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はじまりの物語❽

学んだことを覚えて
仕事で活かしていくうちに
小さな成果が出始めた。

非常識と揶揄された新入社員も
ぼちぼち成長していたようだ。

失敗が減り
怒られる回数も減っていった。

まぁ、相変わらず
職場で浮いてはいたが^^;

ただ、私という人間を許して(許容して)
仲良くしてくれた人もいて
彼女たちには感謝しかない。
※当時はその有り難さに気付けなかった…

「この会社で一番マナーを身につけた人になる!」
と決めてから
社内外の研修だけでなく
自分から学ぶようになった。

やっぱり成果が現れると
やる気になるもんだ。

ビジネスマナー本を何十冊も読んだり
自費で関連する講座に参加するなど
学んでは実践と失敗を繰り返していった。

その頃には「一番になる!」
という意識は薄くなっていたが
転機が訪れて退職を決めた。

送別会を開いていただき
常務に挨拶に行ったら
驚くような言葉をかけられた。

「君はお客様からの評判が一番よかったから
きっと皆さん残念がるよ」

この時の感動は忘れられない。
それまでのがんばりが
すべて認められた気がして
涙が溢れた。

私が来客応対や電話応対について
喜ばれるよう工夫をしていたことを
ちゃんと見ていてくださる方がいたのだ。

晴れ晴れしい気持ちで
悔いなく退職した。

つづく


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