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なぜ「あの人」はセンスのない企画ばかり通してしてしまうのか

はじめに

色々と仕事をしていく中で、最近になってやっと自分の考えがまとまってきたので、一度テキストでまとめてみようと思います。

頭の中をまとめただけなので矛盾や間違いも多々あろうと思いますが、是非そのあたりはご指摘いただけると幸いです。

過去のnoteではメルカリのマーケティング活動について、わかりやすいものを中心に書いてきましたが、今回はもっと抽象的な戦略策定を中心に書いてみようと思います。

自己紹介

私は現在メルカリでマーケティング部門の執行役員をしています。VP of Marketing Marketplaceというのが役職名です。

いまはマーケティング部門の管掌をしていますが、特に私はキャリア的には「マーケティング」の専門家というわけではありません

キャリアとしては

2011-2014 電通
2014-2019 Gunosy(執行役員)
2019-2022 ノイン(スタートアップの取締役COO)
2023-現在 メルカリ(VP of Marketing)

といった感じです。電通ではテレビの枠の買付を約3年間していました。電通でのメインの仕事は飲酒でした。

Gunosyではマーケティングも担当していましたが、メインでマーケティング執行役員をしていたのは在籍していた丸5年間のうちで2年程度です。スタートアップだったのでアサインはめちゃくちゃで「お前が金使うんだからその計画を書け」ということで事業計画をCFOに教えてもらいながら書いたり、外部とのアライアンス担当として大株主のKDDIさんとディールを決めて新規事業を立ち上げてその責任者をやったり、広告営業部門の管掌をしたりもしていました。なんでもやるのが当たり前の環境は大変でしたが今の私の仕事における基礎はここで培われました。

Gunosy卒業後はスタートアップで取締役COOとして資金調達や組織づくり、採用、アライアンス等々をしていました。マーケティングぽいことはお金がなかったこともあって、あまりしていません。やりたくてもお金がなくてできなかったというのが正しいかも。お金がない中でできることを考えて実行するしかなかったです。


「センスのなさ」の正体

さて、早速ですが本noteの本題の「センス」とは何なのでしょうか

マーケティングの専門家であってもそうでなくても、

「なんでこんなセンスないことやってんの??」

と思うような企業のプロモーションにあたったことはありませんか?実は現場では「こんなセンスないことやりたくねえよ…」と思いながらも止められないということは非常に多いです。

誰が見ても「センスがない」施策はなぜ実行されてしまうのでしょうか。

センスの無さの大きな要因は「数字」と「合議」です

数字で語るセンス

ビジネスの現場では「数字で説明せよ」と言われるケースは非常に多くあります。数字での議論は主観を排してフラットに公正に判断ができると思われがちですが、じつは正しく数字で語るにはセンスが必要です。センスのない人間の語る数字は本当に厄介です。

自分のなかでストーリーが出来上がってしまっていて、更にそのストーリーが数字でデコレーションされてしまっている場合にセンスのない施策が実行されてしまいます

間違った(根拠の乏しい)ストーリーとそれを正しく見せてしまう数字がセンスの無さの正体です。

「数字は嘘はつかないが、嘘つきは数字を使う」の言葉の通り、数字によって正しそうに押し付けられるストーリーがセンスのない施策を生み出しています。

合議に「殺される」施策

何かを決める際、揉めないように物事を決めることが重要なシーンは多くあります。折衷案を採択することで物事が円滑に回るというシーンは多いです。実際ビジネスシーンにおいても相手の言い分とこちらの言い分の中間あたりに落とし所を作って物事を進めることは非常に多い上に有効な手段です。

しかし、対お客様の施策を合議で決めてはいけません。

仮にA(若者を狙う)、B(主婦層を狙う)の施策を同時に検討し、予算や期間の関係からどちらかを選択する必要がある場面を想定しましょう。

どちらもメリットは大きく、過去施策の実績からも効果もコストも同じくらいの見込みだとします。どちらをやるかで社内の意見は真っ二つ。この場合トップだとしたらどうしますか?

こういった場合に、「AとBのいいところをとったA'でいきましょう!」

という意思決定は本当に多いです。

この場合、「若い主婦にあたるような訴求を探して…」のようにターゲットが狭まりすぎて効果が見込めなくなるとか、「まだ若い感覚を持った主婦層への新たなアプローチで…」のようなそもそもそんなターゲットを当社は狙ってるのか??というようなワケの分からない企画が壮大な議論の末できあがります。

いいとこ取りをしたつもりが、双方の持ち味を殺したゴミ企画になってしまうケースはマーケターなら少なからず見たことはあるでしょう。

この場合の正解は「どちらかに決める」です。何かを選ぶことは何かを捨てることと割り切りましょう。下心をだして折衷したりしないで決めるのです。そして決めた案に全力を注ぎ、それを正解にしてしまうのです。

