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読書感想文の回「方舟」

2023年11月23日(木)

木曜日なのに、祝日なのにお休みの今日…あったかくてめちゃくちゃいいお天気でした。でも土曜日は雪マークこそ消えましたが、気温がかなり下がるとのこと…念のため今日、夫にタイヤ交換してもらいました。
冬の備えはバッチリです。

さて、今日こそ書きましょう!
ようやくですが…まだ記憶は残ってます。残ってるうちに書きます。

「方舟」夕木春央著 を読んで

私、閉所恐怖症ってほどではないのですが、閉鎖された空間は息が詰まるような嫌な感じがして怖くて嫌いです。ま、多分軽い閉所恐怖症なんでしょう。というか、誰もがそのくらいの感覚はありますよね。
このお話、そんな閉鎖された空間が舞台となるので終始息が詰まるような感覚で終始その閉塞感の恐怖を感じながら読むことになったんです。
だから基本的にずっと怖くてずっとドキドキしてました。読むのやめよっかなって思ったくらいなのですが、ただ、先が気になってやめられないんです。むしろ結末が分からないと余計に怖い気がして、だからその救いを求める意味もあって読むしかなかったというか、読まずにはいられなかったですね。そして、文章が読みやすかったのもあって、読み始めは怖くて読むのをやめたり、寝落ちたり(笑)していたものの、加速し始めたらあっという間に読み終えてしまいました。

まずは、細かいことを語るにあたって恒例のAmazonからのあらすじを引用しますね。

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?

大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。
そんな矢先に殺人が起こった。
だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。

タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。

Amazonより

あらすじを読んだだけでもちょっとドキドキしますよね。
そして帯には「極限状態での謎解きを楽しんだ読者に、驚きの〈真相〉が襲い掛かる。この衝撃は一生もの」などと書いてあるし、そもそも私がこの本を知ったきっかけだったPodcastの「真夜中の読書会」だったのですが、パーソナリティーのバタやんさんが買った帯にはもっとたくさんのレビューが書かれていたようで、バタやんさんが「帯ベストオブザイヤー2022」というほどの無視できないほどの豪華な帯がインスタにアップされてました。(私は今回、図書館から借りてきたので本の中に帯が貼ってあったのですが、バタやんさんのとは違いました)
その画像から見た帯には「エグいエピローグに驚愕すること100%保証」とか「予想をはるかに超える、衝撃!とにかく、読んでください。最後の最後の最後まで」とか「本格ミステリと『トロッコ問題』の掛け合わせがこれほど恐ろしい地獄を生むとか」などなど、本当に豪華な帯で(笑)、そこからどうやら予想外の凄いラストが待っているらしいと言うことが読み取れるんですよね。
どんでん返し…大好物です(笑)

ということで、読むと決めたんです。だから、読み始めて途中で予想以上に閉塞感の苦しさと怖さがあったものの、大好物のどんでん返しにたどり着くまではやめられないわけですよ。
なので、先ほども書きましたが、加速し始めたら一気に読めちゃいました。実際真夜中の読書会でも「一気読みしたいちょい怖小説5選」という回で紹介されてましたので、一気読み本には間違いないんですね。

と、ここまで、私の感想の前にこの本のあらすじやレビューからいかにこの本が魅力的に見えたか…ばかり書いてきましたが、肝心の私の感想…感想文ですからね…ちゃんと書きますよ(笑)

まず、プロローグでいきなり地下施設で殺人事件が起こったその場面から始まります。
山の中のよくわからない地下施設を見つけた裕哉が、大学時代の友人と共にその施設をもう一回見に行ったその地下施設で、殺人事件が発生するわけです。しかもそこにたどり着くまでに迷ってしまい、到着が遅れその施設で一泊せざるを得なくなったその夜に地震が起きてそのせいで、落ちてきた岩にドアを塞がれて外に出れなくなってしまったんですね。
もう…そんな得体のしれない地下施設で夜を明かさなくてはならなくなっただけで怖い…そこに地震、閉じ込められた…怖い怖い怖い!
ここだけで、怖くてドキドキして早くも読むのやめたい、でも知りたいの葛藤が始まりました(笑)

