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コンプライアンスを守りましょう
もくじ
はじめに
今回は「コンプライアンス」について、記します。
日常生活における様々な場面においてコンプライアンス遵守が求められている現代、我々はどうすれば良いのかを綴ります。
コンプライアンスは天ぷらアイスではなく、世の中の秩序維持のために誰もが守らなければいけないものです。
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コンプライアンスとは
まずはこちらの引用を
コンプライアンス(compliance)とは、法令や社会的ルールを守ること、またはその遵守状況を指します。ビジネスにおいては、企業が法令や社内規範、企業倫理などを遵守することを意味します。
コンプライアンスの対象範囲は広く、次のようなものがあります。
法律、政省令、条例、規則などの法令
就業規則などの社内規範
企業理念、企業の社会的責任(CSR)
従業員の行動規範
社会通念上のルール
コンプライアンスは、経営リスクを表す言葉でもあります。コンプライアンス違反を起こした企業は、社会から非難を受けるだけでなく、取引先を失ったり、株価が下落したりするなどして倒産に至る可能性もあります。
コンプライアンスを徹底するには、内部統制の整備も重要な要素です。内部統制とは、企業を適正かつ健全に運営するための会社内部の規則や仕組みのことです。
コンプライアンスは、広義には学校や企業に所属する者だけに適用されるものではなく、
生きとし生けるすべてのもの
に対して終生適用されるものです。
つまり、赤ちゃんから高齢者、動物達同士にもありとあらゆるルールを守ることが重要視されています。
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・公園の遊具の順番を守る
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・外から帰ったら、うがい手洗いを行なう
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・嘘をつかない
・宿題を忘れない
・子育てや介護をきちんと行なう
・家で食べ終わった食器は自分で片付ける
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・親孝行する
・相手の嫌がることをしない
・お互いがお互いを尊重する
・(アレルギーなどやむを得ない事情を除き)食べ物の好き嫌いをしない
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・スーパーや飲食店、公共交通機関や映画館や街中など、多くの人々が行き交う場所で公共のマナー守る
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・フェスやライブやイベントの参加者は、会場内外でのルールを守る。会場最寄り駅や近隣商業施設でのマナー違反や、会場周辺でのゴミのポイ捨てや騒音や違反駐車禁止!
・約束を守る
・毎日規則正しい生活を送る
・学校や職場や家庭など、所属先のルールを守る
・ネットやSNSのルールを守る
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・健康管理に気を配る
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・何か気がかりな点があったら、家族や友人や所属先、所属先を管轄する業界団体、警察、行政に相談する
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勉強や習い事の得手不得手以上に、幼いうちからありとあらゆるルールを身につけることが大切です。また、「報連相」(報告・連絡・相談)も定期的に行ないましょう。
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企業とコンプライアンスについて
世界的にインターネットが普及した1995年以降、企業・団体において個人情報および社内情報の適切な管理、勤務者のモラルの遵守が求められています。
また、企業公式SNSや公式動画チャンネルを開設している企業・団体には、著作権や肖像権や知的財産権、ネチケットの遵守が併せて求められます。
近年は、派遣会社への登録時および企業・団体との雇用契約や業務委託契約を取り合わす際には必ず、秘密保持契約書と個人情報取り扱いについての契約書への同意をしなければなりません。
したがって、これらに違反した場合は、降格や解雇や契約解除はもちろん、違反内容によっては刑事告訴や損害賠償請求されてしまいます。
また、企業ぐるみでの不祥事の場合は、監督官庁によって企業そのものが行政処分されてしまい、株主代表訴訟される場合があります。
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コンプライアンス違反事案とは
・社員や顧客の個人情報の外部への無断での持ち出し
・業務上知り得た機密情報の、第三者やネットやSNSや動画サイトへの漏洩
・勤務先のパソコンでのふとした操作ミスによる、システム障害の発生
