『エフェソス、パトモス島への旅② ~黙示録の地へ~』
■コス島の朝
コス島の朝は冷たい風が強くかなり冷え込みました。昨日までの移動の疲れで起きれないんじゃないかと心配して携帯のアラームをいくつもセットしましたが、意外にもすっきり早く起きることができたので朝の散歩にでかけることにしました。夜明け前の街では早くからパン屋さんがやっていて、トルコでもそうなのですが、大きなパンがすごくおいしそうに見えます。
港では地元の人がのんびり釣りをしていました。
私たちはコス島をこの後、すぐ立ちますがほかの観光客は長期で滞在する人が多いようで、私が泊まったのは7000円くらいの安いホテルですが、キッチンがついていてちょっと生活感のあるような感じがしました。EU圏の人たちはトルコのボドルムやコス島でゆっくり滞在して休暇を過ごす人が多いみたいです。
そのせいなのかコス島の道路には歩道と別に自転車用なのかランニング用なのか車とは別に専用のレーンがあって、早くからランニングしている人もいました。
ちなみにギリシャとトルコは仲が悪くて、この地域の領土などで争っているとの話も聞きましたが私が旅したなかではそれを感じるようなことはありませんでした。ギリシャとトルコは食べものも少し似ている部分があったり、売っているお土産なども似ています。でも、価格はトルコの方が断然、安いのでギリシャの島ではあまり買い物しませんでした。というより、とてもEU圏の物価が高くて買えない。日本円が今、弱すぎるのも痛いところです。
さて、ホテルに戻り朝食をとってから出発です。
海外では朝食も外で食べようとすると高いので、だいたい朝食付きのホテルにしています。今回もビュッフェ形式の朝食であまり期待はしていなかったのですが、ギリシャヨーグルトがホント、めちゃくちゃおいしい!!
何でしょうこの違いは。
パンもトルコに負けずおいしくて、久しぶりにちゃんと食べた朝食でした。
ホテルをチェックアウトしていよいよパトモス島へ向かいます。
■56年目を迎えたちょうどその日
フェリー乗り場は港のネランツェア城の横の桟橋です。コス島は2017年のトルコ沖で起きたM6.7の地震で被害を受けました。ネランツェア城もあちこち崩れかけていたので、その影響で今は中に入れなくなってしまったのだと思います。城のそばのナツメヤシが実をたくさんつけています
城はそれほど大きくないので周りを見ながら1周してフェリー乗り場に行きました。フェリーを待っていると大型観光バスがどこからともなく何台もやってきては観光客を降ろしていきます。コス島には空港があるので飛行機で着いた人がツアーの観光バスでコスタウンにやってきているようでした。そして9:00をまわると港から海賊船などが続々と出航していきます。
小さい子どもがいたら間違いなく喜びそう。それにしても10月で日差しはあるとはいえ、風も水も冷たいのに欧米の人たちは水着着て泳ぐ気マンマンのようで驚きます。手を振って航海の無事を祈りましょう。
そんなやってる間にフェリーが少し遅れて到着。
あっという間に接岸して後方からバイク、人などがぞろぞろ降りていき、今度は乗る人がいっせいに順番も何もなく乗り込んで乗船チケットのチェックなどロクにしていないカオスな状態になりました。
乗り込んだと思ったら、もう出航している。
え~ぇ~っ⁈こんな簡単に出ちゃって乗り遅れた人いないの?
あっという間にコス島を離れてしまいました。10月で風があるせいか波が荒く、船は大揺れです。よほど船に乗りなれている人でないと確実に酔うと思います。持ってきた効き目の強い酔い止めをすぐに飲みました。酔い止めのせいで強力な眠気に襲われてだいぶ揺れる船内で寝ました。
パトモス島はいくつかの島を経由していきます。この経由する島を頭に入れて置くことがすごく大事です。
パトモス島は4つ目に停泊する島です。各島に着く際、船内に大きなブザー音で知らせてくれるので寝ていても起きますが、念のため携帯のアラームはお忘れなくかけてください。
万一、パトモス島で降りれなかった場合、慌てて次の島などで降りずに船員に確認してください。時間にもよりますがフェリーは図の北の方(上)の島に行って戻ってきて再度、パトモス島に着ける可能性が高いです。
パトモス島からコス島へ帰る際は必ず、次に行く島を確認してください。来たルートと逆をたどるということを覚えておいてください。
(※後ほどお話ししますが私たちは帰りのフェリーを間違えました。)
波に揺られながら2時間半…
誕生から56年目のちょうどこの日、私はついにパトモス島に着くことができました。本当に神さまに感謝です。
■タツノオトシゴに似たパトモス島
パトモス島は南北に16km、東西に10kmで複雑な形をした小さな島です。形はちょっとタツノオトシゴに似ています。使途ヨハネがローマ帝国時代に皇帝ドミティアヌスによってこの島に流刑になったと伝えられています。
