みんな違うし僕らは脇役だし。
介護の現場で仕事をしていると、この”みんな違う”という当たり前の事が当たり前でなくなるような錯覚に陥る事があります。
少ない職員で多くの利用者様のケアをするので、どうしても職員も利用者様も一定の型や枠にはめてしまおうとする動きや流れが出来てしまって意識してないと気付かずに枠や型にはまらない職員や利用者様を面倒な存在だと思ってしまっている瞬間があります。
なので、自己覚知がとても大切だと思っています。
自分を俯瞰して見る事でズレていたら元の位置に戻せるんですが、この俯瞰して自分を見る事ができないと気がついたら道に迷ってるんでないかと思います。
また、気が付いた時にどうするか。
知った時、学んだ時にどうするか、その時の選択と行動も大切だと思います。
いまさらなんて事はないと思います、その時がその時なんだと思っています。
みんな違う。
同じ人はいない。
介護は、1+1=♾、だと思っています。
職員同士でも対利用者様でも利用者様同士でも。
いや、介護に限らず人間関係ってそうなんだと思います。
そういう奥深さがあるから面白いしやり甲斐がある仕事なんだと思っています。
自分と相手にしか出せない答えがそこにあって、それは追求すればするだけ応えてくれるものだと思います。
なので適当にしたりするのはとっても勿体ない。
たしかに否定的な人も拒否が強い人もいると思いますが、そう言うこともひっくるめて楽しみたいというスタンスでこの仕事を続けてきました。そんな感じでやってても15年以上続けられるんで、みんな自信持ってプロの介護職を続けて欲しいと思います。
みんな違うという意味では、認知症の方であっても僕としては受け止めを特別にしてるつもりはなくて、周辺症状がどうのこうのとか、アルツハイマー型認知症だからとかレビー小体型だからとか、あんまり意識せずに普通のお年寄りだと思って対応しています。
何度も同じ事を繰り返して言う人と、何度もトイレに行く人も、そういうおじいちゃん・おばあちゃんなんだと思っています。個性や性格として認識するみたいな感じです。
昔はこういう認知症だからどうのこうのって難しく考えて対応してた事もありますけど、その人のありのままを受け止める事の方が可能性が拡がると思ってからは、事前に障害や認知症の情報など聞いていても特にそれに捉われないでその人をそのまま見るようにしています。
病名や情報だけでその人を知った気になるのは危ないと思っていて、やっぱり生のアセスメントが重要だと思っています。
僕の中では、それは特別扱いしないで健常者と同じように普通に接してる感覚の事なんですけど、これがいくら職員に伝えようと思っても上手く伝わらないんですよね、たぶんこの記事の内容もよくわかんない内容になってるのかもしれませんが、今日は思うまま書いてるのでご容赦ください(笑)
だから僕は何度も同じ行動をされても変だと思わないし逆に何でだろう?とその理由を知りたくなります。
特に認知症の方は記憶が喪失してしまうので、それこそ『さっきもしましたよね』とか『さっきも言いましたよ』とか言っても無意味なのに、そういう無駄な事を言う介護職が多く、勝手に一人でイライラしたり怒ったりして余計に認知症の方を不安にさせるので自分で自分の無駄な仕事を増やしてるだけなんだけど、それに気が付かないというか、なんというか僕からしたらただ単に立場の弱い人にストレス発散してるだけにしか見えなくて悲しくなるんですよね。
お金を頂いているお客様相手にストレス発散できるような仕事ってありえないですよね。そういう常識や自覚が欠如してしまってる職員も残念ながらある程度存在するし、そういう無自覚な職員の軌道修正がとっても難しいですね。
僕はそれを、無意識に特権階級でいる事を手放せないからなんだと思ってます。そうじゃないかもしれないけれど。
どうやってあげれば気付かせてあげれるのか、介護の仕事を選んだのだから元々は立場の弱い人を助けたい思いがあったからこの業界に入ってきてるはずだから戻してあげたいんですけど上手く行った事はありません(涙)戻りたくない人も居たような気がしますが、そうは思いたくないですね。
認知症の方の対応などでは、どういう話題や切り返しをしたら同じ会話の繰り返しが変化するのかとか、何度もトイレに行ったっていい運動になるしいいと思うんですけど介護職の悪いクセなのか、制限したくなったり静止したくなるみたいなんです。
椅子から立ち上がるたびに『どこに行くの?』とか聞く職員がいたんですが、ここは刑務所か何かかな?と思った事もありました。どこに行こうが関係なくないかなぁ、そっと見守ってあげたらいいと思うんです。
そもそももうちょっと言葉遣いちゃんとしようよって話なんですけどね(苦笑)
なので、常々思うのは介護職が自分たちで介護の仕事を特別で難しいものにしてるんでないかと。
たしかに特別な仕事です、人生を支える仕事ですから。
難しい仕事です、その場の全ての方に100%のケアは不可能ですから。
ただ、例えば1対1の体制が作れたとしても、本人が満足できるケアの提供は難しいと思います。
介護の仕事ですけど、この仕事の主役は常にその人本人であって、われわれ介護職は常に脇役でなければならないはずなんです。それができるのがプロの介護職ではないかと思うんです。それが出来てない限りは人を増やしても無駄だと思ってます。
たしかに介護職の待遇や環境等は改善すべきだとは思いますが、同時にプロとして脇役に徹する仕事ができないとダメだとも思っています。
一人ひとりのお年寄りが主役になれるケアの場を仲間と一緒に作れたら最高ですよね。
きっとこれから多くの介護の職場はそういう方向に向かって行くと思います。
自分もどこまで出来るのか、出来ないのか、楽しみです。