・社員や取引先や消費者へのハラスメント(セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、カスタマーハラスメント)
・特定の企業と取引しないように取引先に圧力かける
・就業規則を意図的に守らない
・公式ソーシャルメディアでの不適切な投稿
・地図サイトや専門サイトへの、ステルスマーケティングの依頼(いわゆる、サクラ投稿)。
・職場で悪ふざけした動画のSNSへの投稿
・ステークホルダー(社員の家族、顧客、業界団体、株主、取引先など、企業を取り巻くすべての関係者)との必要以上の癒着(プライベートの連絡先の交換など)
・偽ブランド品の販売
・表示違反
・食品類へのアレルゲン表示漏れ
・客に車の運転の有無を尋ねずに酒類の提供
・安全性軽視による事故
・その他、法令違反ならびに犯罪行為
コンプライアンス違反の具体例(架空の事例含む)
・企業の公式SNSアカウントで、社と無関係の特定の芸能人の悪口を投稿し、投稿をたまたま発見したファン経由で炎上したことにより、企業が廃業。
・顧客の個人情報が流出。流出したデータには、生年月日や住所や電話番号など重要な項目が含まれている。
・生徒の自宅住所や保護者の勤務先が含まれているファイルを収めたUSBメモリを外出先で紛失してしまった。ファイルには読み取り用のパスワードはかけていない。
・勤務先のメールアドレスに届いた、取引先のメールアドレスを装った不審なメールアドレスによる英文メールに添付されているファイルを開いた途端、社内のコンピューターシステムにウイルスが広まってしまい、業務に支障が出た。
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・気に入らない友人の顔写真と本名と自宅住所をSNSに投稿。
・勤務先の飲食店の待遇や衛生管理のずさんさに頭が来て、SNSや動画に店の衛生状態についての虚偽の内容を投稿。店は閉店を余儀なくされ、投稿者は懲役1年の判決。
・試用期間中ではない勤務態度の悪い社員が上司に「明日から来なくていい」と告げられ、社内のフロッピーディスクをすべて初期化し、業務の妨害。
この場合、解雇前日に解雇を言い渡した上司にも問題あり。
・担当するテレビ番組のロケの予定を友人に話したら、友人がSNSに情報を投稿してしまい、投稿がたちまち拡散され、ロケ地に大量の見物人が押し寄せ、怪我人続出。
・取引先業者のひとりがクライアント企業を訪れた際、たまたま離席中のクライアント企業社員の悪口を話してしまった。悪口を話した取引先の人間は、最終的にクライアント企業の担当から外された。
・亡くなった名俳優のメモリアルイベント。
イベント当日は、会場で無料配布の若い頃の顔写真入りワイン目的の一般客(時代的にも、転売目当ての客はひとりもいなかった模様)とオールドファンが入り乱れて、会場周辺は朝からごった返し。筆者含む地元住民は身動き取れず、会場への入場待ちの客が大量に押し寄せて複数の商店のシャッターやドアが破壊された。筆者は、あわや勤務先への遅刻寸前だった。
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当時はSNSなどなく、駅の公衆電話は携帯を持たない御高齢ファンの長蛇の列で、イベント参加に際しての整理券やチケットなどは無かった模様。警備要員も群衆の数に対して少なく、手薄だった。
俳優の所属事務所は翌週、先のワインを車に大量に積み、商店街へのお詫び行脚をされた。
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・とある芸能事務所(廃業)が「他の芸能事務所の男性アイドルグループを出演させたら、うちのタレントを一斉に引き上げさせる」とマスメディアに圧力をかけていた。
・その事務所の創業者(故人)が生前に複数のレッスン生や所属タレントにセクシャルハラスメントを加えていた。
・日本人大リーガーの専属通訳による違法賭博への関与と、大リーガー所有の金銭の窃盗。
・大手芸能事務所の複数の所属芸人による、複数のコンプライアンス違反事案。
・消費期限や原材料表示や検査結果データの改ざん。
・人気ブランド品のマフラーを仕入れ、全国の店舗で販売したが、購入した客からの指摘により偽ブランド品だと判明。すぐに商品は撤去し、購入者からの返金に応じた。
・コロナ禍と少子高齢化のあおりで深刻な経営難に陥った習い事教室が、内職サイトを介して「簡単な文章作成」と称して地図サイトへのクチコミ作成・投稿者を募り、所定のキーワードを織り交ぜて投稿するよう指示。いわゆるステマで、サクラ行為。地図サイトには、過去の投稿数が少ないか非公開の複数の投稿者による、一言一句同内容のクチコミが掲載された。
しかし、真の入会希望者達はあからさまなステマ投稿などあてにせず、真の生徒達による、信憑性の高いクチコミ投稿を判断材料にした。
・所属企業が管理・所有する車での飲酒運転による交通事故。
・パッケージデザインや品質を同業他社の主力商品に似せた商品の発売。その後、真似されてしまった企業の商品が売れなくなり、減収減益に。
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・飲食店の厨房で不衛生な悪ふざけをし、その時の動画をSNSに投稿。店はその後、倒産してしまった。
