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学習支援者日記

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一人の学徒・実践者として、考えていることを綴ります。
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記事一覧

〈支援〉する塾講師をめざして(2/3)

2 教科学習を〈支援〉するには?「子ども支援学」の知見を実践し、〈支援〉する塾講師になる…

〈支援〉する塾講師をめざして(1/3)

1 「子ども支援学」の教え子ども支援学の教えを、進学塾の現場で実践したい。そう思い始めて…

花のない桜を、見上げたことはあるか。

 3月某日、午前8時30分。塾としては早い時間帯に、中3担当講師陣が校舎に待機する。この日は…

学び直して、学ばされ -歴史講座における「流れ」と「知識」の葛藤

 怒涛の8ヶ月は、何気ない雑談から始まった。  1年ほど前、とあるオンラインイベントで簡…

"bring-brung-brungen" ーふぞろいなものを学ぶということ

He often breaks a vase. 「彼はよく花瓶を壊す。」 He broke the vase. 「彼はその花瓶を壊…

拝啓、ちょいワル予備校講師 ー霧を晴らす古文講義

 「△△の勉強が苦手だったのですが、〇〇先生に出会って変わりました。先生の授業はとても分…

「教える」ことへのためらい ー〈支援〉と〈指導〉の間で

 大きな音に一瞬驚き、声の主を確かめて事態を察する。この教室ではよくある「噴火」、もとい上司から生徒への説教である。 「大概の卒業生は、私のことを『今まで出会った大人のなかで一番怖い』と言うんですよ」  「鬼の副長」が、面談相手の保護者に笑いながらそう話している。とはいえ彼は、単にキレ散らかしているわけではない。むしろ、心が落ち着かない日は説教を封印するのだという。しかも「噴火」に至る要因は、宿題や教材の忘れ、度を過ぎた悪態、度重なる遅刻など、専ら教科学力以外の要素である。入

教科の生徒に推しを習う ー学び合いのラポール形成

「とにかく、本っ当に名作なんです。タイトルの意味だけじゃなくて、ちゃんと中身を調べてきて…

10年越しの「潜在的カリキュラム」 ー絶対零度の日本史講義

 「△△の勉強が苦手だったのですが、〇〇先生に出会って変わりました。先生の授業はとても分…

教育における究極の ”if” ー「子どもが教える学校」の生徒日記

 テキストの予習、小テストの作成と採点、論述答案の添削、演習教材の選定と印刷。塾講師とい…

向学心の掛け算、支援者の無力 ー春を目指した冬のマラソン

 想像に難くないだろうが、新年が明けてから桜前線が北上し始める頃までの期間は、塾業界にと…

教育・子ども観の「コペルニクス的転回」 ー〈子ども支援学〉との出会い

 「大人スタッフの皆さんにお願いがあります。ケガをするかもしれない、などの重大な危険がな…