血管がみるみる若返る食べ物8選【前編】
皆さんは日頃から栄養学を勉強して、 食事内容を改善したり、サプリを飲むなど
実践に移していると思います。
口から入って腸で吸収された栄養素は、肝臓等で代謝されて 37 兆個の細胞に運ばれます。
栄養素を運ぶのは血液、その通り道は血管です。
血管がいつも整備されていていい状態でなければ、血液はスムーズに通過
できません。
さらに血管が途中で消えてしまうケースもあり、すると栄養素もそこでストップです。
道路でいえば、陥没、倒木、土砂崩れがあると、自動車はその先には進めません。
栄養素が細胞まで届かなければ、摂った栄養素もあまりにも大きなロスが発生し、 健康状態は一気に悪化します。
この記事では、間違ってもそうならないように、 血管がみるみる若返る
8つの食べ物を解説します。
今回扱う血管は毛細血管です。
成人の血管の総延長は 10 万 km(地球2周半分)とも言われ
ますが、その 95%以上は毛細血管です。
毛細血管の質こそが、栄養素を生かすか生かさないかを決定づけます。
その毛細血管は、大きな血管と比べて構造が簡素で脆いのが特徴です。
大きな血管は、 下の図のように外膜、中膜、内膜の3層構造を持ち、すぐに詰まったり破れることはありません。
それに対して毛細血管は、内側の内皮細胞とそれを取り囲む壁細胞のみのシンプルな構造です。
そのため傷つきやすく、また内径は5〜10μm(ミクロン、髪の毛の太さの1/20)と天文学的な細さなので、状態がよくないとすぐに詰まります。
さらに、毛細血管は「消える」ことがあります。
毛細血管の流れが悪くなり、その先の細胞に酸素や栄養素が届かなくなると、
その部分は不要ということになって、最終的に消えてなくなります。
それをゴースト血管と呼びます。
ゴースト血管が発生すると体中の器官がうまく機能しなくなり、ありとあらゆる症状、疾患を引き起こします。
列挙するまでもありませんが、一応挙げてみると・・・
耳鳴り めまい 頭痛
腰痛 肩こり 便秘
末端が冷える 足のむくみ
肌トラブル シミ、シワ
髪のパサつき 抜け毛
アザができやすい 爪が割れる
イライラ やる気が起きない
こういった不調や症状に加えて、
高血圧 糖尿病 消化器疾患
腎機能障害 骨粗鬆症 認知症 脳梗塞
などのリスクも高くなります。
こういう状態にならないように、日頃から毛細血管が若返る
食べ物を積極的に食べることが激しく重要です。
血管が若返る食べ物① 玉子
血管に必要な栄養素、一つ目はタンパク質。
言うまでもなく、血管の材料はタンパク質です。
血管の強度を支えるコラーゲン、
血管の柔軟性、しなやかさを保つエラスチン、 2種類のタンパク質が
血管を構成しています。
玉子には M サイズ1個当たり 6、4gのタンパク質が含まれています。
1日2個、 12、8g を玉子から摂ると効率的です。
また、玉子のタンパク質は調理法の違いで吸収率に差が出てきます。
生玉子は吸収率 50%前後、加熱すると 90%前後まで吸収率が高くなります。
その中でも、半熟玉子や温泉玉子は一段と吸収率が上がるのでお薦めです。
血管に必要な栄養素、2つ目は卵黄レシチン。
脂質の一種レシチンには、水と油を混ぜ合わせる乳化作用があります。
乳化作用によってコレステロールを溶かし、血管壁にこびりついたコレステロールを剥がします。
これによって血管内にLDL コレステロールが蓄積するのを防ぎ、動脈硬化の予防に働きます。
レシチンが多いと、HDL コレステロール(余分なLDL を回収して肝臓に戻す)を増やします。
その意味でも、動脈硬化の予防に貢献します。
血管に必要な栄養素、3つ目はビタミン E。
ビタミン E は、血管の内側、血管内皮細胞の働きを活性化して、血管の柔軟性
を維持したり、血栓ができにくいように血液循環を促します。
血管が若返る食べ物② 納豆
血管に必要な栄養素の内、
タンパク質、レシチン(大豆レシチン)、ビタミン E の3つは
玉子と共通です。
納豆1パック 50g に含まれるタンパク質は約 8、3g。
玉子1個よりは上回ります。
大豆のタンパク質は、アミノ酸のバランスを示すアミノ酸スコアの評点が、玉子と同じく満点評価です。
大豆レシチンと卵黄レシチンは、その働きや効果に大きな違いはありません。
あえて言えば、大豆レシチンの方が血液中に長く留まることができます。
そのため、動脈硬化の予防により強力に働くと考えられます。
市販されているビタミン E サプリの多くが大豆油を原材料にしていることからも、大豆はビタミン E の宝庫です。
ほかにビタミン E が豊富な食品として、
オリーブオイル、アボカド、ナッツ類
が頭に浮かびます。
ところが、
オリーブオイルは円安に加えて地中海地域でのオリーブの不作、
アボカドも円安に加えてアメリカ、ペルーでの不作の影響があり、とんでもなく
価格が上昇しています。
ナッツ類はおやつには最適な食品ですが、すぐにカビてしまうというデメリットがあります。
食べるのであれば、小さな袋に小分けにしたタイプの商品を
選んでください。
そう考えると、納豆と玉子は、ビタミン E の手頃で確実な供給源と言えるかもしれません。
納豆にはそれ以外に、ナットウキナーゼという予防に強力な成分が含まれています。
ナットウキナーゼは、毛細血管を詰まらせる血栓を溶かして脳梗塞や心筋梗塞を防ぐ働きがあります。
高血圧や動脈硬化などリスク要因がある人は、納豆を毎日1パック食べる習慣
をつけるのが望ましいです。
血管が若返る食べ物③天然魚
肉と魚は何かと比較されます。
どちらもタンパク質の固まりのようなイメージがありますが、
細かく見ると違います。
肉類は部位によって大きなバラツキがあります。
例えば、牛バラ肉のタンパク質は
100g 中わずか12、8g。
豚バラ肉も 14、4g。
ほとんど脂を食べているようなものです。
同じく牛肩ロース肉は 16、2g、
サーロインは 16、5g、
鶏モモ肉も 16、6g に留まります。
その点、魚は切り身であっても満遍なくタンパク質が含まれています。
サバ1切(120g)当たり 24、7g、
サケ1切(80g)当たり 18g、
マグロ赤身5切れだけでも 15、8g
のタンパク質が摂れます。
決定的に違うのは脂質です。
肉類に多く含まれる飽和脂肪酸は、摂りすぎると LDL コレステロールが増加して動脈硬化の引き金になります。
一方で、天然魚に含まれる EPA は、
中性脂肪の吸収や合成を抑えたり、
血中の中性脂肪を減らす働きがあります。
中性脂肪が増えると、やはり LDL コレステロールを増やし、またHDL コレステロールを減らして、 動脈硬化の原因になります。
EPA は中性脂肪を減らして動脈硬化を予防することで、血管の若々しさを維持します。
天然魚に EPA が多いのは、
海に生息するプランクトンや海藻を小魚が食べて、それを中型の魚
がさらに大型の魚が食べるという食物連鎖があるからです。
養殖の場合は、ドライペレットという人工的な餌が主流です。
人工的な餌で育てられても EPA はほぼ含まれません。
なお、EPA と聞くと青魚だけと思っている人もいます。
が、マグロやカツオ、サケなどにもしっかり含まれていますので、とにかく
天然魚を選んで食べてください。
この記事は【後編】に続きます。
この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。