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カルシウムの「ダメな」摂り方があることを知ってましたか?
カルシウムの役割およびカルシウムが多く含まれる食品は何か。
そのうち好ましくない摂り方はどれか。
好ましくない摂り方をすると体にどんな悪い影響があるのか。
そして、その理由に関して解説します。
(記事の文末に動画を貼っています)
カルシウムの役割と含まれる食品
言うまでもなくカルシウムは、骨や歯の材料です。
ただし、カルシウムさえあれば、強い骨や歯が形成されるわけではありません。
それに関しては下の記事で解説していますので、ぜひお読みください。
それ以外に、カルシウムは
・筋肉の収縮に働く(弛緩はマグネシウム)
・神経伝達に働く。
・イライラした気持ちを静めて、神経を安定させる役割がある。
・出血時にビタミンKと協調して血液凝固に働く。
などの役割を持ちます。
カルシウムが含まれる食品は下の図の通りです。
![](https://assets.st-note.com/img/1654992210377-Y1dhVW8o5m.jpg?width=1200)
①魚介類。中でも小魚(ししゃも、煮干し、ワカサギ)
②大豆食品。納豆、豆腐、生揚げ(関東)は厚揚げ(関西)。
③海藻類、野菜類。
モロヘイヤ、ほうれん草、ケールなどの葉野菜にカルシウムが多く含まれます。
こういった食品を日頃から意識して食べることが大切です。
「あれ、もう一つあったでしょ」というかもしれません。
④牛乳、乳製品です。
![](https://assets.st-note.com/img/1654992261726-bCKgI5beCb.jpg?width=1200)
これに関して今回は解説します。
牛乳・乳製品の特徴
牛乳・乳製品とくに牛乳はカルシウムが多く(図では220mg)、220mgより多いのは、先ほどの生揚げ(厚揚げ)だけです。
生揚げは滅多に食べるものでもないので、事実上牛乳がトップと言えるでしょう。
また、牛乳は吸収が早く、さらにカルシウムの吸収率が高い、という特徴があります。
この吸収率は概ね、乳製品50%、小魚30%、野菜20%です。
一見すると、牛乳(乳製品)はいいことづくめのように思えます。
ところが、それが問題なのです。
カルシウムが多く、その吸収が早く、吸収率が高い。
それは、吸収されたあと、カルシウム血中濃度が一気に上がるということを意味します。
そこに2つの問題が起こります。
骨がもろくなる
そのメカニズムを分かりやすく説明します。
カルシウム血中濃度が急上昇
➡️急激すぎる上昇は、体にとっては緊急事態
➡️慌てて、腎臓がカルシウムの排泄を始める
➡️緊急なので、とりあえず「出せるだけ出せ!」
➡️結果として、過剰に排泄してしまう
➡️今度は、カルシウム血中濃度が低くなる
➡️副甲状腺ホルモンの働きで、再び血中濃度を上げる
さて、ここで
「どうやって上げるのか」
「どこからカルシウムを持ってくるのか」
わかりますか?
答えは・・・
骨にあるカルシウムを溶かして、血中に流します。
➡️これを繰り返すと、次第に骨密度が低くなります。
![](https://assets.st-note.com/img/1654999360516-WCCdCF1rRM.jpg?width=1200)
このメカニズムから
「牛乳を飲めば飲むほど骨が弱くなる」
というワケです。
(異論もあります)
心筋梗塞や脳梗塞を発症する
カルシウム血中濃度が一気に上がると起こる問題、2つ目です。
心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが上がります。
カルシウム血中濃度が急激に上昇すると
➡️そのうちの一部が行き場を求めて、血管壁や関節に入り込んで沈着、石灰化します。
➡️関節(肩関節)が多いようですが、問題は血管壁への沈着です。
➡️血管壁にカルシウムが沈着、石灰化すると、動脈硬化を発症します。
➡️それが心臓を取り囲む冠状動脈に起こると心筋梗塞に、脳血管で起こると脳梗塞といった重大な病気につながります。
![](https://assets.st-note.com/img/1654999245239-LP7tLseZc3.jpg?width=1200)
このような理由から、牛乳によるカルシウム摂取を私は薦めません。
サプリメントにも要注意!
牛乳のカルシウム吸収に近い、というよりも更にリスクが高いと思われるのが、サプリメントによるカルシウム摂取です。
数百mgという大量のカルシウムを一気に入れるので、当然、血中カルシウム濃度も一気に上がります。
とくに問題なのは、吸収率を高めたアメリカ産サプリメントです。
カルシウムを含めたミネラルは総じて吸収がよくありません。
そこで、アミノ酸などでキレート(挟み込む)によって吸収を高めるサプリメントがアメリカでは多いからです。
ただでさえ、アメリカのカルシウムサプリメントは、量が多いのが特徴です。
国産のカルシウムサプリメントは1日の目安量400〜600mgが標準です。
ところが、アメリカ産の商品は1000mg、1gのものも普通に存在します。
![](https://assets.st-note.com/img/1654999160077-5gJFDXCpbq.jpg?width=1200)
そんな量のカルシウムを、吸収を高めて摂取したらどうなるか。
もう、説明しなくてもご理解できるかと思います。
カルシウムサプリメントの研究調査も
実際にカルシウムサプリメントを投与した研究調査は複数ありますが、そのいずれも由々しき結果が報告されています。
① アメリカの研究
45〜84歳5448人を対象に、単独カルシウムサプリメントを摂取
➡️冠動脈の石灰化のリスクが上昇した
② フィンランドの研究
52〜62歳女性10555人、7年間の追跡調査
➡️カルシウムサプリメントの使用者は、未使用者と比べて心血管疾患のリスクが24%上昇した。
③ ドイツの研究
35〜64歳、23980人、約11年の追跡調査
食事性のカルシウム摂取(820mg/日)では、
➡️心筋梗塞リスクが30%低くなった
カルシウムサプリメント摂取では、
➡️心筋梗塞リスクが86%増加した
細かな調査条件など、分からないこともあります。
が、サプリメントによるカルシウム摂取は、リスクを伴う可能性があることが感覚的に推測できます。
結論として
カルシウムの好ましくない摂り方は、牛乳(乳製品)とサプリメントによるカルシウムの大量摂取です。
牛乳を除く食事からの摂取(魚介類、大豆食品、野菜、海藻類など)が望ましいと、私は考えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1654994297657-2IOXAGi8mQ.jpg?width=1200)
まとめ
カルシウムが多く含まれる食品には、
魚介類、大豆食品、海藻類、野菜類、牛乳・乳製品があります。
牛乳・乳製品、とくに牛乳はカルシウムが多く、吸収が早く、吸収率が高い食品です。
いいことづくめのようですが、吸収されたあと、カルシウム血中濃度が一気に上がることで問題が起こります。
骨がもろくなる
心筋梗塞や脳梗塞などの病気を発症する
牛乳のカルシウム吸収に近く、更にリスクが高いと思われるのが、サプリメントです。
なかでも、吸収率を高めたアメリカ産サプリメントは、非常にリスクを伴う可能性があります。
この記事の内容については動画もアップしています。合わせてご覧ください。