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『エフェソス、パトモス島への旅(準備)』

■念願のエフェソスへ

 昨年に引き続き、安い航空券を見つけてしまったがために急遽、決まったトルコへの旅の記録です。昨年はカッパドキアに行って気球に乗ってみたいという単純な動機からトルコへの旅を計画したのですが、ツアー旅行の日程を見てみるとバスでの移動時間が多くてカッパドキアなどでゆっくりするような時間がないことに気づきました。トルコは広大で観光地が離れているためどうしても移動に時間をとられてしまうのは仕方ない面があります。
でも、やっぱりトルコを満喫するには時間が惜しい。そこで私たちは個人旅行で行き先を絞り各地での時間をできるだけ多く取れるようにと考えました。その結果、エフェソスの遺跡見学を前回、断念したのです。ところが、昨年、トルコの旅を準備して、実際に旅する中でトルコには聖書の世界がそのまま残っていることを知りました。パムッカレに隣接するヒエラポリスの遺跡には12使徒フィリポの辿った伝承とフィリポの墓と伝えられる遺跡を目のあたりにすることができました。初代教会時代の伝道者が歩き、フィリポが歩いたかもしれない街の遺跡の通りを自分の足で歩いてみて深い感銘を受けました。こうしていつになるかわからいけど、次回は必ず、エフェソスへ行こうと思ったのです。


■トルコに残る聖書の世界

トルコの素晴らしいところはキリスト時代、初代教会時代の遺跡がそのままタイムカプセルのように遺跡として保存されているところです。トルコはイスラム教影響下の国で私は神さまがどうしてこのようにされたのか理解できなかったのですが、オスマン・トルコが一帯を征服した際にキリスト教影響下の多くの街が放棄されました。破壊もあったかもしれませんが、それが遺跡として残り私たちが見ることができるようになったのです。もし、キリスト教影響下のトルコだったら、古い街は新しい建物の下に埋没してしまっていて当時の状況を知ることが困難になっていたのではないかと思います。ですから、トルコを現在のようにしてくださったのは神さまの計画によるものだと思います。

今回はそういう訳で念願のエフェソス遺跡に行くことにしたのです。そのエフェソスのことを調べているうちに使途ヨハネとマリアがこの地域で晩年を過ごしたという伝承、近くにマリアの家と言われている場所があることを知ったのです。さらに使途ヨハネが黙示録を記したとされているパトモス島がエフェソスに近いことがわかり、行き先をエフェソスとパトモス島に定めました。


■少し無理した初日の予定

パトモス島はトルコに近いのですがギリシャ領です。なので、国境越えとなるため船でどこからでも行ける訳ではありません。以前はエフェソスに近いクシャダスという港からサモス島というギリシャ領の島を経由してパトモス島に行くフェリーが運航されていましたが、どう探しても見つからず運行されていないようでした。飛行機で行く方法なども検討しましたが、飛行機代が高いのとアテネ経由となるので何より時間の無駄が大きいから検討外、さらに探すとトルコの南西の街ボドルムからフェリーでコス島を経由してパトモス島に行くルートを見つけました。イスタンブールからボドルムまでは飛行機で1時間半ほどです。問題はフェリーの運航タイミングです。飛行機は遅延の可能性もあるのでそれも考慮しないといけません。

今回の飛行機は中国東方航空で上海経由(成田13:00~上海15:40、上海01:55~08:30)の長距離ですから2時間前後の遅れは十分あり得ます。そして、イスタンブールには空港が2つあり国際線が到着するのは絶対ではないですがイスタンブール空港(IST)が多く、国内線の利用はザビハ・ギョクチェン空港(SAW)の方が多いです。2つの空港間は距離があり移動にかなり時間がかかりますので、8:30(着予定)にイスタンブールに着いた後にトルコ国内線に乗り換えるなら、必ず同じ空港から出発する飛行機を選ばないとなりません。イスタンブール空港(IST)からボドルムのミラス・ボドルム空港(BJW)まで飛ぶ飛行機は限られていますので注意が必要です。イスタンブール着の飛行機が遅れることも想定して乗り継ぎ時間を3時間半取りました。飛行機は12:15発、13:40着のターキッシュエアです。安全を考慮するともう少し開けたいところなのですが、その日の内にコス島まで行くのが目標なので安全圏ギリギリを攻めました。ミラス・ボドルム空港(BJW)からボドルム市街(フェリー港)まではシャトルバスで45分かかります。バスの間隔は15分置きで想定しました。ボドルム市街からフェリー乗り場までの移動時間も考慮して、コス島へ行くフェリーの時間を探しました。16:45発、17:05着のフェリーを予約です。欲を言えばそのまま一気にパトモス島まで移動したかったのですが、コス島からパトモス島へのフェリーは日に2便程度しかなく、その時は乗り継ぎ時間が1時間ほどしかなかったのです。コス島は前述したようにギリシャ領なので簡単でも入国審査を通らないとならず、フェリーの乗客の人数によってはギリシャ入国だけで1時間かかることもあり得るようでした。ここは危険すぎるのでコス島で初日の宿泊をとることにしました。

