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マッサージチェア

私たちは、科学的に分かっている範囲内で理屈を作りがちです。
しかし、分かっていないこと、科学や理論では解明できないことが、実はとても多いということに、気づかなければいけないと思うのです。

            坂東元


科学を否定する気も、医学を否定する気もない。というか、否定できるほど知らない、いや、何も知らない、わかっていない。それで、その恩恵に預かっているだけの人間に、否定できようはずもない。

ただ、何も知らないくせに、おいしい思いだけをしている自分を疑っているんだ。
それを通して、科学や医学というものの発展という凄いことに対しても疑いの目を向けていたいんだな、わたしは。

そうでないと、自分がいい思いができる、都合のいい科学や医学は、たとえそれがどこかの誰かを、わたし以外の人全てを、未来の世界を、とことん苦しめ悲しめるものであったとしても、わたしはなんの疑問もなくその恩恵を喜び、なんの反省もなくその発展を賛美するようになる。

それは嫌なんだな。

だから、科学の発展も医学の発展も、驚愕を覚え、素晴らしいと賛美する反面、それでいいのか、それは本当に必要なのか、それが本当に世界の平和に、人間の幸せにつながるのか、そんな疑義を挟みながら恩恵に預かる、そんな、汚いやり方でありたい。

モンクタレながらいい思いをする、そういうセコイ自分であることもちゃんと認めていきたい。

いま、まさに、疲れ切って、肩から背中、そしてついには腰にまできたこりというか痛みを、マッサージチェアという素晴らしき科学と医学の融合が生み出したマシンに癒されながらこれを打つ。

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