「教える」ことへのためらい ー〈支援〉と〈指導〉の間で
大きな音に一瞬驚き、声の主を確かめて事態を察する。この教室ではよくある「噴火」、もとい上司から生徒への説教である。
「大概の卒業生は、私のことを『今まで出会った大人のなかで一番怖い』と言うんですよ」
「鬼の副長」が、面談相手の保護者に笑いながらそう話している。とはいえ彼は、単にキレ散らかしているわけではない。むしろ、心が落ち着かない日は説教を封印するのだという。しかも「噴火」に至る要因は、宿題や教材の忘れ、度を過ぎた悪態、度重なる遅刻など、専ら教科学力以外の要素である。入