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認知症×就労 (1) アルツハイマー型認知症とともに働く・・・という記事の紹介です。
4月も第3週が始まりましたね。
新規相談も安定的に来てはいるのですが、11営業日が経過し紹介6,契約4という状況です。1件は契約前に急に入院になってしまったので保留状態ですが、もうちょっと紹介が来るかと思っていたので個人的にはスローペースな立ち上がりになりました。
なんとか今月中に10件以上は確保したい所ですが、個人的には15件は少なくとも確保したかったのですが、なんせ後発の新規事業所なので各ケアマネさんも新規があれば紹介してもらえるような感じなのだろうと思いますので、そういう難しさがあるのだろうと思います。
とはいってもヘルパー不足はあるはずだったので、これはケアマネ不足による影響でニーズがあってもプランに繋がってないのでニーズが拾えていない状況があるのかもしれません。
しかしそうは言っても職員は精力的に各ケアマネに挨拶周りをしてくれたり、パンフレットを地域に配り歩いてくれたり、スーパーにパンフレットやチラシを貼りだしてもらうような交渉をして貼り出してもらえていたり、僕自身も各事業所に対しての情報発信などして定期的に当事業所の名前が目に付くような工夫をしてきた所なので、果報は寝て待て・・・と言いますが、今はそういう待つのが重要な時期なんだろうとは思うのですが、気持ちが焦りますね。どうしても。
なるようになる、というのは創業メンバーの一人の言葉ですが、まさにその通りなんですが、その前提に『やることをやった上でか?』という前提があると思っていて、今の僕自身としては『やることはやっている』と思っている一方で、その自己評価が実はレベルが低すぎる可能性があったりするので、実はやるべき事がやりきれてない可能性もあって、そこが不安の根源なんだろうと思っています。
なので勉強したり調べたりするわけですけど・・・
本当に頑張ってくれている職員を守るためにも、しっかりとニーズをつかんで契約を増やしていきたいと思います。
さて、僕自身と創業メンバーの共通の目標の一つに、介護が必要でも必要でなくても高齢者でもハンデがあっても子供でも成人でも普通に支えあって過ごせるような居場所を作りたい・・・という事がありまして、僕自身も認知症の方が利用者さんであって職員でもあるような居場所を作ってみたいな、と常々思っていたので、今日はちょっとそこに繋がりそうな記事を紹介します。
認知症は、かつて「何もできなくなる病気」と考えられていました。
しかし国は今年、「治療しながら働くこと」を目指す病気に、がんや糖尿病とならんで、「若年性認知症」を加えました。認知症を発症してからも、働くことは可能であるとし、支援することにしたのです。
若年性認知症でも就労できる事は知っていましたが、それはある程度ちゃんと会社側で職員教育や制度や環境を整備した上での民間での取り組みで終わっているような認識でしたが、どうやら国策として支援しているようです。
子どものころから憧れていた仕事に就いて20年以上経った47歳のとき、認知症と診断されました。きっかけは、遺跡の発掘作業を行っていたとき、同僚から受けた指摘でした。
「現場で、『島田の掘り方がおかしい』と言われたんです。『何がおかしいんですか。ちゃんと掘ってるじゃないですか』と思ったんですけど、『これがお前が掘った一部やけど、覚えてるか?』と言われて、それを見ると、ぐちゃぐちゃに掘っとるんですね。『あれ? 僕が掘った分ですか』って聞いたら、『そうじゃ』と。証拠を突きつけられたので、これは病院に行かなあかんと」(島田さん)
認知症の方から見た現実がこの状況なんですよね。
これは介護する側の介護職はいつでも想定していないといけないと思います。
厚生労働省の認知症総合戦略企画官・和田幸典さんはこう説明します。
「若年性認知症の方の就労継続には、その方の状況や、疾病の“変わりやすい”特性を踏まえると、もちろん難しさもあるといます。そういう難しさを踏まえて、職場でマネジメントをどう組んでいくか、周囲の理解をどう進めていくかが大きな課題です。専門家の知見もいただきながら、“いかに職場で仕事を継続していけるか”という取り組みを、これからみんなで作っていくことが重要だと思っています」(和田さん)
一般の会社で成果を求められる環境では結構厳しい内容じゃんじゃないかなぁと思うのですが、こういう取り組みはやってみないと実感も工夫も現実も見えてこないので、多くの企業で取り組みを進めて欲しいし、こういう方針を出した以上は国としてもしっかりサポートしてもらいたいものです。
意外とうまく行く所が多そうな気がしますけどね。
介護職より普通の人と一緒に働く方が認知症の方が生き生きと活躍できる、という実践の事例は結構多く見聞きしますので。
島田さんの職場では、診断を受けてただちに動きだしました。当時の上司・湯浅利彦さんは、まず島田さんの状態を正確に把握する必要があると考えました。
「何ができて何ができないか」を本人、家族、職場の三者がそれぞれの立場で確認します。通勤することができるか、出勤時刻を守れるか、パソコンの操作ができるかなど、チェック項目は46にのぼります。
そして2か月に1度、三者面談を行うことにしました。チェックシートを使って島田さんの状況を確認し、仕事の内容ややり方を見直していくためです。
