しめる。
ことわざ、四字熟語、故事成語など、人生観や生活の知恵を表す言葉を調べるのが好きだし、格言や名言といった人の心を動かす言葉も大好きだ。
名言や格言ってものは、なぜか心に響く。なんでもかんでも名言っぽく言うカッコつけたがりの人がいて、ほとんどが『うまいこと言えてないよ。』『それじゃ理屈が通ってないんじゃない。』と思うのだが、たまに『なるほど。』と納得させられてしまうことがある。名言っぽいものだったとしても、その時の敗北感は凄まじいものだ。
言葉の力は本当にすごい。
友達や後輩にアドバイスする時も、普通に話してもあまり伝わらないのに、『○○とは△△だ。とあの人が言っていた。』と誰かの名言や格言を伝えると、『その考え方は参考になる。』『ちょっと試してみようかな。』みたいにすんなりと納得してもらえる。
そして『いやいやさっきからずっと僕はそう言っているんだけど!』と思いながらも名言や格言の人を動かす力に感心させられる。
でも実はこのような事は、身近にあふれていて、キャッチコピーや標語、CMのフレーズを見聞きする度に『よくこんな短い言葉で人の興味を引けるな。』と驚かせられることばかりだ。
僕は本を読むのがとても好きで毎月何冊かの本を買う。大抵は本屋へ足を運び、手に取って読み、長い時は2~3時間かけて本を選ぶ。だが、以前本のタイトルのフレーズに興味を惹かれ、内容も気にせず買った本がある。
それは、間川清氏の著書の『妻は最高の投資物件である。』という本だ。
見た瞬間の感想は『妻を物扱いしたら、色々問題になるんじゃないか?』だったが、よくよく見ると、『最高』とも書いてある。
もし僕が本を買ってきたことを妻に伝えて、そのタイトルが『妻は最高である。』だったら今日の夜ごはんは急遽ステーキになるかもしれない。また、『妻は投資物件である。』だったら妻は踵を返し、子供を連れて実家に帰るかもしれない。
しかし実際の『妻は最高の投資物件である。』というフレーズは褒めているのか、雑に扱っているのかわからない。
投資物件ではあるのだがランクとしては最高なんだと。なんとも絶妙な言い回しに惹かれて買ってしまった。
内容はというと、結婚し、パートナーを得るというのは、家事、収入面だけでなく、健康、税務、社会保険、投資といったあらゆる面でプラスの効果があり、それらを合わせると妻は3億円の価値がある。つまり浮気で離婚する人は3億円を失う可能性がある。その浮気に3億円の価値があるんですか?と回り回って結局は妻を大切にしなさいという実用書で、なかなか勉強になった。
ただ結婚とはもちろん金銭的なメリット・デメリットのみでするものではない。愛情があってロマンチックな雰囲気が後押ししてゴールインするものだと思う。
なので結婚する前の男性がプロポーズに『あなたは妻になることによって3億円の価値があると書いてあったので結婚してください!』としてしまうと、『逃げるは恥だが役に立つ』の平匡さんがみくりさんに高級レストランで結婚の合理性のみを説きプロポーズし、『“愛情”の搾取に断固として反対します。』と断られるシーンの二の舞になると思うので気を付けてほしい。
なので是非この本を読んで頂き、既婚者の方には浮気防止と妻がいる事のありがたさの再確認を、そしてこれから結婚するかどうか迷っている人には、結婚の経済的有益性を感じながら『君さえいてくれればお金なんていらないよ。』と言ってくれる事を期待している。
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