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お酢の驚くべき健康効果を知れば、摂らずにはいられません

健康効果が高いことで注目のお酢には、どのような特徴があり、どのような種類があるのでしょうか。

そして、その驚くべき健康効果を解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)

お酢の製造過程とお酢の歴史

お酢は、
まず、穀物や果物を酵母菌でアルコール発酵させて酒を作り、
さらに、酢酸菌で酢酸発酵させて熟成し、酢酸と水に分解することで作られます。 

つまり、2段階で発酵させるという、非常に手の掛かる食品です。

酢の製造過程の半分は酒造りなので、「お酒のある所にはお酢あり」とも言われます。
そのため、お酒と同様に、お酢もじつに長い歴史を持ちます。

文献では、紀元前5000年頃から登場します。
紀元前4000年頃にはワインやビールから酢を作ってピクルスを漬けていたようです。

ギリシャの医聖ヒポクラテスが病み上がりの患者に酢を飲ませたり、中国でも周の時代に漢方薬として重宝されました。

日本では4〜5世紀に中国から伝わりました。
奈良時代には、上流階級の間で高級調味料として用いられるようになりました。

お酢が庶民の間まで普及したのは、江戸時代です。
押し寿司や握り寿司などで使われたようです。

さまざまな種類の穀物酢

次に、お酢の種類です。
一説によれば、世界には4000種類ものお酢があるといいます。
日本では酸度4%以上のものを食酢と定義します。

ちなみに、食物をアルコール発酵、酢酸発酵させずに、化学的な合成成分で作る合成酢というものもあります。
が、合成酢は現在ほとんど販売されていないので、この記事では取り上げません。

合成酢ではない醸造酢は、「穀物酢」と「果実酢」に分かれます。

「穀物酢」は、アルコール発酵の前に、麹菌を使ってデンプンを分解する作業(糖化)が加わります。
ですから、糖化⇨アルコール発酵⇨酢酸発酵の3段階の工程ということです。

その穀物酢は、
お米から作る「米酢」
麦、豆、とうもろこしなどから作る「穀物酢」
に分かれます。

「米酢」はさらに、
お米(白米)だけを使っている「純米酢」
他の穀物を混ぜている「米酢」
玄米を使っている「黒酢」
に分かれます。

黒酢は、玄米のみを使っているものもあれば、精製度が低い米や大麦を混ぜているものもあります。
原材料表示のラベルで確かめて下さい。

「香醋」というのもよく聞きますが、
香醋は、中国特有の製法で作られた黒酢です。
濃厚なうまみが特徴です。

果実酢も全部試してみたい

次に「果実酢」です。
「果実酢」もいろいろあります。 

有名なものとして、りんご果汁から作った「りんご酢」。
フルーティーな香りが特長で、飲用にも向きます。

ブドウから作った「ワインビネガー」には、ワイン同様に赤と白があります。

バルサミコ酢は、イタリア特産のブドウを煮詰めて濃縮し、熟成して作ったものです。
香りが高く、酸味は少なくて甘みがあります。

それ以外にも、ザクロ、ブルーベリー、アセロラなど、果実酢もさまざまです。

酢の熟成期間は、短い場合3〜4か月、一般的には1年前後、長い場合は3年前後寝かせることもあります。

熟成期間が長いほど、酸っぱさがまろやかになり、芳醇な味わいの酢が出来上がります。

予算や用途に合わせて、お好きなものを選んでください。

お酢は血糖値や血圧を抑える

お酢のさまざまな健康効果。
まずは、疲労解消効果です。

お酢に含まれる酢酸やクエン酸は、エネルギー代謝の中で重要な部分であるTCA(クエン酸)回路を潤滑にさせます。
それにより、俗に言う疲労物質である乳酸の蓄積を抑えて、疲労回復に働きます。 