ヨハネ自身、黙示録のなかでパトモス島にいたと記していましたので理由はどうあれ、この島にいたことは間違いなさそうです。一部の言い伝えによるとヨハネはこの島で大理石の採掘の仕事をさせられていたという話がありましたが、パトモス島は火山島で比較的若い方の島なので大理石の産出はできません。早朝、島の石工が金づちで石を打っているのをみました。玄武岩を整形していたのだと思われます。
フェリーはスカラという街の港に着きます。スカラの街は観光のための街で洒落たカフェやレストラン、お土産屋が立ち並んでいます。小さいので見て回るのに時間はそれほどかからないです。パトモス島は大型クルーズ船のメジャーな立ち寄り先になっているので、クルーズ船で訪れる人が多いかもしれません。
スカラの街から真南にある山上にヨハネ修道院があり、その中腹にヨハネが黙示録を書いたとされる洞窟があります。訪問した時の話は次回、詳しくお話しします。山と言っても高くないので時間があれば歩いても登れます。お勧めはタクシーです。見学の間、タクシーに待機してもらうと高くなるので山の上のヨハネ修道院で降ろしてもらいます。私たちが行ったときは15ユーロで上まで行きました。修道院の周りにはホーラというギリシャのサントリーニ島、ミコノス島を思わせる奇麗な街があるので、ゆっくり周りをみて、それから歩いて山を降って黙示録の洞窟に行くのがよいです。さらに街まで降りて帰ってきてもたいした距離はありません。
時間を気にせず、ゆっくり歩いてみるために2泊することにしたのです。
■Patmos Eye Boutique Hotel & Villas
パトモス島では2泊することにしていていました。普段は基本、寝るだけなので安いホテルにしか泊まらないのですが、今回はちょっとだけ贅沢なホテルでゆっくりしてみようと思いました。
Googleマップで探したのですが、Googleにアップされていた写真が気に入って決めました。Agodaには無かったのでほかで予約、1泊20,000円ちょっとの1番安い部屋だったのですが、10月半ばはシーズンギリギリでお客さんが少なかったせいか小さなプライベートプール付きの部屋にアップグレードしてもらいました。
とにかく眺めがよくてスカラの港、ヨハネ修道院が見えます。ゆっくりできるテラスにソファとテーブルがあって、朝食はプライベートテラスで食べることができます。プールはせっかくなので島の探索から帰って入りましたよ。水が冷たいんですけど景色が最高なので気持ちよかった。
今年の9月にオープンしたばかりのホテルで最高のホテルでした。日本だと1人につき1泊いくらになるので、それからしたら2人で朝食付きと思えば高くなくて本当にお勧めのホテルです。ただ、オンシーズン真っ只中だともっと高いかも。
私たちが泊まった次の週からは今シーズンの営業を終えて休業に入るということでした。
■おすすめのレストラン「Netia」
夕食には少し早い時間でしたがパトモス島に来れたことを祝おうということで島のレストランにでかけます。スカラの街にレストランはたくさんあるのですが、できたら地元の人がたくさん行くようなところがいいとGoogleマップで探しました。それでみつけたのがココです。
スカラの街から少し離れ歩きますが湾沿いに「Netia」というレストランがあります。私たちが行ったときに時間が早いせいかお客さんは1人だけ。でも、入りやすいオープンな感じなので気になりません。
お勧めを聞くとグリルした肉がうまいとのこと。なので、フェタチーズ、グリルチキン、シュリンプなどを頼んだのですが、出てきた料理のボリュームがすごくて圧倒されます。
上の写真、タツノオトシゴとパトモス島が書かれたテーブルクロス、わかるでしょうか。これが気に入って欲しくなってしまいました。お店の人に交渉すればよかったな。
グリルのチキン、少しかたいけどおいしかった。シュリンプも1匹が大きくてクルマエビぐらいの大きさがあります。フェタチーズは山羊の独特な癖が強いので好き嫌いあると思いますが、慣れて普通に食べれました。私たちが食事をしている間に何組が地元の人たちがやってきました。それとこちらのウーバイーツみたいな配達人がひっきりなしに料理を運んでいるのを見ました。繊細な格式高いレストランを求める人には違うかもしれませんが、安くておいしいレストランとしてイチオシです。
ほかにもいろいろ食べようと思ったのですが、ちょっとこれ以上は食べれそうにないのでデザートは断念。
帰りに小さなスーパーによって飲み物やらナッツなんかを買ってホテルに帰ります。泊まったホテルには冷蔵庫があってなかのお酒類含み、ぜんぶ自由に飲んでいいのですが、お洒落感強すぎでハーブの味がする飲み物などが多くて私などの口には合わない感じでした。
今日はホテルの部屋のテラスでゆっくり日が暮れて街の明かり、ヨハネ修道院の明かり、港の明かりを遠くから眺めます。
この日が私の生涯で1番の誕生日でした。
明日は黙示録の洞窟へ行きます。
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