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映画『瞼の転校生』
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大衆演劇の世界に生まれ、
公演に合わせて1カ月ごとに転校を繰り返す生活を続けてきた主人公、裕貴。
転校してきた矢先に
無神経な担任教師から「帰り道の途中にあるから」という理由で
不登校の健にプリントを届け
ひょんなことから友達になる。
友達ができたことで、このまま演劇の道へ進むか
葛藤を覚えるも
来月にはまた転校する。
限られた時間の中での、裕貴と健の友情、成長。
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当初は、齋藤潤くんが出演していて
予告を見たら面白そうだったので気になっていたが
主役の松藤史恩(まつふじしおん)君の女方の美しさ、
葛藤して行く姿があまりに見事で
感動して
大衆演劇のシーンは特に魅入ってしまった。
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彼の芝居小屋のタニマチ‥のような上客役の
高島礼子さんをみて、亡き母を思い出した。
母も宝塚では似たようなことをしていたので
娘のあかりちゃん(地下アイドルだったが芝居小屋に預けられる)が
「わ、母ちゃん見にきてるよ」という台詞に、親近感を抱いた。
私の場合、モデルの仕事に母は何も口も手も出さなかったが
今となっては
心配で業界のことがわかる人にあれこれ聞いていたのだろう。
それを知るたびに私は「うるさい」と怒っていた。
親の心子知らずだ。何とも情けない。
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作品内の『瞼の母』の演目で
「世では親の心子知らずと言うが俺の母親はもうどこにもいない。両の瞼を閉じれば懐かしいおっ母ぁの顔が浮かんでくる」と台詞がある。(うろ覚え)
急遽、座長に頼み演目を変えてもらったのは
裕貴から健へのプレゼントであろう。
この演目ではないといけない理由が健にはある。
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千秋楽にやっと見に来てくれた健が裕貴にお捻りを渡した時の
裕貴の微笑みは
とても愛らしく、素晴らしかった。
あの微笑みで涙を流した人も多いのではないだろうか。
彼は葛藤を乗り越え、立派な役者へと成長したようにも思う。
正直もう1回観に行きたい。