積極的に色々なものを取り入れて施策を磨くのと、消極的妥協で落ち着かせるのは全く違います。意思決定までは反対意見をぶつけ合うのは大いに結構ですが、最後にはトップが決める、そして決めたらdisagree and commitで全員その方向に向くとしないとうまくいきません。

合議は責任の所在が不明瞭

合議で決めると責任の所在も不明瞭になるので、誰が成功させたのか、失敗させたのかも有耶無耶になってしまいます。そのため、施策のセンスが悪かろうと自分の責任ではないと担当者にも思わせてしまい、結果施策に向き合う本気度が下がるのでアウトプットクオリティも落ちます。

「話し合いの結果、トップが決める」

「話し合いの結果をまとめたものを決定事項とする」

は双方とも話し合いを経ていますが、意味合いは全く違います。意思決定は勇気がいることですが、トップの仕事は意思決定です。みんなで仲良くすることではありません。

選択の結果コケることは当然ありますが、いちいちそんなこと気にしてたら進みません。失敗を受け止めることがセンスを磨くことにも繋がります。(たぶん)

数字で語るセンスの磨き方

合議については「合議はやめましょう」で良いのですが、数字で語るセンスを身につけるのはなかなかに難しいです。個人的にはここは「数字を使った意思決定がうまい」と思える人に食らいついて学ぶのが一番早いと思います。「センス」と言われると先天的なものにも聞こえますが数字の読み方や使い方は後天的素養です。

いま見ている数字の背景を説明できるか

数字のセンスを磨くにはそもそも数字を見ることと、背景を定性的に説明するクセをつけることが大事です。また、見えている数字が本当に正しい数字なのかは常に疑う必要があります。

数字しかみないと、「効率のいい施策だけ効率よくチョイスしてつまんでいけばめちゃくちゃ効率が良くなる」と考えるわけですが、実際そんな都合のいいことはありません。

効率がよく見えているのは切り取られた一部しか見えていないかもしれない(正しい数字がとれていないのにそれを根拠にしてしまっている可能性)し、他施策との相乗効果(切り分けられない効果)もあるわけです。

拡大のフェーズやそもそものコスト予算に合わせて施策内容も変化させないと同じ効率を都合よく拡大したりつまんだりなんかできません。定量で物事を語るのは基本ですが、その背景が定性的に説明できるかというのは非常に大切な視点です。

定量を定性で説明できない場合、因果を逆に捉えてしまっている可能性があります。

自戒も込めてですが、因果の相関を正しく捉えられるかというのはマーケティングに限らず意識したいポイントです。

数字の裏に必ずある「人間の心と行動」

たとえば、マーケティングに触れたことがないのに担当役員になったりした人が張り切って数字分析した結果やろうとしがちなのが「ロイヤルユーザーが売上をつくるため、ロイヤルユーザーを選択的に作ろう」という発想です。

マーケターの方なら分かると思いますが、実際はそんな都合のいいことはできません。選択的にロイヤルユーザーを増やして大成功したグロース事例はどこにあるのでしょうか。コカ・コーラ、マイクロソフト、テスラ、トヨタ、P&Gの顧客はロイヤルユーザーだけで構成できていますか?

エクセルで数字だけみると2割くらいのヘビーユーザーで7-8割程度の売上が作られるため、このヘビーユーザーを増やそうと考えているのですが、この数字の裏にある当たり前の人間の心や行動がわかるかどうかがセンスです。

ヘビーユーザーは本当にロイヤルユーザーか?

身も蓋もない話をすると

「ロイヤルユーザーだからリピートするのではなく、よく知らないし興味もあまりないからこそ同じブランドで済ませているだけのヘビーユーザーがいる」

です。

これだけ言われると、

「いやいや、そんなことはないでしょう。ブランドを好きになって使い続けてくれるお客様が実際多くいるし…

と言いたくなる気持ちは分かります。そして、実際ブランドに対する好意度が高いために頻度高く使ってくれている人もいます。

しかし、それでもサービスクオリティやコミュニケーションクオリティをあげてロイヤルユーザーをつくるというのは提供者理論であって、はっきり言って驕りだと私は思います。

誤解なきように補足すると、タイミングの最適化や配信ロジック最適化などの努力を否定しているのではなく、それだけで動くほどお客様は単純ではないということです

後続の話の理解のために言葉を定義しておくと

ヘビーユーザー:利用頻度の高いお客様

ロイヤルユーザー:ブランド好意度の高いお客様

と定義します。

数字の表面しかみない「定量バカ」にならない

ストーリーとしては非常に分かりやすいですが、

「適切なタイミングで、適切な訴求をすることで使わせる頻度をあげてロイヤルユーザーにする」

「使用頻度があがったロイヤルユーザーをつくれれば、その人たちの定着により収益が安定化する」

当たり前のように語られるこういったことは実際起きるのでしょうか?

