神社の御朱印マーケティングにまんまとハマった話
神社の御朱印に見る素晴らしいマーケティング戦略
最近、神社やお寺で御朱印をいただく方を多く見かけるようになりました。
そもそも御朱印とは、もともと写経を奉納した証としてお寺からいただくものでした。
ご本尊の名前や参拝日が記された半紙に朱印が押されることから「御朱印」と呼ばれるようになり、その後、神社でも御朱印が書かれるようになったのです。
今では、写経を納めずとも参拝の証として御朱印をいただくことができ、そのための帳面の「御朱印帳」も多くの神社やお寺で購入できます。
御朱印との初めての出会い
私が御朱印に出会ったのは「御朱印ガール」という言葉が生まれる少し前のことです。
鎌倉の長谷寺を訪れた際、偶然目にした「御朱印」の文字がきっかけでした。
観光目的での訪問でしたので、御朱印帳を購入し、試しにいただいてみることに。
初めて手にした御朱印は、墨の香りと美しい書が印象的で、心を惹きつけられる体験となりました。
神社のマーケティング力に驚かされた瞬間
ある日、地元の氏神神社で御朱印をいただいた際、特別感あふれるデザインに驚きました。さらに、神社の方からこんな言葉をいただいたのです。
「今回は秋色の赤いスサノオノミコトです。1月からは冬色に変わりますので、ぜひまたお参りください。」
御朱印のデザインが四季ごとに異なり、全て集めると特別な金色の御朱印がいただけるという仕組み。これを知ると、四季を通して参拝したくなるのが人情です。
さらに、ぞろ目の日には特別な御朱印が用意されているなど話そう。「次も来たい!」と思わせる巧妙な仕掛けが随所にちりばめられています。
私自身、気づけば2巡目の金色のスサノオノミコトを手にしていました。500円の御朱印が、この工夫によって何倍にも価値を増し、参拝者を惹きつけているのです。
御朱印ブームに見る神社の試行錯誤
従来、神社の収入源といえば、お祓いやお賽銭、御守りやおみくじといったものが中心でした。
しかし、御朱印ブームは、1枚500円の価値を大きく引き上げる可能性を生み出しました。
特別デザインの御朱印帳や限定品の企画など、日本人の「限定好き」に応える戦略は見事というほかありません。
こうした工夫を凝らす神社がある一方で、従来の御朱印にとどまる神社もあります。
特別感や継続性を意識した取り組みこそ、参拝者を繰り返し呼び込むカギとなるのではないでしょうか。
終わりに
御朱印は単なる参拝の記念ではなく、神社やお寺との深い縁を感じさせるものです。
同時に、心をつかむデザインや仕掛けを取り入れた神社のマーケティングは、多くの参拝者を魅了しています。
その巧みさに敬意を表しつつ、これからも御朱印を通じて神社巡りを楽しみたいと思います。