・居酒屋で客に車運転の有無を尋ねずに酒類の提供。酒に酔った客は退店後に交通事故を引き起こし、被害者は亡くなられた。居酒屋は遺族から告訴され、廃業。
・東京のテレビ局。社員のひとりがタレントによる被害を申告したことを把握しながら、社員の上司がタレントへの刑事告訴や適切な部署への情報共有などしかるべき措置を意図的に講じなかったとされる不祥事。
結果、CMスポンサーが大量に離れるなどの損害が続出。
コンプライアンス違反は、違反者本人のみならず、違反者の所属先や家族の信用失墜に繋がります。「軽い気持ちで」「まさか、こんなことに」「ついうっかり」、その気持ちが命取りになります。
昭和のコンプライアンス
昭和の頃の世の中にはコンプライアンスやノーマライゼーションやインクルーシブなどの概念がなく、名芸人や名クリエイターの中には「飲む」「打つ」「買う」を当たり前としているケースが多く、これらの行為を英雄視する風潮が見られました。
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また、往年の名ドラマや名アニメの再放送には現在では放送禁止の描写(全裸のストリッパーの局部のズームアップ、人種差別的なセリフや民族差別的な作画など)が多くあり、再放送ではプラットフォーム(テレビ局や動画配信サイトなど)によって不適切な描写への処理方法がまちまちです。
しかし、現代は令和で21世紀。
昭和のような破天荒で艶めかしい行動や演出、人権蔑視的な発言は社会で通用しなくなりました。
実際、破天荒な昭和の名芸人や名クリエイターの多くは、暴飲暴食や違法薬物、ギャンブルや金銭トラブルや女性トラブルや暴力沙汰で身を崩し、不摂生がたたって早世されてしまったケースが多いです。
いくら才能が秀でていても、自身のセルフケアができないのは考えものですね。
コンプライアンス遵守のために
各企業・団体や学校において、次のような対策を実施することが大切です。
・地域や自治体や警察などの公的機関との緊密な連携。
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・定期的なコンプライアンス研修の実施。
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・個人情報取り扱いについての規則の厳重化。
・不審なメールへの対処法の明文化。
・ネットやSNSのマナーの指導。
・コンピューターやサーバの定期的なセキュリティメンテナンスの実施。特にウイルスやファイアーウォール周りは要注意!
・退職者の社内システムログインIDとログインパスワードとメールアドレスは速攻削除。特に、全社で共用のログインIDとログインパスワードならば、おもに使用していた社員の退職後に変更すること。
・家族の事情など必要な場合を除き、私物のスマートフォンやタブレットやパソコンの持ち込み禁止エリアを設ける。
・人権と著作権と肖像権と知的財産権の遵守。
・法令の遵守
・企業努力を高め、時代の変化に合わせた顧客ニーズの研究。
・酒類を扱う飲食店では、客への車運転の有無を厳しく確認し、飲酒客のための運転代行サービスの利用を呼びかけ。
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・コンプライアンス・ハラスメント担当部署の機能強化と、産業医へのコンプライアンス遵守の徹底
・相談窓口や内部通報窓口、公益通報窓口の樹立。
※内部通報窓口や公益通報窓口では、情報提供者の秘密は守られます。
通報したことにより、情報提供者が不利益を被ることなどないので、安心して情報提供しましょう。
・労働環境の定期的な見直し。
・勤務者の健康面やメンタル面に常に気を配る。
・不明な点はすぐに上司や先輩や家族に質問、相談する。
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・日々の健康・メンタル管理に気を配る。
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・フェスやイベントやライブなど、多くの群衆が殺到する場での、来場者へのマナーの徹底と、警備要員の増員。
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・ステークホルダーからの貴重な意見には真摯に耳を傾ける。
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まとめ
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
コンプライアンス違反の主な要因には、
・違反者自身の自己顕示欲によるもの
・利益優先思考のあらわれ
・職場の労働環境へのストレス
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・過度のプレッシャー
・私生活でのストレス
・単純な不注意と確認不足
・コンピューターのセキュリティ面の管理の甘さ
・個人情報の管理方法の甘さ
・事前のリサーチ不足や準備不足
・他部署や地元や関係機関との連携不足
が挙げられます。
すべての物事が平穏無事に進められ、心地良い暮らしを送れるために、普段からお互いに声を掛け合って生活いたしましょう。
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