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レバーは食べられない人は、サプリメントでビタミンAを補給してください

昨日は、ビタミンAが気道上部の粘膜を強化して、そこで侵入してきたウイルスと闘う、ということを書きました。

そのビタミンAが圧倒的に多い食品は、レバーです。
鳥レバー100gを月に2〜3回食べれば、必要十分なビタミンAを摂取できます。

ですから、レバーを時々食べる人は、それだけでビタミンA不足を心配する必要は全くありません。

ただ、レバーは独特の匂いがあり、苦手な人が多いのも事実です。
その場合はどうしたらいいのか、というのが今回のテーマです。
(記事の文末に動画を貼っています)

レバーは安心安全な食品

本題に入る前に、
「レバーは肝臓であり解毒器官なので、有害物質が溜まっていないのか」と危惧している方もいるようです。
まずは、その誤解を解くことから始めます。

結論を言えば、それはありません。
肝臓は、あくまでも有害物質を“解毒”する場所であり、“貯蔵”する場所ではありません。

レバーに残留する有害物質のデータも存在します。
それによると、微量ながらカドミウムやヒソ、水銀などが検出されています。

しかし、他の部位と比べてレバーが特異的に多いわけではありません。
つまり、解毒によって残ったというよりは、元からの育った環境の中で蓄積していったと考えるのが妥当です。

そもそも鳥や豚、牛のレバーが毒に侵されているのであれば、人の肝臓の方が相当に危険だと考えられます。
動物と違って人の肝臓は、お薬や食品添加物、アルコールも解毒分解するからです。

ほとんどの人は、肝機能低下になってしまいますね。
したがって、レバーは独特の臭みはあるものの、至って安心できる食べ物だと思ってください。

レバー以外の食品は


それでもやはりレバーが苦手な場合は、それ以外の食品に頼るほかありません。レバーに次いでビタミンAが多いのは、鰻、穴子、あんこう肝、卵、バターと続きます。

このうち、多くの家庭が日常的に食べるものとなると、卵だけではないでしょうか。(バターは多くの量を摂れません)
ただ、卵でビタミンAの必要量を満たそうとすると、1日に7〜10個食べなければいけません。それは無理です。

そこで人参、カボチャ、ブロッコリー、ピーマン、ほうれん草、ケール、紫蘇、モロヘイヤ、パセリ、春菊、に含まれるβカロテンで補います。
βカロテンは、ビタミンAの不足分だけビタミンAに変換されます(プロビタミンAと言います)。

卵に加えて、これらの野菜をしっかり食べれば、レバーなしでも何とかビタミンAが充足できます。 

これが好ましい摂取方法ですが、レバーも卵も野菜もあまり食べないという人はビタミンAサプリメントが必要です。

ビタミンAのサプリメントは国内にない?

では、国内外のビタミンAサプリメントを見ていきます。

国内メーカーですが、大手に限るとビタミンAサプリメントが見当たりません。DHCから「天然ビタミンA」という商品が販売されていますが、よーく見ると(写真)βカロテンと書かれています。

これが虚偽表示になるのかは分かりませんが、消費者に対して誠実とは言えません。

私がこう言うのは、βカロテンのサプリメントはリスクがないとは言い切れないからです。

これは有名な疫学研究ですが、1994年フィンランド、および1996年アメリカで行われた研究。
喫煙者、または喫煙経験者を対象としています。(フィンランド2万9千人、アメリカ1万8千人)
上記被験者に高容量のβカロテンを投与して肺がんのリスクを減らせるか、という目的の調査でした。

ところが結果は、非投与群よりもフィンランドは16%、アメリカは28%、肺がん罹患率が高くなってしまいました。
死亡率も、フィンランドで8%、アメリカで17%、非投与群と比べて高くなりました。
このため、アメリカは4年で研究を打ち切りました。

