固定資産の名寄台帳だけ追加でお願いを
相続の相談を引き継いできて、書類のやり取りも最後になった。
去年の12月に亡くなった染谷治平さんの相続も、相続人が高齢で7人もいて、かなり困難に思えていたのに、あっさりと遺産分割協議書が完成した。
遺言は無く、遺産は住まいと貯金だけ。
お子さんのいないご夫婦だった染谷さん宅は、今は79歳の奥さん一人。
ご主人は享年80歳だった。
相続人は奥様と・・・・ご主人の兄弟姉妹。
7人兄弟で、ご主人は上から3番目。
他のご兄弟は全員ご存命だった。
奥さんが全て連絡を取ったところ、全兄弟姉妹が、戸籍と住民票と印鑑証明を郵送で送ってくれた。
そして奥さんは更に、兄弟5人まではタクシーや電車で会いに行き、一番上の姉には郵送で、遺産分割協議書にサインと実印の押捺をもらい、完成させた。
僕が手伝ったのは年金の手続きと農協の口座解約、出資と建更の名義変更ぐらい。
自宅と土地の名義変更は最後に。遺産分割協議書が1つだけだだったから。
本店を通し、司法書士の先生に相続登記の依頼をかける流れになった。
他の銀行の解約も、農協の解約や名義変更でも、書類の不足は無かったからそのまま書類一式を送っていた。
2日後、司法書士の新井沢先生から電話がかかってきた。
「あ、もしもし江藤君?いま大丈夫?」
「はい、大丈夫です。この間送った染谷さんの件ですか?」
「そうなんだよ。昨日の午後に事務が受け取ってくれてて、今日確認したんだけどさ」
何か忘れただろうか・・・
「確認してて、固定資産の名寄せ、2月のやつなんだよ」
「あれ?3ヵ月とか半年とか期限があるんでしたっけ?」
登記については、戸籍や印鑑証明の期限は関係ないと本店に聞いていた。
「いや~、年度が替わったら新しい年度のやつじゃないとダメなんだよ」
「その名寄せだけですか?」
「そうなんだよ、今年度の名寄せが、もう取れるはずだから、取ってもらうか、委任状で代理で取らせてもらうかなんだけど、どうする?」
たった1部でも、先生に取ってもらうと別途、費用がかかる。
「僕が行ってきます。まだ少しお日にち頂いてよろしいですか?」
速攻で役所のHPから委任状の書式をダウンロード。
PDFの署名の機能を使って、被相続人名や僕の住所、電話、生年月日、名前を入力。
奥さんには日付と名前だけを書いてもらう状態を作成。
奥さんは普段は出かけない人だから、家にいるはず。
そのまま訪問→出張所→司法書士事務所にハシゴ。
完了した。
今日の仕事は進まなかった・・・。