05. 使いたい、をカタチにするための秘訣(3)〜まとめ〜
タイガースパイクのUXデザイナー、マイマイこと佐藤麻衣子です。
前回に引き続いて、2021年5月12日にタイガースパイク 東京オフィスとしてはじめて開催したウェビナー講演内容をご紹介します!!
前回はTips4までを詳しくご紹介してきました。
今回ご紹介する最後のTipsは「価値をかえる・ふやす」というフェーズにおいてのものとなります。
なお、本記事は5/12に開催されたタイガースパイクの自社ウェビナーをご参加いただけなかった方にもお伝えしようと編集してお届けしています。
Tips 5. 価値をかえる・ふやす:データからペルソナを導き、価値を再構成する
ここは、もう一度右側の「リーン」「アジャイル開発」の円から左側の「体験のデザイン」の円に戻ってくるところです。そこで「データからペルソナを導き、価値を再構成する」のがTipsです。
「ペルソナ」とは、先ほどから何度か言葉として登場していますが、体験のデザインからずっと一貫して想像している「ユーザー」の「人物像」のことです。その人物像を、一度右側の円を回すことを通してできたデータに基づいたかたちで見つめ直し、価値を再構成することをします。その詳細をこれからご説明いたします。
まず、右側の円(リーン・アジャイル開発)を回すので、実際のユーザーのデータが取れてきます。そうすると色々なセグメントのデータが取れてきます。既存のターゲットセグメントに対して有効にアプローチできているかも確認できますし、戦略的な新規ターゲットの検討にも役立ちます。たとえば、意図していないゾーンからのアクセスが増えてきていることがわかったら、新たに戦略的にここを狙っていくべきではないか?などと考えることができます。
このように、新しくアプローチすべきユーザーセグメントが明確になったら、そのセグメントに対して具体的にどういう人たちがいるのかを確認し、具体的なペルソナ像としてはどのような人が考えられるか。データをもとに洗い出せる人物像とはどういうものなのかを見ることができます。
こちらの上記の図の左上にある「行動履歴」のところにある画像は実際のものですが、このようにユーザーの行動履歴をカレンダー上で追ってみることができます。他にも「購買履歴」のようなデータを見ながら「この人ってこういう人だよね」と、最初のペルソナを作成した時よりもよりリアリティを持って考えていくことができます。このように、行動履歴からデータドリブンでペルソナを再構築していくことができます。
そこがある程度見えてくると、もう一度左側の円(体験のデザイン)に戻っていき、「価値検討」を再度実施します。そうすることで、今まででは見つけられていなかった新たな機会領域を発見し「新たな価値」を作り出すアプローチができます。
以上を踏まえまして、全体をおさらいしていきます。
この2つの円「体験のデザイン」と「リーン」「アジャイル開発」の中の
・仮説をつくる
・価値をためす
・価値をきめる
・つくる
・価値をかえる・ふやす
これらのことができることで、より良いプロダクトやサービスを作っていくことができるのではないかと考えています。
5つのTipsのおさらい
いよいよまとめに入ります。
今までお話ししてきたこと、多種多様にありましたが、それぞれを「誰がやるのか?」問題があります。それをこちらにまとめてみました。なお、それぞれの役割を持つ人の呼び名は会社などによって様々かと思うので、参考までにご覧ください。
プロダクト・オーナー
この呼び名はスクラムでの呼び方なのですが、プロダクトの意思決定者のことです。こちらはどのステップにおいても必要で、意思決定者、レビュワーとしては必要かと考えています。
ビジネスアナリスト
海外だと割と一般的な呼び方ですが、日本だとあまり馴染みがないかもしれません。こちらは昔ながらのウォーターフォールでいうとSEや、ITコンサルタントなどの人がやっている領域になります。アジャイル開発の中でプロダクトバックログを作成したり、KPIを設定したりする役割をプロダクトオーナーに代わって担う人のことです。こういう人は「価値をきめる」「つくる」フェーズを主戦場として出てくるのかなと思います。
(UXデザイナーとUIデザイナー、エンジニアはわかりやすいので、説明は割愛させていただきます)
タイガースパイクのサービス
最後に、タイガースパイクのサービスについて触れたいと思います。
先ほどからずっと使用しているこちらの図に、タイガースパイクのサービスメニューを重ね合わせるとこのような形になります。
・体験のデザイン
・Continuous Discovery(プロダクト計画&UIデザイン)
・Continuous Delivery(アジャイル開発)
色々な名前のサービスメニューがあるのですが、何が言いたいかというと「すべての領域をカバーしていますよ!」ということです。
皆様からもし、どこかのパートで「困っている」「悩んでいる」「相談したい」ことがあれば、どのパートであっても、タイガースパイクはお力になれます。いつでもご連絡ください。
まとめ
さて、これまでものづくりに於いて大切なポイントであるこの3つご説明しました。
・体験のデザイン - ユーザーが使いたいものを、
・リーン - 最適な順番と内容で、
・アジャイル開発 - 変化に対応しながらつくる
この3つをいかに柔軟に取り入れながらものづくりをしていくかが大きなポイントです。
そして、それを実際に作るときの流れはこちらです。それぞれの大切なポイントは
・仮説をつくる
・価値をためす
・価値をきめる
・つくる
・価値をかえる・ふやす
とお話ししました。
全ての話をまとめると、こちらの3点です。
1.DX→デザイン思考 × カルチャー変革 × ビジネスアジリティ
2.体験のデザイン × アジャイル開発 をちゃんと揃える
3.コアバリュー→ユーザーストーリー→MVP→PBL(プロダクトバックログ)→計測→改善という首尾一貫した流れ
まず1つ目。DXはコロナの影響もあり、急速に拡大してきました。DX推進時に大切なのは「デザイン思考」であり「カルチャー変革」であり、そして「ビジネスアジリティ」です。要するに「組織ごとまるっとやっていく」ことで本当にDXが実現できるのではないかと考えます。
そして2つ目。が「体験のデザイン」「リーン」「アジャイル開発」はどれか1つでも欠けていたらうまくいかないよね!というお話。これを3つともやるのがポイントです。
そして3つ目。これは5つのTipsの中で述べたことが色々とありましたが、要約すると「一つの軸を持って、ブレずにやることが大切」と言えます。コアバリューからスタートして、ユーザーストーリーを作り、MVPを決め、PBL(プロダクトバックログ)を整備し、計測して、改善していくという先ほどの二つの円のプロセスに、こういう考えが首尾一貫して流れていくことが重要なポイントだと思います。
最後に
ここまで、リアルなウェビナー講演では60分間タイガースパイクが一方的に語り続ける形で話をしていりました。文字に起こしてもこのボリュームです。(書き起こしの際に追加した説明などもありますので、実際の講演よりもさらに長くなっている部分もあります)長いこのブログ記事をご覧いただき、誠にありがとうございました。
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