そもそもその殺人が閉じ込められた地下施設の中で発生するわけなので、犯人はその中にいるんです。つまり閉じ込められた空間に殺人犯と一緒にいなくてはならない…更に怖い。怖すぎる。
しかもその犯人は平静を装ってそこにいるんです。いやいや、待て待て…私だったら山奥の地下施設に閉じ込められただけでパニックですよ。冷静でなんていられないのに、なぜか閉じ込められた彼らは予想外に冷静なんですよ。そこに若干違和感を持ちつつも、まぁパニックになっていたって仕方ないし物語も進まないですからね(笑)

ここまではあらすじにもあるのでいいのですが、これ以上はネタバレになるので詳細は書けませんが、この後、まだまだいろいろ起きます。
ドキドキは続くのです。
犯人だからといって犠牲になれと言うことは結局殺人と同じなわけで…その良心との呵責、そして1人を犠牲にするのかそれともみんなで死ぬのか…と言ういわゆるトロッコ問題…そしてほんの少しの恋愛要素も入り(ここはラストにも絡んでくる)、そんな諸々の心理を自分だったら?など考えながらドキドキ…
そのドキドキの先に待っていたのが帯にあった「どんでん返し」です。

まず、読み終えた直後…

放心。
口があんぐり…
怖くて読むのやめるより結末を知らない方が怖いと思って救いを求めて最後まで読んだはずが…
ちょっと後味悪い…こういうの「イヤミス」って言うんですってね。「読後、嫌な気持ちになるミステリー」の事。
嫌な気持ちではあるんですが、まさかこう来たか…のやられた感はちょっ気持ちよくもあったので、完全に「イヤミス」ではないのかもしれませんが。
本当にどんでん返し。“文字通り“の「どんでん返し」でした。そう来たか…ってね。

ミステリ用語でフーダニット(Who done it?)とかホワイダニット(Why done it?)というのがあるそうで(最近知りました笑)誰がやったのか?なぜやったのか?など、何がそのミステリの焦点なのかという意味らしいのですが、初めはフーダニット…誰が犯人なのか?が気になっていたしそっちの方向で進められていたと思っていたのですが、いやいや違いました…これはホワイダニットの方が強い小説でした。

帯やレビューでまあまあハードルが上がっていたにも関わらず一気に読めて、どんでん返しがあるとわかって読んでいたのに、ちゃんとそのどんでん返しにしてやられたので、そういう意味でもこの本は充分に楽しめる(?)本で本屋大賞やこのミステリーがすごい…とかいろいろな賞にノミネートされるのもわかりした。

なので、まず読んでみて欲しい…というのは大前提なのですが、登場人物の細かな人物設定というんですかね…その辺がいまいちちょっとわからないままだった…というのがあるので、そこがもう少しわかるともっと違う感情もあったのかなぁと思わなくもないです。
ま、それを差っ引いても面白かったです!

私はもともと本と言えば小説、小説と言えばミステリ…って人だったので、基本的にミステリばかり読んでいたのに、本好きの会に参加するようになった今年、ミステリ以外の本を読む機会が増えたため、久しぶりのコテコテのミステリにちょっと心持ってかれ過ぎました(笑)
エッセイや短歌など今まであまり読んでこなかった本も面白いなぁなんて思っていた矢先のミステリ…疲れたけど、怖かったけどやっぱり引き込まれ具合が違いますね…やっぱり好きです。ミステリ…また読みたくなりました。

ただ、ちょっと久しぶりで疲れたので、次はドキドキしない本を読もうと思います。あ、読んでます(笑)

以上。

ちょっと長くなりましたね。
読んだ人とちょっと語り合いたい…誰か読んだら私と語り合ってください(笑)

では、また明日。




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