えらてんさんの言うことを守っていたら、イベントが盛況になったし、気づいたらエデン名古屋の店長になっていた話
どうもこんにちは、イベントバーエデン名古屋の店長をしている塩と申します。
エデン名古屋は、その日毎に様々な催しが行われている一日店長制のイベントスペースです。
今回は、その店長になった経緯やそれに至るまでに自分が何をしていたのかを、ちゃんと紹介することがないままだったので、まとまった文章として残しておこうと思い、筆を取った次第です。
エデンという狭い世界の話ではありますが、内容的には「コミュニティの中に溶け込んでいくにはどうすればいいのか」といったことの参考に、ほんの少しでもなんるんじゃないかなと思います。
読みにくいところも多々あると思いますがしばしのお付き合いよろしくお願いいたします。
前提知識の確認
エデンって何?
あらためての説明になってしまいますが、エデンは一日店長制のイベントバーです。イベントバーと言われても…となるとは思いますが、僕はいつも「ライブハウスみたいなものですよ」と説明しています。ライブハウスで様々なアーティストがその日だけのパフォーマンスをしているように、バーという空間で色々な人が思い思いのテーマでイベントをしているといった感じです。
イベントの例をあげると「おすすめのマンガを紹介するバー」や「得意料理を振る舞うバー」、珍奇本や緊縛などのアングラなイベントなどなど、ほんとうに多種多様なイベントが開催されいます。
ちなみに池袋要町にあるエデンが本店で、地方にもいくつかFC展開しております。現在は福岡・京都・難波・名古屋・横浜・神田にも店舗がありますので、お近くのエデンを調べてみるといいかもしれません。
えらてんさんって誰?
さてこの話の肝とも呼べる「えらてんさん」なる人物とは一体なんなのか。この方、「イベントバー エデン」を作った方です。正式な名称は「えらいてんちょう」で、エデン以外にも、youtubeがバズったり、本を出版したり、政党作ったりと色々なことをやられていてシンプルにすごい方です。
なので今回は、2018年あたりにエデンを全国に広めようとしていたえらてんさんが、その当時よく言っていたことを僕が実行し、その結果どうなったのか?というのをお伝えする話となっております。
エデン名古屋との出会い
エデンを知ったきっかけは、2018年の前半あたりに借金玉さんがエデンを紹介する記事を読んだことでした。そこから「えらいてんちょうという人がいるんだ」ということやエデン周りの動きをTwitterで追うようになりました。
ちょうどその頃、僕ははちゃめちゃに仕事を辞めたい時期に入っており、いわゆる「曖昧な人材(普段何をしてどうやって生きているのかわからない人たち。めちゃくちゃ仕事できたり、逆に何もできないけど愛嬌があったりといった個性を活かしてる人などがいる)」が活躍しているのを見たり、やる気のある人にお金を投げて応援する文化があったりと、それはもう惹かれに惹かれておりました。そんな中でエデンが名古屋にできることを知り、「これは行かねば!!!!」と思い立ち、エデン名古屋がオープンしてから通い続けることになります。
エデン名古屋で僕が当初狙っていたこと
通い続けるということは多少なりともねらいがあったわけですが、それを端的にいうと「(当時の)仕事に活かす」、「何か面白いことにつなげたい」でした。
一つ目の「(当時の)仕事に活かす」についてですが、その時は小さな会社の採用担当をしていたので、曖昧な人材のリクルートができないかなと思っていました。(ただこの時にエデン名古屋に集まっていた人たちは「仕事や事業を明確に持っている」か「ガチのニート」の二極であり速攻で諦めました)
もう一つの「何か面白いことに繋げたい」については、当時のエデンまわりは人にお金を投げて何かやらせるといったことが盛り上がっており、「ここで何かしら認知を得られたら何かできるようになるのでは?」と思っていました。本当に当時の自分はとにかく仕事がやめたかったので、大してなんの実績もないのにそんなことを漠然と思っていたのでした。
なので「コミュニティに溶け込む」ことは割と自覚的にやっていたところがあります。
僕が守っていたえらてんさんの教えは二つ
だいぶ前置きが長かったですが、いよいよ本題です。
前述の通り「コミュニティに溶け込もう」と息巻いていたものの、当時の僕は何も誇れるような技術や実績がなく、何も無い人間でした。何も無い人間が「ちょっと興味があるので仲良くしてください」なんていうのは、当時の謎の熱狂の中にあったエデンではとても難しかったように思えます。多少ビビりすぎていたところはありますが、一癖や二癖なんてものじゃない個性的な人間が集まる空間で僕は本当に無力でしたね。
ただそんな中でも、自分でできることもあると思って大事にしていたことがあります。
それがえらてんさんの教えである「いい人でいる」と「草むしり」のふたつです。
教えその①「いい人でいる」
「いい人でいる」…なんとも抽象的で捉え所のないものですが、これは要するに「無害」でいることです。
