見出し画像

タンパク質の1日当り摂取量は危険水域

タンパク質は体の材料であるもっとも大切な栄養素です。

皆さんは
「この飽食の時代にタンパク質が足りていないはずがない」
とお考えではないでしょうか。

そこが今回のテーマです。
豊かになったはずの令和の時代に、じつはタンパク質は足りていません

それどころか危険水域かもしれません。
タンパク質1日当たり摂取量は1950年代と同じだからです。

この記事では、現代のタンパク質1日摂取量がなぜ70年前と同水準なのか、4つの理由を解説します。

令和の今は戦後の食糧難?

まずはグラフをご覧ください。 

1995年から2015年までのタンパク質1日摂取量を表したものです。
1995年以降、急激に減少しているのが一目瞭然です。

時間軸を更に伸ばして、戦後まもなくからのタンパク質摂取量を示したのが、下のグラフです。

1950年と2013年が同水準であることが分かります。

1950年と言えば、戦後の食糧難を引きずり
「タンパク質が足りない」
と言われていた時代です。

その時代と2010年代とでタンパク質摂取量が同じというのは大問題です。

どうしてそのようなことになったのでしょうか。
考えられる4つの理由を解説します。

①炭水化物食が多すぎる

私は、これがタンパク質が不足する最大の原因だと思っています。
炭水化物食は美味しいものばかりです。

麺類。
うどん、そば、ラーメン、パスタ etc.

私も沖縄在住なので沖縄そばを時々食べますし、福岡にいた時はラーメンを食べていました。

香ばしい匂いが漂ってくる焼き立てパン。
今ではコンビニパンのレベルもなかなかのものです。
どれも本当に美味しいですね。

ご飯レシピ。
チャーハン、チキンライス、タコライス、ハヤシライス。

そして、国民食でもある“おにぎり”。 
少しは肉など入っているかもしれませんが、ほとんど炭水化物です。

みんな大好きカレーライスも、意識して具をプラスしないと炭水化物ばかりになります。

世の中にはおいしい炭水化物食で溢れています。
カロリーはしっかり摂れるし、お腹いっぱいにもなります。

けれども、炭水化物食にはタンパク質はほとんど含まれません
多くの人は、そこに気がつく必要があります。

②お魚を食べなくなった

1998年以降の日本人1人当り魚介類摂取量です。
20年間で著しく減っているのがパッと見てわかります。

その理由は何でしょうか。
私にもわかりません。

骨を取るのが面倒くさいのかもしれません。
しかし、骨を取り除いた切り身も、スーパーに多く並んでいます。

魚は、比較的消化がよい積極的に摂ってほしいタンパク源です。

もっとも、
「魚の消費量は減っているけど、肉の消費量は増えている。
だから、タンパク質の摂取量は減っていないのではないか。」
という疑問が浮かぶかもしれません。

上のグラフの通り、魚介類の摂取量減少に取って代わるように肉の消費量は増え続けています。

問題は、肉に含まれるタンパク質の量です。
肉といえばタンパク質の固まりのようなイメージがありますが、部位によって大きく違います。 

牛肉の場合、モモ肉であれば比較的タンパク質が多いですが、牛丼等で使うバラ肉はグッと少なくなります。
ほとんどが油です。

同じく豚肉もバラ肉のタンパク質は多くありません。
豚肉であれば、やはりモモ肉、またはロース肉がお薦めです。

鳥肉はササミのタンパク質が多く、しかも安いのでお薦めです。
我が家は愛犬がいるので、必須のササミをよく購入します。

レシピによって使う部位はある程度決まりますが、多少は意識してタンパク質が多い部位(レシピ)を選んでください。

③朝食を抜く人が多い

朝食を抜く理由は、いくつかのパターンに分かれます。

・ダイエットの一環として行う
・朝食抜きの方が健康に良いという考えに基づいて行う
・単に朝の時間がなくて抜いてしまう

どんな理由の朝食抜きであっても、3食のうち1食を抜いてしまうと、タンパク質を十分に満たすことは難しくなります。

また、朝食を3分や5分とか超短時間で済ませてしまう場合も、タンパク質はほとんど摂れていないような気がします。

牛乳を除いて、タンパク食品を食べるのは、それなりに時間がかかるからです。解決策は、早起きして朝食の時間をしっかり確保して、お魚や豆腐、納豆、玉子を食べることです。

皆さんお忙しいとは思いますが、質の高い朝食は、タンパク質の摂取のみならず、1日のパフォーマンスを大きく左右します
ぜひ、時間をつくり出していただきたいと思います。

④ダイエット(の方法)

ダイエット自体を否定してはいませんが、やり方が重要です。

摂取カロリー全体を減らすのに合わせて、タンパク質まで減らしてはいけません。
減らすのはおもに炭水化物(糖質)です。

その意味では、糖質制限ダイエットの考え方は理解できます。 
糖質制限ダイエットは、タンパク質はしっかり摂って糖質のみを大幅に減らします。

ただし糖質制限ダイエットは、自己流でやってしまうと健康を害することもあります。
専門家の指導の元に行うのが安心です。

自分で行う場合は、緩やかに糖質を減らす(従来の7〜8割)ことから始めてください。
タンパク質は極力減らさないで下さい。

まとめ

現代のタンパク質1日摂取量は、1995年以降急激に減少して、1950年代と同じ水準です。

考えられる理由として、

①炭水化物食が多すぎる 

②魚介類の摂取量が減っている

③朝食抜きの人が多い  

④ダイエット(の方法に問題がある)

この4つを取り上げました。  

この記事の内容については動画もアップしています。
合わせてご覧ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?