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【映画は映画館で。④】「小説家の映画」/わくと編

皆さん、こんにちは!
東京国際映画祭 学生応援団です。

今回も前回に引き続き「最近、メンバーが映画館で鑑賞した作品」というテーマで作品をご紹介いたします!

「映画は映画館で。」と題した今回の連載。
映画館へ足を運ぶことの楽しさや魅力と、それぞれの作品の情報や見どころを、メンバーそれぞれの個性がたっぷりと詰まった記事を通して、皆様に伝えられれば幸いです!!

第四回目は13期新メンバーのわくとくん。
作品はもちろん劇場の魅力も溢れる、読み応えのある素晴らしい記事です!
ぜひ最後までご覧ください!!



はじめに(映画館紹介)

皆さんこんにちは!学生応援団13期の佐々木です。

今回私は、千葉県柏市にある「キネマ旬報シアター」にて、『小説家の映画』を鑑賞してきました。

まず「キネマ旬報シアター」について紹介します。この映画館は、日本を代表する映画雑誌「キネマ旬報」が運営していて、その独自のラインナップが特徴です。
新作の公開日が他の映画館よりも遅く、例えばひと月前に見逃した作品でも、この映画館なら、まだ上映している!ということが多いため、個人的にもの凄く助かっています。

JR柏駅の改札口から階段を降ります!
階段を降りると、そこには映画館が!
一階にあるイラストコーナー。かわいい!
1階には、なんとリクエストコーナーもあります!
階段には、過去に上映した作品のポスターの数々が!
2階には、お客様から寄付された貴重なパンフレットが!
2階の休憩場所。キネマ旬報のバックナンバー等が無料で読めます!

あらすじ

さて、本日私が鑑賞した作品『小説家の映画』についてご紹介します。

本作は、韓国を代表する巨匠ホン・サンス監督の最新作で、2022年ベルリン映画祭で審査員グランプリに輝いた作品です。
ホン・サンス監督の制作ペースは非常に速く、年に2〜3本制作しており、さらに、ほぼ全ての作品が世界三大映画祭(カンヌ・ベルリン・ベネチア)で上映されるなど、世界中から新作を待ち望まれている大監督です。

さらに本作では、監督・脚本・制作・撮影・編集・音楽を全てホン・サンス監督が務めており、もはや映画作りのゾーン状態に入っているのではないではないかと思えるほど、驚異的な制作スピードと作品の質の高さを維持し続けています。

本作では、ホン・サンス監督のミューズであるキム・ミニと、前作『あなたの顔の前で』でホン・サンス作品に初出演を果たしたイ・ヘヨンの、韓国を代表する2人の大女優が主演を務めています。

あらすじは、長い間創作から離れている小説家のジュニ(イ・ヘヨン)が、ソウルから離れた旅先で、一線を退いたかつての人気女優ギルス(キム・ミニ)と出会い、初対面ながら意気投合し、共に映画を作ることになっていく…というお話です。

ポスター前にて。

作品を鑑賞して

本作では、人が、心から理解し合える誰かと出会う瞬間をカメラに収めていて、それが本当に美しく、人と出会う喜びを感じさせてもらいました。

創作から離れることを決めた二人は、創作の苦悩を知っているからこそ、二人だけの心の連帯が生まれていて、色んなシーンで、お互いへの信頼が滲み出ていたのが凄く素敵でした。

またホン・サンス監督といえば、自分自身を投影したようなキャラクターに、自分の考え方を語らせる、という手法を取ることが多いですが、本作でも、さまざまな登場人物たちの台詞を通して、創作に対する考え方を語っており、監督の自己洞察の深さと客観性に驚かされました。

本作はモノクロで撮影されていますが、一部でカラー映像も使われており、その使い方と挿入の仕方にとても感動しました。パンフレットを読み、その意味が分かると、さらにひと段階感動が深まります…。

そして、ホン・サンス監督の映画でやっぱり外せないのは、飲み会のシーン!
登場人物たちが同じ卓を囲んでお酒を飲み、グデングデンになりながら本音を語り合う様が非常に滑稽で、人間らしさを感じられます。
本作でもこのシーンがあり、相変わらず素晴らしかったです!

来年以降も新作の公開を控えているので、毎年日本でホン・サンス監督の新作を鑑賞できる喜びを噛み締めながら、楽しみに待ちたいと思います。

そして、ぜひキネマ旬報シアターにも足を運んでみてください!


ここまでお読みいただきありがとうございます!

リクエストコーナーやパンフレットコーナーが館内にあるのは映画雑誌の会社ならではかもしれないですね!(行きたい!!)
作品紹介も含め、編集していてとても劇場に足を運びたくなるような記事でした。

今回ご紹介させていただいたホン・サンス監督は第13回東京国際映画祭の
コンペティション部門で審査員特別賞を受賞された他、その後もさまざまな部門で作品が上映されています。今年のTIFFでも作品が上映されたら嬉しいです!

今年の第36回東京国際映画祭は2023年10月23日(月)〜2023年11月01日(水)の10日間です。ぜひご来場ください!!

企画/13期田巻
執筆/13期佐々木
編集/12期相馬


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