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美術館の記録

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訪ねた美術館・美術展の記録まとめです。
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記事一覧

ずぼらなわたしの編み出した、最強に手抜きな美術展ノート

美術展が大好きで、月に2.3回は行きます。
その時にいつも困っていたのが、展覧会で貰ったものの始末。半券、チラシ、出品目録…捨てたくはない、でも保存したくても上手に保存出来ない、とりあえずクリアファイルにひとまとめにするけど物はどんどん増える一方、気がついたらファイルはぱんぱん、端はファイルからはみ出しぐちゃぐちゃになっている…
一年前までそんな風だったわたしですが、ここ一年ほど作っている手抜き美

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「心地良い家」には愛する者が不可欠だ #ハマスホイとデンマーク絵画展

「心地良い家」には愛する者が不可欠だ #ハマスホイとデンマーク絵画展

「ハマスホイの絵には夏も冬もない。
それは憂いを帯びた、はるか昔の、遠い、遠い彼方にある、こことは別の世界のものである。」
ハマスホイ展の最後に貼ってあった言葉がとても良かったので。この一言がハマスホイ展のすべてを総括しているような気がしました。
ハマスホイの描く、時には人物すら不要とする文字通りの「室内画」の閉じられた世界。確かに室内とは、外界と隔絶された異世界でもあるのかもしれない。ハマスホイ

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わたしは絵画を一枚も知らないのだ#大エルミタージュ美術館展

わたしは絵画を一枚も知らないのだ#大エルミタージュ美術館展

最近、前に書いたnoteの美術展系記事にちらほらスキが付くことが増えました。
たぶんみんな、おうち時間を持て余していたり、美術館に行きたいな〜と思って懐かしい展覧会や美術館のタグを検索したりしているのかな。
それらに触発されて何かを書きたいなあと思ったので、たまに聞かれるわたしと美術展との出会いの話をさせてください。
特にオチとかはありませんが、よろしくお願いします。

わたしの人生に、絵画を観る

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アメリカ印象派との邂逅 #印象派 モネからアメリカへ-ウスター美術館所蔵-

アメリカ印象派との邂逅 #印象派 モネからアメリカへ-ウスター美術館所蔵-

ちょっと隙間時間ができて、何か都内で観たいと思って調べたら、アメリカ印象派展がやっておりまして、そういえばアメリカの印象派ってまったくイメージ無いなと興味半分に行ってみることにしました。

印象派に限らず、アメリカの美術ってポップ・アート、アンディ・ウォーホルみたいなイメージしかなくて、いわゆる「美術」のイメージがあんまりないです。
学校で習ったかな?と高校の教科書、大学の美術史のテキストも取り出

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新宿に顕現する神秘の国 #北欧の神秘-ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの絵画

新宿に顕現する神秘の国 #北欧の神秘-ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの絵画

久しぶりになんとしても観に行きたかった展覧会。仕事を休んで、平日の昼間から伺いました。

北欧絵画がすごく好き、という認識はなかったのだけれど、振り返ってみると好きな作品には北欧と縁のあるものが多い気がします。
近年の美術展の中でも特に印象に残っているのは2021年のハマスホイ展ですし、東山魁夷に心を打ち抜かれたのも「白夜行」でした。

SOMPO美術館自体、個人的にとても好きな美術館です。
いつ

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最も魔法使いに近い人 #テオヤンセン展

最も魔法使いに近い人 #テオヤンセン展

前の職場の課長から、急にLINEが来て、何かと思ったら「テオヤンセンが非常に良かった」という話でした。めちゃくちゃ親しいとかでもなく、辞めてから年始の挨拶程度だったのに、急にその熱量で連絡が来たのが嬉しかったです。

ということで、ギリギリスケジュールの合間を縫って絶対に行きたく、年始から千葉まで足を運びました。

テオヤンセン、あまりよく知らなかったのだけど見に行ったら楽しすぎた!
美術館初心者

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解放感、幸福感、孤独 #マティス 自由なフォルム展

解放感、幸福感、孤独 #マティス 自由なフォルム展

マティスは昨年も見たので、どうしようかなと迷いつつ、行ったら非常に良かったので共有。
もちろん初マティス(?)としても楽しめるけど、個人的には去年の上野のマティスを見ている方こそより楽しめるのではないかと思いました。

去年のマティスは画家としての、いわゆる美術史上のマティス、を満喫することのできる展覧会で、今回はむしろそれ以外のマティス、画家としての括りからははみ出すマティスを堪能できる企画展の

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