今回の旅では今後、再訪できる可能性の低いパトモス島での滞在を2泊にしてエフェソスでの滞在を1泊としました。これで10日間ギリギリの旅となりました。ハードで少しリスクもあるスケジュールなのでお勧めできませんが、計画の参考になればと思います。


■旅行の予約をどうとったか

≪飛行機≫
これは皆さんで利用する検索サイトが違うかもしれませんが、私が使って安い飛行機を見つけやすいと思うのはエアトリでしょうか。検索するタイミングによりますが、ここで見つけた安い飛行機は他のサイトでヒットしませんでした。
ただ、エアトリは日本発着の便については強い気がしますが、海外発着、例えばトルコ国内線とかトルコからギリシャへの飛行機を探すのは弱いようで、海外発着はSkyscannerが良いと思います。但し、Skyscannerは各社比較してどこで予約するが安いか検索するサイトなので実際に航空券を買うのは検索結果の会社になり、その会社の信頼度は正直、判断が難しいです。今回、私はSkyscannerで検索、Trip.comでトルコ国内線の手配をしました。

≪フェリー≫
こちらはDirect Ferriesを利用しました。気を付けなければいけないのはeチケットがメールで送られてくるフェリーと予約と支払いが完了して現地で発券する場合の2通りあるようなので、送られてくるメールをよく確認して現地で発券の場合はフェリー乗り場のチケットカウンタで出航の1時間前までに発券するようにと書かれていることがあるので、少なくとも1時間以上前にに乗り場に一旦、行くことをお勧めします。ただ、チケットカウンタ自体が1時間前になってようやく空くような感じの場合もあるので、このルールはよくわかりません。
それから余談ですが、コス島とパトモス島間のフェリーは行き先と時間をよく確認してください。(※船員のチケットチェックはあてになりません)パトモス島のフェリーは周辺の南北の島々をいくつかまわるのですが、フェリーはパトモス島から北の方の島へ一旦、行って戻ってくるものと、南側のコス島へ最短で行くものの2種あります。電車でいう昇りと降りがあるとイメージしてください。まちがった方に乗ってしまうとコス島へ着きはしますが大幅に時間を食ってしまいます。私たちは間違って乗ってしまい予定変更を余儀なくされました。あと、秋以降の地中海は聖書にあるように海が荒れますので強力な酔い止めが必須です。

≪バス≫
こちらは本数が多いのと予定変更の可能性が高いので今回、予約しませんでした。オンシーズンで観光地が込み合う時期は予約した方がいいのかもしれませんが、前日にバスターミナルでチケットをその場で購入した方が確実だと思います。バスの予約サイトはあるのですが、トルコの国民番号が無いと予約できないと聞いたことがあります。(※実際、確かめてないのでわかりません)
バスは会社がたくさんあるのでチケット売り場が複数あり、どのカウンタで買えばいいのかバスターミナルのどこに乗るバスが来るのか分かりにくかったりします。さらに英語も通じにくかったりしますのでGoogle翻訳などを駆使してしつこく確認してください。トルコ人は親切なひとが多いですがテキトウだったりしますので複数の人に確認した方がよいです。
どのバス会社がよいかはネット上のブログなんかでどのバスに乗ったとかの情報があるので参考にした方がよいです。はっきり言ってはずれのひどい会社もあります。
あと、長距離バスの場合、途中休憩がありますが必ず休憩時間を確認してください。バス会社によっては平気で乗客を置き去りにします。

≪ホテル≫
私はAgodaを使うことが多いのですが、ホテルで一番気にするのは立地、次は料金です。海外は道が整備されていないのでスーツケースを長い距離、引いて歩くのは苦痛です。基本、私はタクシーはなるべく使わず公共交通機関利用なので駅から近く、あまり乗り換えなくてもいいところで探します。そうなるとAgodaの検索でマップ上の距離感まで考慮してホテル選びが面倒ですのでGoogleマップ上に公共交通機関を表示させて拡大、縮小でホテルマークを探します。クリックするとどこで予約したら一番安いか表示しますので、大差なければAgodaでかなり料金差があったりした場合は他の予約サイトを利用します。Googleマップ便利ですよね。


■トルコのイスラム教について

トルコは政治と宗教を分離した体制をとっていて、イスラム教が主体ではあっても旅がしやすく、イスラムの人たちは親切です。
(※なかには観光客をだまそうとする人も少なくはないので、あまりに親切な人には警戒してください。)
世界では宗教間の対立で溝が深くなっていますが、トルコはそういう意味で和解、理解しあえる鍵をもっている国ではないかなと個人的に思います。
私はトルコで早朝から大音響で流れる神さまへの祈り(アザーン)が好きです。立場が違えど、神さまへ迷うことなくまっすぐ向き合う祈りの姿勢はいいものだなと思えて自分の祈りはどうだろかと考えさせられるのです。

皆さんにもトルコの旅を楽しんで豊かな気持ちを感じていただけたらと願います。