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学習支援者日記

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一人の学徒・実践者として、考えていることを綴ります。
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#学び続けること

花のない桜を、見上げたことはあるか。

 3月某日、午前8時30分。塾としては早い時間帯に、中3担当講師陣が校舎に待機する。この日は…

学び直して、学ばされ -歴史講座における「流れ」と「知識」の葛藤

 怒涛の8ヶ月は、何気ない雑談から始まった。  1年ほど前、とあるオンラインイベントで簡…

"bring-brung-brungen" ーふぞろいなものを学ぶということ

He often breaks a vase. 「彼はよく花瓶を壊す。」 He broke the vase. 「彼はその花瓶を壊…

教科の生徒に推しを習う ー学び合いのラポール形成

「とにかく、本っ当に名作なんです。タイトルの意味だけじゃなくて、ちゃんと中身を調べてきて…

10年越しの「潜在的カリキュラム」 ー絶対零度の日本史講義

 「△△の勉強が苦手だったのですが、〇〇先生に出会って変わりました。先生の授業はとても分…

教育における究極の ”if” ー「子どもが教える学校」の生徒日記

 テキストの予習、小テストの作成と採点、論述答案の添削、演習教材の選定と印刷。塾講師とい…

向学心の掛け算、支援者の無力 ー春を目指した冬のマラソン

 想像に難くないだろうが、新年が明けてから桜前線が北上し始める頃までの期間は、塾業界にとって最多忙のハイシーズンである。「師走」が終わっても、こちらの「師」は3月まで走りっぱなしだ。もちろん独りではない。生徒(や保護者)と共に、春を目指して持久走を走り続ける。  今回は、前回の記事では概念の紹介にとどめた「ゆらぎ」に焦点を当てるため、駆け出しの講師が初めて受験生を送り出した話を綴りたい。 1.直前期という祝祭 弊社には年に1度、スタッフも生徒もフォーマルな服装で臨む特別な日

教育・子ども観の「コペルニクス的転回」 ー〈子ども支援学〉との出会い

 「大人スタッフの皆さんにお願いがあります。ケガをするかもしれない、などの重大な危険がな…