「上司が無能だと部下は育つ」を実践した結果・・・その後の話。
読み物クリエイターの黒田です。
投稿から2年がたった今でも圧倒的なアクセス数のあるこちらの記事。
無能な上司の元で育った部下が相次いで退職するバッドエンドな実話です。
さて、実話ですので記事としては完結しているのですが、その後どうなってしまったのか続きが気になる人も一定数いるのではないかと思います。
そこで、続編+αという位置づけで記事を投稿します。
その後の無能上司A
有能な部下たちが去ると、当然ながら人員補充が行われます。
しかし、突発的な退職の影響で補充でされる従業員は残念ながら評価の低い人ばかりです。
まずもってエース級の人材が補充されることはありません。
そうした人員がメンバーとして社内各部から続々と集結して編成されていく様子は、本当に沈みゆく船をひたすら見守る気持ちです。
私が見守る立場にいる理由は、私自身が転職したからです。
今は全く違う業界で新しい業務を担当しているので、外野席から元いた職場を眺めることができています。
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「何も変わらず、無能なままだよ」
数ヶ月前、元いた職場の同僚から近況を聞かされました。
事実上の降格をしていることも、教えてもらいました。
無能上司A本人も50代半ばを過ぎていて、これ以上の出世は望めない雰囲気なので退職までの数年を指折り数えている状況でしょう。
これ以上、本人の改善が望めない状況というのは、職場として終了宣言されているようなものです。
・・・しかしながら、「上司が無能だと部下が育つ」のは真実です。
今いるメンバーが冴えない人材の集まりだとしてもいずれ有能になっていくと思います。
だから、ポジティブに考えれば「人材再生工場」のような役割を担い、それはそれで会社にとって有益な職場だと思います。
決して、無能な管理者を会社から排除すべきではありません。
これから管理者になる人へ
そういった実例を目の当たりにし、これから管理者になる(またはなったばかり)の人に向けて、無能な管理者に陥らないポイントをまとめてみます。
1)ローテーション
1つ目に上げる項目として、一番頭を悩ませるローテーションで申し訳ないです。
しかし、一定間隔でメンバーの流動性を高めるのは非常に効果が高いです。
「その人を取られると仕事が回らない」
「後任を任せたいからもうしばらく経験させたい」
よく聞くセリフです。
また、そもそも人事権を有していないためローテーションなぞ簡単できない、という管理者が大半を占めるでしょう。
しかしながら、それを諦めていることを前提に仕事をすること自体が「無能」と言われてしまう根源の一つです。
常に「ローテーションするぞ」という気持ちで日々業務に当たれば、自然と業務一つひとつの期限やメンバー個人のスキル習熟度に目を向けた管理ができるようになると思います。
2)スキル/資格の取得
自身がスキルや資格を取得するのではなく、メンバーへ促す意味となります。
「資格を取らせると転職されてしまう」
「自分が知らない資格を取られると、逆マウントされる」
など、メンバーが成長することを恐れていませんか?
「自身は上司(管理者)なのだからメンバーは常に自分より能力がない」
という考えがある限り、抑圧的な管理が進みます。
そうするとメンバーは勝手に自己啓発の機会を探し出します。
(メンバー内の有能な人物から連鎖的に)
ですから、敢えてこちら側からスキルや資格取得の話を持ちかけ、メンバーに専門性を磨くことを促すことでチームのベクトルを誘導します。
そうすることで、チームとしての空中分解を阻止することができます。
3)権限委譲する気持ち
前項と重複しますが、
「自身は上司(管理者)なのだからメンバーは常に自分より能力がない」
という考えを捨てるために、意思決定の権限を委譲することも必要です。
無能な管理者は、全て自分で判断・決済をするものだと思いこんでいます。
それは業務上の権限があるから、組織として決まっているから、という理屈があるからです。
責任感が強い人だと、更にその考えが悪化します。
(私は「間違った責任感」とよく言語化します)
しかし、その権限は表面的です。
業務のあらゆる事象を判断する権限ではありません。
例えば、業務上での不具合が見つかった時、黙って直しておくか上長にまで全て話を通すか迷うと思います。
迷う理由はその不具合の程度問題となりますが、そういった時こそメンバーの意見(=チームとしての総意)に耳を傾けるべきです。
ここで、自分には権限があるからとメンバーと話し合いもせずに判断することが「間違った責任感」であると思います。
職場は未就学児の集まりではありません。ちゃんと入社試験を突破した人の集まりですから、ある程度の事は判断できます。
メンバーの思考まで管理する権限はありません。
チームとしての総意をまとめ上げることが管理者の役割であり、メンバーにその権限を委譲する気持ちが必要だと思います。
まとめ
「上司が無能だと部下は育つ」
それは事実でしたが、チームは空中分解しました。
しかしながら、そういった無能な上司とそのチームは会社から排除すべきではありません。
なぜなら、そのチームのメンバーは一定レベルで成長していくからです。
とはいえ、最初からそのような「非意図的なメンバー育成」と「無能な管理者」になりたいと思う人はいないでしょう。
そうならないためのポイントは
●ローテーションを意識した日々の業務管理
→メンバーがいなくなっても大丈夫な体制構築
●メンバーへのスキルアップや資格取得の推奨
→自分よりもメンバーの成長を促す
●メンバーに権限委譲する気持ち
→メンバーの意思や判断まで管理しない
という3つを説明しました。
これは実体験をもとに、私自身ならこうするという提案です。
もし、あなたの近くにいる「無能な管理者」でお困りでしたら、この記事が解決の一助になれば幸いです。