ヘビーユーザーの正体は実はブランドに興味がない?

他のユーザーに比して何倍も高い頻度で利用するようなヘビーユーザーはロイヤリティが高い(サービスが好き)というのは本当でしょうか?

私は一時期、週5で吉野家に通い続けていました。前職のスタートアップでオフィスを原宿に構えていたとき、毎日竹下通りの吉野家でランチを食べていました。

しかし、私は別に吉野家が好きなわけではなく、仕事が忙しくて近くて早いから吉野家に行っていただけです。

実際、私は吉野家かどうかにこだわりがあったわけではありませんが、企業の視点でこのサンプルユーザーはどう見えますか?

毎日訪れているこのヘビーユーザーは、非常にロイヤリティの高いお客様にみえてしまいませんか?

実際に私の吉野家におけるUXはかなり向上しました。店員とはほぼ顔見知りにもなって、他の客とはちょっと違う感じの挨拶にもなるし、毎回頼む注文も覚えてくれたし、会計の際に私が毎回使う決済方法も覚えてくれたのでUXは完璧です。嫌いになる要素なんかありません。

数字の背景を想像する

最高のUXを提供されていたはずの私はオフィスの引っ越しをきっかけに週5で通っていた吉野家に1年に一度も行かなくなりました。別に吉野家のことが嫌いになったかと聞かれたらサービスクオリティは高いし、美味しいし、以前より好きになっているとは思います。それでも行かない。そんなもんです。

きっかけは近くに吉野家を見つけて、忙しかったので早さに惹かれて毎日行っていただけで、思考停止で吉野家に行っていたのです。

定性調査をすれば、このヘビーユーザーがブランドが好きだから使い続けているわけではないということはわかるのに、数字だけしか見れない「定量バカ」はヘビーユーザーを「作ろう」という考えに至ってしまうのです。

「マーケティングセンスの無さ」の正体はここにあります。

数字の背景を想像できてない人の考える施策に感じる「なんとなく違うんだよな」の正体です。

うちの商品(サービス)を愛してくれて毎週のように購入(利用)してくれている方がいる!こういった模範的なお客様の好みを分析して他のお客様にも展開すればこういったお客様が増やせるのである!!ヘビーユーザーの行動を分析せよ!!!

こんな経営からの指示に対して「なんか違うんだよな」と違和感を持ったことはマーケターなら誰しもあるのではないでしょうか。

戦略をいかに立てるか

「数字は神より正しい」

これはGunosyで一番浸透していたバリューで個人的にも好きでした。客観的根拠を持って正しい判断をすべしというニュアンスですが、やや過激な表現なので人数が増えると正しく意味が伝わらず、営業の数字達成至上主義みたいな感じになってしまうこともあるため、いまは使われていないかもしれません。個人的には今も心に大切においている言葉です。

私は大学、大学院で惑星科学という分野の研究をしてきたのですが、私の仕事の取り組み方や考え方のベースは完全にここにあります。

まずファクトを見ろ、ファクトのエビデンスを調べろ、その上でそこから示唆を出せ、仮説を立てろ、仮説が成立する条件洗い出せ、仮説検証のパターンを出せ、というこれらが全てできてその先に研究はあります。

ここから1つでもプロセスが抜けたらその研究の価値はゼロです。他の人を惑わす危険すらあるのでゼロ以下です。仕事における戦略策定もこれと同様だと私は考えています。

戦略とは何か

戦略とはあるの目的達成のために、巨視的な視点に立って戦いに勝つための策略のことを指します。「マーケティング戦略」と言った場合には巨視的な視点に立って競合他社に対してどのように売上を伸ばすか、ブランド好意度を上げていくか、そもそもの想起をどうやって伸ばしていくかといったストーリーです。

「(なんとなく)僕はこうやったらいいと思うよ」

を戦略とは呼びません。ただ、この「こうやったらいいと思うよ」がいかにも戦略然としてそこらに跋扈しています。是非みなさん力を合わせて駆逐しましょう。

誤解なきように言っておくと、戦略然とした妄想を否定しているのであって、戦略なんか持っても意味ないと言ってるのではありません。戦略を持つことも、戦略を持とうとする戦略思考もとても重要だと思っています。

なぜ「戦略」と言いながら戦略が語られないのか

言葉の定義に立ち返ると、巨視的な視点を持った成長ストーリーが戦略なのであれば、戦略の重要性を否定する人はいないはずです。事実、戦略の重要性はずっと語られてきたテーマです。

では、戦略の重要性が叫ばれて久しい中、なぜ戦略が語られることが少ないのか、最近この件について割と頭の中がクリアになってきました。この書籍を読んだことがかなり大きな要因です。