具体的には日頃から機嫌をよくし、にこやかでいて、相手の話をちゃんと聴き、言葉づかいに気をつけるといったことですね。
また様々な考えやバックグラウンドを持った人が集まる場所でもあるので、「無闇に詮索しない」「考えを否定しない」「安易なことは言わない」といったことも心掛けていました。
こうやって文章に起こすと「人として当たり前では?」となりますが、存外できない人が多いようです。
もちろん「そんな無色透明な人でいいのか?」みたいなことを思う人はいるかもしれませんが、よく分からない「カマシ」をするよりかは、いい人であることを心がけて人から信頼された方が全然いいぞ、ということは大きな声で言っていきたいです。
あとは自分はできてると思い込むとだいたい失敗するので、時折この教えを思い出しては自戒するようにしています。
教えその②「草むしり」
「草むしり」とは本当に草をむしって庭を綺麗にするのではなく、細々とした仕事などいわゆる「雑務」の言い換えです。
人のちょっとした困りごとやお願いなどを手伝ったり、細々したことをちゃんとすることで信頼を獲得しようというのがこの「教え」の根幹です。
人はどうしても分かりやすく目立つことををして、相手から興味関心を引き出そうとします。もちろんそれが必要な時もあるので全否定はしません。ですが、人から信頼を得たいならまずは自分のできる範囲でお手伝いをしたり、自分のやりたいことをほんの少しだけでも行動して積み重ねいくことが重要だったりします。
僕が具体的にやったこととしては、エデンの掃除には毎回顔を出したり、知り合った人の引っ越しを手伝ったりといったことをしていました。特に何か技術を持っているわけではないので、曖昧な労働力として参加できることはしていました。またもっと細かいところでいうとRTやイベントの宣伝など、とにかく多くの人が盛り上げていく必要のあることは積極的に協力していましたし、なによりとにかく店に通い続けていました。
結果は?
とにかくいい人であり続け、何かできそうなことがあればお手伝いをする。そんなことを続けて2年経ったころには知り合いも増え、信頼もそこそこ得られていたように感じます。
特にそう感じられたのは「テントサウナを自作して僕の家でやろう」といった企画をした時でした。
サウナが流行り始め、テントサウナに注目が集まっていた時期。エデン名古屋のお客さんの中にも実際にテントサウナをしに行ったりして、サウナの話題で盛り上がることも多くなっていました。そんな中でエデンのお客さんで集まってテントサウナをしたいという話になりました。
ただテントサウナは高額で、なかなか買うことはできません。大きなものになると余裕で20万円近くしたりします。
ですが、調べてみると自作している人がちらほらいるようで、5万円くらいで8人くらいの人が入れそうなものができるようでした。そこで「じゃ僕が作るか」となったのです。
それでも5万円を一人で出すのはなかなか厳しい。ということで「自作テントサウナクラファン」をしました。僕が作るので材料費はみんなで出してくれ!というわけです。
その時にはすでにイベントも何回かやっていたので「多少は集まるだろうな」とは思っていたんですが、一万円を出す人が速攻で5人集まり、結果だいぶオーバーするくらい集まってしまいました(作り出してみたら結局とんとんになったのでよかったですが)。
この時、「あぁ……みんなにお金を投げても大丈夫な人だと思われるようになったんだな」と強く感じましたね。教え守ってよかったなぁと。
その後自作テントサウナは大成功し、普通の家ではありえないほどめちゃくちゃ人が来ました。(楽しかったなぁ)
最終的に店長になった
さて今回のオチではありますが、そんなこんなでエデン名古屋に居続けた結果、店長になりました。
2021年の春頃、エデン名古屋のオーナーさんに、大須の物件に移転したら手伝ってほしいと言われ、そのままあれよあれよという間に雇われ店長となったわけです。
当初のねらいであった「何か面白いことに繋げたい」がこういう形で実現するとは思っておらず、人生何が起きるかわからないもんですね。
今は客として居続けるのと、店を残すために存在し続けることの違いに戸惑いを感じる毎日ではありますが、今後とも教えを守ってやっていけたらと思っております。
まとめ
久しぶりに振り返ってみるとやっぱり「人として当たり前のことしかしてないな」と思うのですが、その当たり前が大事なんです!ってちゃんと主張する人がいてもいいのかと思います。
そしてもちろん、今僕がこうしてエデン名古屋の店長をしていられるのも店を守ってくれた歴代店長や、一緒にお店を盛り上げてくれているお客さんが居るからだということは忘れないようにしていきたいなと思います。
みなさまには心からの敬意と感謝を。合掌。
それでは本記事はこれにて以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また生きてたらどこかでお会いしましょう。
読んでくださってありがとうございます。サポートしていただいたものは、読みたい本がいっぱいあるので、基本的に書籍代に当てたいと思っております!