このように理解のある職場はまだまだ少ないかもですが、職場の同僚が骨折したりして車椅子で通勤してきたら、それなりにその状態でも働けるようにしますが、認知症は脳の病気なので外から見えないので分かりにくいですけど、ちゃんと脳の病気で出来てた事ができなくなったんだ、という理解や、病状が進めばいろいろ出来ない事が増えていく可能性がある、という理解があれば、このようなチェックリストや面談の定期開催など自然に工夫していきますよね。
同じ職場の仲間としてどうなのか、どうしたいのか、というのがこういう場面ではっきりする訳ですよね。
島田さんの現在の就業時間は朝8時15分から夕方5時15分まで。給与体系も以前と変わらない職員として働いています。
上司の湯浅さんは、認知症の人が働き続けられるかどうかは、職場の考え方しだいだと言います。
「職業としての仕事にどれだけ貢献できるか。貢献するために周りがどれだけ援助できるか。私は仲間がそういう病気になったときに、できるだけ仕事を続けていけるように、周りが考えるのは普通のことだと思います」(湯浅さん)
上司の方が言われるように、認知症の方が働けるかどうかは職場の考え方しだい・・・という事ですが、これは介護現場にも言える事で、認知症の方が何かしらの役割を担えるかどうかは、その現場次第、という事だと思っています。
周りが考えるのは普通のことだと思います。
この上司の言葉は重いですね。
介護現場に長くいるので麻痺してしまっていたのかもしれませんが、やはり弱い立場の方に対して配慮して周りが考えるのが普通なんですよね。
介護の現場でも普通にそういうのを周りのみんなで考えれるようになりたいものです。
「私は人としゃべるのが大好きなんです。みなさん『あんたの話、おもろいわ』と言ってくれて、お礼状とかも結構もらうんですよね。ひとつ気付いたんですけども、(私にとって認知症の)いちばんの特効薬は人としゃべることですよ」(島田さん)
ほんとうにコレが大事だと思います。
認知症の方ご本人の言葉ですが『一番の特効薬は人としゃべることですよ』という事です。
この方がもともとおしゃべりが好きだったのもあるとは思いますけど、人間はやはり他者とのつながりを感じれてナンボだと思います。
ですので、隣に居て存在を伝えるだけでも十分なコミュニケーションが取れる事もあるので、そういうのも含めて認知症の方への援助では重要なポイントだと思っています。
しかし、うまくいくことばかりではありません。去年、島田さんはひとつの展示を任され、作業に専念できるように静かな一室を使うことになりました。
テーマは長年研究してきた鎌倉時代から室町時代にかけての「鏡」。ところが、公開予定の10日前、事件が起きました。
「(最初は)静かでええわと僕も思っとったんですよね。それでやり始めたんですけど、だんだん、誰もここに来えへんよなという感じで、息苦しくなってきて、はじけちゃったというか。『わしは、ここで何をやってんのやろう?』っていう気持ちになって、ここにおったら死ぬんちゃうかと思ったんです。でも死ぬのは嫌やなあって、どうしたらええかわからへんから、とりあえず逃げようと思ったんですよ」(島田さん)
この状況、認知症の方がデイサービスとかショートステイから出ていきたくなるケースの内心をそのまま表現してくれているように感じました。
認知症の方が、こういう気持ちになりやすくなる可能性が高い事について把握した上で適切な対応をしておく必要があります。
その対応もせずに立ち歩く事を問題行動として対応するような不適切対応が少しでも減ればいいな、と思います。
「認知症の症状のあり方、出方は一人ひとり違います。本人の気持ちに寄り添いながら、(島田さんの場合は)むしろ人がいるところ、人の声が聞こえるところのほうが仕事をしやすいんじゃないかと。職場の方に一緒に考えていただいて、仕事環境の変更をお願いしました」(大下さん)
その後、ほかの職員がいる部屋に移った島田さんは、予定通り展示をやりとげることができました。
それぞれの認知症の症状に最適な方法や環境を整える事は基本中の基本ですよね。そして、進行した状態に合わせて常にアップグレードしていく。
そこが認知症ケアのとても楽しい部分なんだと思います。
植村:ちょっと、全体的に点数が下がってるかな。
島田:進行しているということ?
植村:いや。
島田:これを維持しようと思うと、何をすればいちばん効果的?
植村:まあ、仕事ですよね。仕事でも積極的に声かけしている。これって非常にいいことですよね。
島田:得意分野でがんばるという感じですね。
働き続けることが認知症の進行を遅らせるうえでも有効だというのが、植村医師の助言でした。
「仕事していることが、自分がここにいる存在感、極端に言えば、この世の中にいる存在感を感じるわけですから、すごく大きな励みになるんです。その喜びは脳を活性化させますので、(島田さんの)今のレベルなら、ぜひ(仕事を)続けましょうということになりますね」(植村さん)
社会とのつながり、自分が誰かの役に立てている実感、必要とされている実感、そういう本来なら社会生活を営む上で当たり前に感じている(当たり前すぎてもしかしたら実感してない事も)事が、大きな励みになって脳を活性化させて認知症の進行を予防したりする好循環につながる可能性が広がるわけですよね。
やっぱりこれからは認知症であっても地域に出ていく事が大切だし、地域もそういうハンデのある方でもいきいきと暮らせるような地域づくりが重要だと思いますし、そういう所で僕ら専門職が役割を発揮していくのが正しい方向性だろうな、と思いました。
そして今日は週の初めなので仕事終えてから頑張って走りました。
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