次に、血糖値の抑制効果です。
下のグラフは、食事と一緒に、大さじ1杯(15ml)の酢を摂った時の血糖値の変化を調べた実験です。

酢を摂らない時と比較して、血糖値の上昇が緩やかになっていることが分かります。

お酢は、血圧の抑制効果もあります。
高血圧の人を対象にした実験では、
①1日に大さじ1杯(15ml)の酢を摂るグループ
②大さじ2杯(30ml)の酢を摂るグループ
に分けて血圧の変化を調べました。

その結果、大さじ2杯摂ったグループでは、8週間で最高血圧が平均15mmHg程度、最低血圧は平均6mmHg程度、低下することが分かりました。
お酢は高血圧の予防効果もあるということです。

腸内環境の改善、ガン抑制効果も

お酢は、腸内環境の改善にも働きます。

お酢には抗菌作用があり、腸内の悪玉菌を減らしてくれます。
さらに、腸内の善玉菌は酢に含まれるグルコン酸をエサにして増えます。

つまり、悪玉菌が減って善玉菌が増えることで腸内細菌バランスを整えます。

がん抑制効果の研究も進んでいます。

京都大学研究グループなどにより、酢のヒトがん細胞に対する抑制効果と、動物に対する大腸がん予防効果が明らかになっていて、日本癌学会でも発表されています。  

それ以外にも、お酢は

コレステロール値を抑える効果や尿酸値を下げる効果
お酢に含まれるポリフェノールによる抗酸化作用
脂肪燃焼による肥満抑制効果
血行促進作用
カンジタ菌やO-157 などの病原性大腸菌の増殖を阻止
胃の粘膜の保護
胃酸の分泌を高めて消化を促進する
アルコールの分解を促進して肝機能を保護する
肌の新陳代謝を促進したり過酸化脂質を抑えることによる美肌効果
カルシウムやマグネシウムの吸収を助けることで骨粗しょう症予防に働く

などの効果が期待できます。

スゴいですね。
お酢には、これだけの健康効果が期待できます。

摂らなければもったいない食品です。
日常お酢を使っていない人は、この機会に、積極的に摂り始めることをお薦めします。

じつはお酢ではない3つの◯◯酢

1つ目はポン酢。
ポン酢は、ゆずやカボスなど柑橘類の絞り汁に、「醸造酢」や醤油などの調味料を加えた加工酢のことです。

醸造酢を加えている場合は、部分的にお酢の健康効果を得られます。
けれども、ポン酢そのものは酢酸発酵させたものではないので、お酢とは言いません。

2つ目は梅酢です。
梅酢は、梅干しを塩漬けにした時に、その浸透圧によって上がってくる汁、エキスのことです。
ですから、発酵食品ではありません。    

3つ目はもろみ酢。 
もろみ酢は、泡盛を蒸留する過程で出る酒粕(もろみ)から作られる飲料水のことです。

沖縄にも自慢のお酢があるんだと私は思っていましたが、勘違いだったようです。

ポン酢、梅酢、もろみ酢は、お酢ではありません。
しかし、それぞれによい成分が入っていますので、それなりに健康効果はあるということは補足しておきます。

まとめ

お酢は、
まず、穀物や果物を酵母菌でアルコール発酵させて酒を作り、
次に、酢酸菌で酢酸発酵させて熟成し、酢酸と水に分解することで作られます。

醸造酢は、「穀物酢」と「果実酢」に分かれます。

穀物酢の中の「米酢」は、お米(白米)だけを使っている「純米酢」と他の穀物を混ぜている「米酢」、玄米を使っている「黒酢」に分かれます。

「果実酢」には、りんご酢、ワインビネガー、バルサミコ酢などがあります。

お酢の数多い健康効果として、
疲労解消効果
血糖値や血圧の抑制効果
腸内環境の改善
がん抑制効果
コレステロール値や尿酸値を抑える効果
抗酸化作用
肥満抑制効果
血行促進作用
カンジタ菌や病原性大腸菌の増殖を阻止
胃の粘膜の保護
消化の促進
肝機能の保護
美肌効果
骨粗しょう症予防

などが挙げられます。

なお、ポン酢、梅酢、もろみ酢は、酢酸発酵して製造していないため、厳密にはお酢ではありません。

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


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