育毛剤だけじゃない。抜け毛、薄毛対策として欠かせない栄養素3つ紹介します。
ただでさえ歳を重ねるに従って髪の毛の量は減っていくことに加えて、現代のストレス社会がそれに拍車を掛けています。
そこで、育毛に深く関係する栄養素を摂取することで抜け毛・薄毛の進行を食い止める、または遅らせられることを解説します。
(文末に動画を貼付しています。)
タンパク質(リジン)
抜け毛・薄毛に強い栄養素。1つ目はタンパク質です。
髪の毛の材料は99%がタンパク質です。少し細かく言うと、ケラチンというタンパク質です。
体のタンパク質は、20種類のアミノ酸(タンパク質の最小単位)で構成されますが、ケラチンはそのうち18種類のアミノ酸でつくられています。
18種類の中には多いものや少ないものがあって、一番多いのがシスチンというアミノ酸で15%強を占めますが、あまりそういうことは意識せずに、肉類、魚介類、玉子、大豆食品を中心に日常しっかりとタンパク質を摂ることが大切です。
ただし、ケラチンの構成比とは関係なく意識して摂った方がいいアミノ酸が一つあります。リジンというアミノ酸です。
リジンは頭皮や毛母細胞(下図)の新陳代謝を高め、たんぱく質(ケラチン)の生成を促しますとくに男性のAGA(男性型脱毛症)対策に有効だと言われています。
AGAは、男性ホルモンであるテストステロンが5αリダクターゼの作用によりDHTに変換され、DHTがAGAを進行させるとされています。
リジンは5αリダクターゼの働きを阻害することでAGAを予防します。
AGAは放置するとどんどん薄毛・抜け毛が進行します。リジンは体内では合成できない必須アミノ酸ですので、食事から摂取する必要があります。
お魚や大豆食品を食べていれば概ね摂取できますが、とくに含有量が多い食品を挙げると次のようなものがあります。カツオ、マグロ、ブリ、アジさわら、シラス、鶏肉(若鶏)、高野豆腐、納豆などです
リジンのサプリメントもありますが、まずは毎日の食事から摂るように心掛けてください。
亜鉛
抜け毛・薄毛に強い栄養素。2つ目はミネラルの一つ、亜鉛です。
亜鉛は細胞の分裂、増殖に欠かせないミネラルですが、中でも頭皮に運ばれてきたアミノ酸(シスチン)を、髪の成分であるケラチンに合成する働きがあります。
下の図は、シスチンを材料にして亜鉛が毛母細胞でケラチンをつくるというイメージ図です。
お酒やコーヒー、お茶を飲み過ぎるとダメなようです。これはアルコールやカフェイン、お茶に含まれるタンニンが、亜鉛を排出してしまうからだろうと考えられます。
亜鉛が足りないとケラチンの十分な合成ができないので、新たな髪が生えてこなくなってしまいます。
亜鉛は、先程出てきたAGAの原因である5αリダクターゼを抑制する働きもあり、抜け毛対策にも効果的な栄養素といわれています。
亜鉛は食事からも摂れますが、含有量が多い食品を見ると、牡蠣、うなぎ、カニ、ホヤ、赤肉など日常的にあまり食べないものが多いため、十分な摂取のためにはサプリメントが必要かな、と思います。
ビタミンB群
抜け毛・薄毛に強い栄養素。3つ目はビタミンです。
何かしら育毛と関係があるビタミンとしてビタミンA、ビタミンB群ビタミンC、ビタミンEが挙げられますが、全部を話していると時間が足りませんので、ここではビタミンB群に絞って説明します。
ビタミンB群は8種類ありますが、そのなかで育毛との関連が強いものとして、ビタミンB2、ビタミンB6、ビオチンがあります。
このうちビタミンB2とビタミンB6は過剰な皮脂の分泌を抑えて頭皮環境を整えるという大事な役割があります。
どういうことかというと、ストレスがたまったり睡眠不足、睡眠が浅い、睡眠時間がバラバラなど、睡眠の乱れがあると、ホルモンバランスが乱れて皮脂の分泌量が増えると言われています。
皮脂が多くなると「脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)」という、頭皮にフケ、赤み、痒みなどが出る炎症が起こりやすくなります。
脂漏性皮膚炎があると、それだけで抜け毛が増えやすくなりますし、脂漏性皮膚炎による痒みで髪の毛をかいてしまう刺激で抜け毛がさらに増えてしまいます。
ビタミンB2とB6は過剰な皮脂の分泌を抑える働きをします。
もちろん、皮脂の分泌が増えてしまうような乱れたライフスタイルを改善することが大切なのは言うまでもありません。
もう一つのビオチンは、ケラチンの生成に重要な役割を果たすだけではなく、皮膚・粘膜の新陳代謝を改善し、皮膚や粘膜を健康な状態に保つ働きがあります。
ビオチンは、病院でも皮膚症状に対しての処方薬として使われる場合があります。
ビタミンB2、ビタミンB6、ビオチンの3つのビタミンB群を取り上げました。 これらをサプリメントで強化する場合、それぞれのサプリメントも探せばありますが、ビタミンB群の8種類は常に協調してチームワークで働きますので、8種類すべてを含むビタミンB群サプリメントを選んでください。
ただ、ビタミンB群をしっかり含んでいるマルチビタミンを飲めば、ビタミンB群のサプリメントは不要かもしれませんし、育毛と関係するビタミンA、C、Eも十分に摂る必要があります。
まずは、十分な含有量があるマルチビタミン(基本的に輸入品になります)を選ぶことが大切です。
おまけ
紹介した栄養素以外に、抜け毛、薄毛の対策に役立つと思われる成分を男性向けのものと女性向けのもの一つずつ追加します。
男性向けのものとして有名なのはノコギリヤシです。
ノコギリヤシには、5αリダクターゼを阻害する効果があり、AGA 対策に有効と考えられています。
女性向けとしては大豆イソフラボンです。
とくに更年期によるホルモン分泌の減少を大豆イソフラボンは優しく補ってくれます。イソフラボンはマイルドなエストロゲンとも呼ばれています。
大豆イソフラボンは大豆食品全般に含まれていますので、いきなりサプリメントに頼ることなく、まずは豆腐や納豆、豆乳などから摂取してください。
まとめ
抜け毛・薄毛に強い栄養素。1つ目はタンパク質です。髪の毛の材料は99%がケラチンというタンパク質です。
なかでもリジンというアミノ酸は、頭皮や毛母細胞の新陳代謝を高め、ケラチンの生成を促します。
2つ目は亜鉛です。亜鉛は細胞の分裂、増殖に欠かせないミネラルであり、頭皮に運ばれてきたアミノ酸を、ケラチンに合成する働きがあります。
ビタミンB群のなかのビタミンB2、ビタミンB6、ビオチンも重要です。
ビタミンB2とビタミンB6は過剰な皮脂の分泌を抑えて頭皮環境を整え、抜け毛を抑えるという役割があります。
ビオチンは、皮膚・粘膜の新陳代謝を改善し、皮膚や粘膜を健康な状態に保つ働きがあります。
いかがでしたか。抜け毛、薄毛対策は育毛剤だけに頼ることなく、日頃から摂取する栄養素も意識してみてください。
この記事の内容については動画もアップしていますので、合わせてご覧ください。