血管がみるみる若返る食べ物8選【後編】
この記事は【前編】からの続きです。
血管が若返る食べ物、
4つ目と5つ目を紹介する前に、キーワードを解説します。
一酸化窒素 NO という物質です。
一酸化窒素は毛細血管の内皮細胞に働きかけて、 血管を柔らかく、 しなやかにして血管を若々しく保つ効果があります。
血管で日々作られている一酸化窒素は、 循環器系における情報伝達物質です。
血管を作る平滑筋を弛緩させることで血管を拡げます。
そのことで、体のすみずみまで酸素や栄養素が運ばれることを助けます。
さらに一酸化窒素は、血管壁に血球やコレステロールが付着して内腔が狭くなるのを抑制することで、動脈硬化の予防に働きます。
一酸化窒素が生体機能の維持に必須であることは、
1998 年、ノーベル医学・生理学賞を受賞した研究で広く認識されるようになりました。
「体内で作られる」と書いたように、 一酸化窒素そのものを含む食べ物があるのではありません。
体内の酵素で一酸化窒素に変換される「ある物質」を含む食べ物を摂ることが重要です。
その食べ物2つをこれから説明します。
血管が若返る食べ物④葉野菜
葉野菜に含まれ、一酸化窒素に変換される物質は硝酸塩です。
葉野菜に含まれる硝酸塩は、口腔内および消化管の常在細菌によって亜硝酸塩に変換されます。
それが酵素反応によって一酸化窒素に変換されます。
一般に流通している葉野菜 100g 当たりの硝酸塩の量は、
小松菜 チンゲンサイ 500mg
野沢菜 パクチョイ ルッコラ 400mg
春菊 カラシナ ツルムラサキ 300mg
ホウレンソウ レタス 水菜 ケール
パセリ モロヘイヤ サラダ菜 200mg
一酸化窒素をより多く作りたい時は、
小松菜、チンゲンサイが最適です。
ここで勉強熱心な方は、硝酸塩から変換される亜硝酸塩は危険だと考えているはずです。
ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉に含まれる亜硝酸塩が発がん物質を発生させるからです。
しかし、亜硝酸塩はそれ単体で発がん物質になるのではありません。
アミノ化合物(2級アミン、2級アミド) と反応するとニトロソ化合物という発がん物質になります。
加工肉には、添加物としてアミノ化合物が使用されるために、発がん物質生成の可能性が高いと考えられています。
葉野菜を食べたらガンになることは、くれぐれもありません。
血管が若返る食べ物⑤スイカ
スイカに含まれ、一酸化窒素に変換される物質は L シトルリン。
シトルリンという名前は、スイカの学名が由来しています。
L シトルリンは、まず体内でL アルギニンに変換され、その L アルギニンが一酸化窒素に変換されます。
L シトルリンも L アルギニンもアミノ酸の一種ですので、あらゆる食品に含まれてはいます。
が、中でもシトルリンはウリ科の植物に多く含まれます。
100g 当たりの含有量は、
メロン 50mg、キュウリ5〜10mg
に対して、
スイカは180mg も含まれます。
体内で一酸化窒素を作り出すためにスイカをお薦めするのは、これが理由です。
スイカといえば夏というイメージが強いですが、ハウス栽培の発達で夏以外でも食べられるようになりました。
私が住む沖縄では、ほぼ年中スーパーに並んでいます。
少しだけ意識してスイカを食べる回数を増やしてください。
少しまとめると、上の図のように一酸化窒素を生成するには2つの経路があるということです。
一つはスイカをはじめとした L シトルリン、L アルギニン経路。
もう一つは葉野菜を中心とする硝酸塩、亜硝酸塩経路です。
「加工肉」は、アミノ化合物さえ含まれていなければ、血管の若々しさを維持
する食べ物にランクインします。
しかし、残念ながら発がん性が懸念されるのでお薦めすることはできません。
血管が若返る食べ物⑥〜⑧
シナモン ルイボス ヒハツ
シナモン、 ルイボス、 ヒハツには、毛細血管を強化する能力があります。
シナモン、ルイボス、ヒハツには tie2(タイツー)という毛細血管にとってきわめて重要な酵素を活性化させる働きがあるからです。
毛細血管は、一層の壁細胞の内側に内皮細胞があるシンプルな構造です。
tie2 は内皮細胞に現れる酵素の一種で、内皮細胞と壁細胞を結びつける接着剤のような働きをします。
シナモン、 ルイボス、 ヒハツ、3つの成分は、tie2 を活性化させることで、内皮細胞と壁細胞の結合を強固にします。
毛細血管を強化することにより血管の老化、そして血管のゴースト化を防止します。
シナモンには毛細血管強化のほかに、
抗酸化作用、 胃腸の働きを助ける、
血糖値の改善、コレステロール値改善
などの健康効果が期待できます。
私は、シナモンコーヒーで用いています。
ルイボスは豆科の植物で、ルイボスティーで知られています。
ルイボスティーはノンカフェインのため、カフェインによる心拍数の上昇や
睡眠障害の心配がなく、就寝前でも安心して飲むことができます。
ヒハツは、 沖縄以外の人には知られていない食品です。
八重山諸島で作られるややクセのある香辛料です。
沖縄ソバ以外にスープ、カレー、パスタ、うどん等に使えます。
私は、胡椒を使う場面でよくヒハツを使います。
シナモン、ルイボス、ヒハツ。いずれも一般には馴染みが薄いものばかりですが、この機会にいずれか一つでもキッチンに取り入れて毛細血管を強化してください。
【前編・後編】まとめ
血管がみるみる若返る食べ物8つ
①玉子
(タンパク質 卵黄レシチン ビタミン E)
②納豆
(タンパク質 大豆レシチン
ビタミンE ナットウキナーゼ)
③天然魚
(タンパク質 EPA )
④葉野菜 (硝酸塩 )
⑤スイカ(シトルリン)
※硝酸塩 シトルリンは一酸化窒素に変換されます
⑥〜⑧シナモン ルイボス ヒハツ
※3つの成分は tie2 を活性化させることで内皮細胞と壁細胞の結合を強固にします。
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