「北欧、暮らしの道具店」によるソリューションメニューの価値アップデートを振り返る
はじめに
こんにちは。クラシコムの高山と申します。
クラシコムが運営する「北欧、暮らしの道具店」には現在「D2C」と「ブランドソリューション」という2つのビジネスラインがあり、私はブランドソリューションドメインの責任者をしています。
2022年8月5日(金)に東証グロース市場に上場したことに伴うメディア露出や、先週開催した下記イベント等により、クラシコムのブランドソリューションをより多くの方に知っていただく機会につながっています。
今回のnoteは、クラシコムのブランドソリューションとして一番最初に始めたサービスであるBRAND NOTEについて振り返りたいと思います。
これまで100社以上のクライアントとお取り組みするなかで、アウトプットの形式は大きく変わらずとも、「クライアントは何を喜んでくれているのか?何を期待しているのか?」に向き合い続けることで、自分たちが提供できる価値がアップデートしていった流れをご紹介します。
BRAND NOTEについて
BRAND NOTEとは、クライアントの商品を弊社編集チームによる制作ディレクションのもと、「北欧、暮らしの道具店」上で記事コンテンツという形式でお客様にご紹介するサービスです。
広告コンテンツにはなるのですが、クライアントの商品に対して「面白い」と「欲しい」を両立させた読後感の設計を大切に、記事1本のリードタイムに2.5ヶ月ほどかけながら丁寧につくります。また、記事の最後にはアンケートフォームがあり、記事を読んだお客様の感想コメントなども多数集まります。
BRAND NOTE 1.0:伝わるという価値
2015年からスタートさせたBRAND NOTE。当時からクライアントに満足してもらえた価値は、ブランドとして伝えたいけど伝わってないこだわりや込めた想いが伝わるということでした。
サービス開始当初から、マス広告を中心にコミュニケーション施策を展開されているクライアントを支援してきたこともあり、「実はこういうこだわりがあるのに…」「CMで打ち出しているこのメッセージの裏にはこういう想いがあるのに…」等の伝えたいことが伝えられていない現状がありました。
当時は、その現状に直球でお応えして一定の成果が出せるサービスがなかった(クライアントに知られていなかったというのが正確かもです)ので、とても喜ばれました。
BRAND NOTE 2.0:発見する・検証するという価値
BRAND NOTEのサービス提供を行うなかで、一つの気づきが生まれました。それは、商品について様々な視点からの言葉がたくさん収集できるということです。クライアント担当者さんの話、編集チーム内でのディスカッション、記事に出演いただく取材対象者さんがご自身の暮らしで一定期間使われた際のリアルな感想など。
それらの言葉を編集して1本の記事にしていくながで「私たちの暮らしのなかで、この商品がある意味ってこういうことなのかも?」という自分たちなりの価値発見に行き着きます。
それはプロダクト起点ではなく、私たちの暮らしを起点にした発見と言語化であり、商品にとっても今後のマーケティングに活用できる新たな価値になります。
そして、BRAND NOTEを閲覧したお客様からのアンケートにより定量・定性両方のフィードバックが多く集まることで、今回発見した価値は有効なのかを検証できます。
BRAND NOTE 3.0:インプットという価値
この数ヶ月間においては、お取り組みをキックオフした際にクライアントから「御社のノウハウを勉強したいと思います!」というお声をいただく機会がすごく増え、実際に案件を進めるなかでも「いい意味でこちらの要望が通らなくて勉強になりました!」という声をいただくこともありました。
「そんなことに喜んでもらえるのか…!」と最初は驚いたのですが、BRAND NOTEを制作していく約2.5ヶ月ほどのプロセスにおいて、クラシコムがコンテンツをつくるうえでどんなことを大切にしているのか、それをどう反映していくのかを近い距離でインプットでき、それをクライアント側での顧客起点のコンテンツづくり等に今後活かしていけるという価値になっていることに気づきました。
クライアントからのフィードバックが貴重
以上のような価値アップデートが、これまでBRAND NOTEというメニューのなかで起こっており、それに気づくきっかけになった行動の一つは、事後フィードバックをクローズドな場でお願いしたことです。
お取り組みのレポーティングを終えた後に、事業責任者である私から30分間だけ時間をもらい、今回のお取り組みにおけるフィードバックをいただく機会を設けています。(弊社側からは、お取り組みに伴走した弊社担当者の同席はあえてなしで、責任者の私だけの参加により本音で話してもらいやすい環境にします)
弊社担当者へのフィードバックではなく、お取り組み自体へのフィードバックを目的としてクライアントにご協力いただいており、主には以下のようなことを聞かせてもらいます。
・どういった施策と比較検討のテーブルにあがったか
→自分たちがクライアントからどういう見立てを持っていただいているか確認できます
・お取り組みを決定するうえで決め手になったことは何か
・お取り組みを通してどこに満足いただいているか
→受注につながる価値や期待値、お取り組みを通してそこにギャップがあったか、もしくは別の価値があったかを確認できます
こういったコミュニケーションを通して、サービス価値が認識できるようになっていきました。
価値は多面的であることを認識する
1つのサービスには1つの価値があるではなく、顧客によって多面的な価値があると思います。それに気づくには、顧客に向き合い続けて、直接的なフィードバックや間接的なリアクションを大切にするしかないかなと思ってもいますし、サービスの発注に影響する価値とそうではない価値の見極めも重要です。
また、1つのサービスパッケージで様々な価値を積み重ねられることは、とてもクリエイティブで面白いし、今となっては、BRAND NOTE以外にも様々なソリューションメニューが生まれて多様なニーズに応えられています。
以上、BRAND NOTEについて少し振り返ってみました。
これからもクラシコムのブランドソリューションをどうぞよろしくお願いします!(お気軽なご相談も大歓迎です)
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