ずっともやもや考えていたことが言語化されていて、個人的にとてもスッキリしました。激烈おすすめです。本書の表紙にもある通り、多くのケースにおいて、マーケティング以前の問題に整理がついていないのです。これは経営陣も、マーケター自身もです。

つまり、前提が揃ってないから議論にならない

こう聞くと当たり前ですよね。じゃあそのズレている前提を揃えればいいはずなんですが、他のことではできるのにマーケティングにおいてはなかなかうまくいきません。

マーケティング戦略の議論の前提が揃わない理由

私は、マーケティング戦略の議論前提が揃わない大きな理由としてマーケティング施策が内包するストーリー性が要因なんだろうと考えています。

つまり、ストーリーがあるが故に「私はこう思う(からこうすべきだ)」と特にコンセプトや上段部分にそれっぽい口出しがしやすいのです。

それゆえに、経営会議等々でのフィナンシャルっぽい議論では(なかなか)勝つことはできないけど、絶対やったほうがいいに決まっている施策をCFOや経営企画に止められてしまうとか、逆に「こんなのものに更に追加で金突っ込んだって無駄だろ」と現場のマーケターなら誰でもわかるようなものに経営会議で予算がついてしまい、意味がないマーケティング施策のオペレーションをやらされるというのはあるあるのマーケティングネタと言えるかもしれません。

正しいマーケティング戦略を立案、実行する2つの方法

これをどう止めるのか、正しい戦略をどう立案し、実行するのかこれについては方法は2つしかありません。

①経営陣がマーケティング施策を設計から深く理解し、事業戦略に基づいてマーケティング施策の取捨選択をする

②マーケターが事業戦略を理解し、マーケティング戦略策定、施策の立案や執行承認においては経営陣と議論ができる素地を持つ

です。①は経営陣ガチャに近く、あなたがそういう環境にいるのであればラッキーですが、この環境はトップが変わるとぐちゃぐちゃになります。実際、小規模な組織でないとこれは成立しないのではないかと思います。

組織の拡大とは様々な分野の専門家を抱えることとほぼ同義なので、マーケターも専門家として彼らと会話ができる共通言語を身につけ、②の状態で正しい選択を経営に促し、実行するのがよいのではないかと思います。

戦略の根幹に関わる部分にエビデンスベースではない経営陣の妄想が意見として反映されてしまうと、施策実行者がいくら優秀でもうまくいきません。担当としては間違った方向に向かうのを軌道修正しようと頑張りますが、そもそも正しい方向に向けて施策を組み立てるのとは当然結果は異なります。

変な全体戦略を設定されてしまっているが、現場が優秀なために戦術部分で補正を図ってなんとかなっている会社は実は非常に多いのではないでしょうか。

細かなHOWよりも成長に必要なのは戦略

マーケティング部門は基本的にはコストセンターなので人数は少なく、無駄なお金は使わず、必要なもの、効率の良いものに資源集中するのはごく自然で正しいことです。所与のコストや追加コストを正しく使うこと、所与であったとしても必要であれば正しく絞ること間違って必要以上にコストを絞らせないことがマーケティングヘッドに必要な要件だと私は思います。

会社を成長させるうえで最も重要なのはマーケティング手法(HOW)の細かな理解よりも、ファクトを元にしたエビデンスに基づいた戦略です。もちろん張り間違えないようにHOWをしっかり理解することもマーケターにとっては大事ですが、それよりも大元の戦略を正しく設計できることがマーケティングのヘッドには最も重要です。

その意味において、マーケティングのヘッドを目指すのであればマーケティング部署内でHOWの磨き込みだけをしていてはなかなか難しいと言わざるをえません。様々な視点からマーケティングコスト、効果がどのように経営数字と結節しているのかを経営陣にちゃんと説明できる必要があり、それは日々の施策運用をこなすだけではなかなか身につきません。

読者の中に将来マーケティング部門のヘッドを狙いたいという方がいらっしゃるとすれば、是非、積極的に経営企画やIR、バックオフィス、CSなどが何をやっているのかを知る、もしくは異動してみて実際に業務を経験するなどされてみることをオススメします。

社内でそのような環境、機会が望めない場合はサイズの小さめのスタートアップに転職するというのも一つの手段だと思います。仮にそのスタートアップが失敗したとしてもあなたのキャリアにはマイナスはありません。

こちらも過去のnoteですがよろしければどうぞ。

おわりに

数字のセンスだの戦略はどうすべきだのと偉そうな事ばかり書きましたが、恥ずかしながら私もできていないことばかりです。ただ、今の私から見えている課題意識やその原因についてはある程度まとめられたのではないかと思います。

メルカリのマーケティングではこんな考えを持って日々マーケティング活動にあたっています。マーケティングに限らず、興味を持たれた方は是非ご応募ください。


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