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言うか、言わないか~新聞で感じた違和感~

noteに「多様性」というお題を見つけたので、今日はそのことについて。

「多様性」と聞いて、1つ思い出すエピソードがある。


今から数年前、子供達が幼稚園~小学生になり、小学生新聞を読み始めてしばらく経ったときのこと。ある連載が気になっていた。

社会で話題になっているトピックを、漫画で分かりやすく紹介・解説するという連載で、毎回、ある1組の家族が登場し、日常生活にからめながら、家族みんなでそのトピックについて話し合うという構成だった。

父・母・男と子・女の子の4人家族。どこにでもいそうな、一般的な家族である。しかし、私はこの家族のお母さんがどうも気になって仕方なかった。

具体的にいうと、毎回、タイトルにエプロン+お玉を持った姿で描かれているのである。作中でもしょっちゅうエプロンをして、お父さんがソファに座って子供達と談笑しているそばで掃除や洗濯をしている。

もちろん、生活のワンシーンで家事を分担していたとしても、お母さんがたまたま洗濯・掃除をして、その時、たまたまお父さんがソファでくつろいでいる、という状況もあるだろう。

だがしかし、「毎回」である。

わがやでは、小学生新聞は、子供たちが毎朝読む、子供たちにとっては、社会や世の中を知る、大事なツール。新聞を通して、偏らないフラットな視点や多様性をみにつけてほしい、というのが1つの親としての希望でもある。

その新聞に、性別で役割を固定するような描かれ方というのは、どうなのだろうか?


見る度に「これってどうなの?」と、モヤモヤする。小さなことだと、こういう家庭もあるのだと、気にしないで流すべきだろうか?

結局、数カ月悩んだ後、新聞社に1通のメールを送った。

「毎回同じ描かれ方は、性別で役割を固定しているように見えてしまい、子供達が触れる小学生新聞という役割から、価値観のすりこみになってしまわないかと気になっているが、いかがでしょうか?」という旨を書いたと思う。

数日後、返信が来た。まとめると、「漫画家の育った家族をモデルにしたためで、男女の役割の固定という意図はなかった」という内容だった。「だがしかし、毎回エプロン+お玉というスタイルである事実はその通りで、今後は、より配慮して紙面をつくっていきたいと考えています」とのことだった。

その後、お母さんはエプロン+お玉ではなく、ふだんぎで描かれるようになっていた。


子供を育てるようになってから、子供が触れるいろいろな媒体の、ジェンダーを含む多様性の描かれ方について、気になるようになったなぁと我ながら思う。

以前なら「またエプロン~」と、ため息をついて終わりだったと思うけど、子供達が毎回目にすると思うと、気になって仕方なかった。

正直、「ドラえもん」も、「サザエさん」も、子供に見せたくないレベルで気になるのだけど、これはもう気になる部分について、子供と話し合うだけで、見るか見ないかは子供にゆだねているし、国民的な人気アニメなので、私がなにかアクションを起こしても、何にもならないだろうと思い、あきらめている。

「ドラえもん」については、しずかちゃんの描かれ方だけではなく、のび太を廊下に立たせる先生や、それを笑う子供達や、のび太に「外出禁止!夜ごはん抜き!」というのび太ママや、もうかなりの登場人物が、現代の社会からみると、ずれまくっててほんとに「うーん」となるのだけど、書き出すと止まらなくなりそうなので、ここまでで…(;^_^A


前提として、多様性をどこまで受け入れるか、受け入れないかは個人の自由だと思っている。

けど、小さなことでも、違和感を感じたら、声をあげて、少しずつでも気持ちよく生きていける人や場面が増えていけばいいと思う。


そして余談。

また最近の小学生新聞の(別の)連載で、お母さんが毎回エプロン姿なんだけど、どうしてこんなふうに描かれるの??エプロンで買い物行く人いる??と、思うけど、漫画の中では、エプロン姿で買い物から帰ってきて、「おやつよ~」と言っている。

また感じてしまうイライラに、正直、自分でもうんざりするんだけど、私が思っているより、エプロン姿のお母さんは全国に多いということなんだろうか??

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