ただ、この研究結果だけを見て、βカロテンのサプリメントがガンを引き起こすと単純に考える必要はありません。
対象が喫煙者、または喫煙経験者という、そもそも肺がんリスクが高い人たちだからです。非喫煙者に関するデータはありません。

また、βカロテンのような抗酸化物質は、一つのものをドカンと入れるのではなく、ビタミンCやE、セレン、リコピン、アスタキサンチン等、いろんなものをバランスよく摂取するべき栄養素です。
研究の性格上、βカロテンの単独大量摂取の結果ですが、日常の栄養摂取でこういうことはあり得ませんし、お薦めはできません。

ビタミンAサプリメントは3種類

では、純粋なビタミンAサプリメントはどこで販売されているのかというと、海外、おもにアメリカです。
輸入サプリメント通販iHerbのECサイトでは、βカロテンではなく、ビタミンAサプリメントが多数販売されています。

ビタミンAサプリメントは大きく分けて、天然、人工、混合の3種類あります。
天然(Fish River Oil)と人工(Retinyl Palmitate)の違いは、天然の方が多少は生体利用率がよいといったメリットがありますが、人工でも間違いなく効きます。

というのは、チョコラA錠というエーザイの医薬品がありますが、それが人工のビタミンA、パルミチン酸レチノールだからです。

iHerbのECサイトを見渡すと、商品のほとんどが混合です。天然と人工の比率はまちまちです。

100%天然の商品はというと、私が調べた限りでは、この1種類。
Blue bonnet のビタミンA でした。

ラベルの裏側を見ると、小さな文字でFish River Oilと表記されています。
(真ん中あたり)

天然にこだわる方は、この商品がよいでしょう。

ビタミンAサプリメントの注意点

輸入品ビタミンAサプリメントの注意点は、含有量です。
アメリカ産ビタミンAの多くは10000IUもしくは25000IUと表記されていますが、ここは理屈抜きで25000IUは避けてください。多過ぎます。
(IU=国際単位)

日本人の耐用上限量(μg)はIUに直すと8100IU(2700μg)となっています。
10000IU(3333μg))でも若干これを上回っています。が、これは許容範囲だと私は考えます。

ビタミンAでとにかく注意すべきは過剰症です。過剰症には、妊婦さんの奇形のほかに、頭痛、皮膚が荒れる、口唇炎、視力低下、脱毛、食欲不振、筋肉痛などがあります。

ビタミンAは本来、皮膚や粘膜を強化したり、眼の健康のための栄養素ですが、過剰摂取すると「皮膚が荒れる、口唇炎、視力低下」と真逆の働きをするんですね。
何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。

10000IUであれば大丈夫だとは思いますが、もしも今話した症状が出た場合には、2日に1回にした方がよいでしょう。
また、レバーを食べた日のサプリメント摂取も避けた方が無難です。

繰り返し、ビタミンAの過剰症にはくれぐれも気をつけてください

まとめ

国内の大手メーカーに限ると、純粋なビタミンAサプリメントは見当たりません。ビタミンAに変換されるβカロテンの商品がほとんどです。
純粋なビタミンAサプリメントはアメリカ産の輸入品になります。

ビタミンAサプリメントは大きく分けて、天然、人工、混合の3種類あります。
天然(Fish River Oil)と人工(Retinyl Palmitate)の違いは、天然の方が多少は生体利用率がよいといったメリットがありますが、人工でも間違いなく効きます。

私が知る限り、100%天然の商品はBlue bonnet のビタミンA、1種類です。それ以外のほとんどは天然と人工の混合です。

注意すべきは含有量です。
25000IUと表記されている商品は日本人には多過ぎるので避けてください。10000IUの商品を選ぶのが無難です。

ビタミンAの過剰症には、妊婦の奇形のほかに、頭痛、皮膚が荒れる、口唇炎、視力低下、脱毛、食欲不振、筋肉痛などがあります。
10000IUでもこうした症状が出た場合には、2日に1回飲むようにしてください。

この記事の内容は動画もアップしています。合わせてご覧ください。


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