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散歩日記Day1「事件」
さっそく事件である。
ビタミンDを補うために日光浴をすべく #散歩日記 を付けることにしたが(詳しくは前回記事を参照)、散歩に出て事件に遭遇した。
目的地である図書館に向かう道中、本を借りたら公園のベンチに座って本を読んで日光浴でもしようと思いながら歩いていると、前方に若い2人組の男がいることに気がついた。
「おや?」と思ったのはこの2人の存在が昼過ぎの住宅街に似つかわしくなかったからだ。
彼らの見た目は10代後半から20代前半といったところだった。
この辺りはファミリー層向けの賃貸マンションが立ち並ぶ区画と昔ながらの一軒家が立ち並ぶ区画の境のような場所で、ご近所づきあいがほとんどない私でもわかるほどかなり高齢化が進んでいる。
彼らのような若い世代が住む単身者用のマンションは駅前に多いが、ここからはそれなりに離れた場所だ。
活動時間の違いでたまたま会ったことがないだけということも十分あり得るのだが、それでも彼らのような若い青年、それもかなりやんちゃそうな……いや、最近の若い子らはこれくらいのお洒落が普通なのだろうか、とにかくそんな2人組がこんな時間にぶらついているのは珍しい。
それでなんとなく違和感があり目に留まったのだった。
(ちなみに関東などの地域によってはヤンチャとは「活発で元気」といったニュアンスでつかう言葉らしいが、ここ大阪でいうヤンチャとは警察のお世話になるとかそういったニュアンスである)
年齢的には大学生くらいのようだが、手ぶらで歩いていて授業があったとも思えず、かといってどこかの会社の昼休憩中という感じでもない。
服装と髪型からそれなりに洒落込んでいるように見えたので、もしかしたら学校か仕事が休みでこれから遊びに行くところなのかもしれない、と思った。
「まさか特殊詐欺の受け子じゃないよな」と一瞬考えたが、詐欺の受け子はスーツを着て会社員風を装うらしいし(サイズの合わないスーツ姿が不審がられて通報されるケースもあるらしい)、格好も髪色もあまりにも目立っていたので流石にそんなわけないかと、手元のスマホに目を落としながら少し距離を置いて歩くことにした。
事件はすぐに起こった。
路地を曲がりスマホから顔を上げた瞬間、思いもよらぬ光景が目に飛び込んできた。
2人組のうちの1人が、数メートル先でマンションの植え込みに向かって立ち〇ョンしていたのだ。
突然のことに頭が真っ白になった。
平日の、真昼間に、住宅街で、それなりに人の往来もある場所で、この令和の時代に、こんな若い青年が立〇ション……!!!??!!!!!
綺麗に手入れされた植木に向かって、勢いよく放たれている尿。
不幸中の幸いというべきか青年のブツは見えなかったが、一瞬にして血の気が引いた。過去のトラウマが一気にフラッシュバックだ。
というのも、学生時代に住んでいたマンションの周辺に露出狂が頻出し、1年間のうちに露出狂に10回近く遭遇して引っ越しを余儀なくされたことがあった。
授業が早く終わる曜日の午後3時に民家の植え込みや駐車場から飛び出してくる露出狂のせいで男性不信どころか人間不信になり、華の大学生活はメンタルからくる体調不良でそれはそれは最悪だった。(露出狂に対しては11回目の遭遇時に公然わいせつ罪で被害届を出した)(事件に遭遇したらその場で通報しましょう、公然わいせつはれっきとした犯罪ですby警察)
それが10年以上経って突然のコレである。
かろうじてブツが隠れていたとしても、こんな人通りの多いところで露出しているのだ。まぎれもなく公然わいせつ罪だ。
引き返すかこのまま何も気がつかなかったふりをして通り過ぎるべきか、頭の中はパニックである。
そんな私に気がついたもう1人が放尿真っただ中の青年を隠すようにサッと隣に立ったが、今度は反対側から自転車が2台がやって来て、乗っていた女性たちがギョッとした顔をして通り過ぎていく。
段々と怒りがわいてきて通報してやろうかと思ったが、通報したところで警察が駆けつける時には逃げているだろう。
とにかくこの場から離れようと、目線をスマホに落として早足で2人の後ろを通り過ぎ、振り返らずに通りをまっすぐに進んでいった。
次の角を曲がるまでの間にも自転車と車が通り過ぎて行った。
なんでこんな人通りも車通りもある場所で立ちシ〇ンなんかしてんだ。
スマホで調べると公然わいせつ罪だけでなく軽犯罪法違反にもあたるらしい。
やっぱり通報しておくべきだったかと思ったが、角を曲がるときに振り返ってみた時にはすでに2人の姿はなかった。
図書館に着いてもイライラが収まらず、結局公園には行かずに早めに帰宅した。
昭和の田舎のオッサンでもあるまいしこんな住宅街で立〇ションなんてモラルがないにもほどがある。
そもそも、現場から少し歩いたら大通りに出れて、すぐそこにコンビニもあるし、スーパー、ドラッグストア、図書館など「ご自由にどうぞ」と解放されているトイレはいくらでもあるのだ。
わざわざなんであんなところ、住宅街とはいえ大通りに抜けるために車も人も結構通る場所で立〇ション……、とそこまで考えてふと気がついた。
(あの子ら、この辺の土地勘がなかったのでは……?)
住宅街に現れた土地勘のない2人組。やんちゃそうな見た目でモラルはない。
……もしかして特殊詐欺の受け子とか強盗の下見とか、闇バイト系……?
いやでも見た目がやんちゃそうだからと言って怪しいと通報するのも違う気がするし、公然わいせつ罪に軽犯罪法違反を今から通報する……?現行犯でもないうえに証拠もないのに?(植え込みから尿が検出されればイケるのか?)
そんなことをグルグルと考え、もうどうにもならなくて夫が帰宅するなり玄関で一部始終を愚痴った。
「私は家の前でオッサンらが平気で立〇ションしてるようなド田舎からやっとの思いで都会に出てきたというのにどうして都会で令和のこの時代に立〇ションするガキどもにこんなに頭を悩ませているんだ!!!!
今の時代、飼い犬の散歩でさえご近所の迷惑にならないように家でトイレを済ませてから散歩に連れていくという飼い主も増えてるんだぞ犬でも立ちションはしないんだぞ!!!!!!」
旦那「言うてこの辺も田舎やし、元々治安もそんな良くはないしなぁ」
……。
話にならないのでこうして日記に書くことにした。
ただの散歩ひとつでこんな目に合うなんて、すっかりやる気を失ってしまったが、私の日光浴散歩日記はここでやめるわけにはいかないので今後はルートを変えて歩こうと思う。
トイレはトイレでしろ!