人魚の眠る家―東野圭吾
長い夢を見ていたようだ。
そんな感想が一言目だった。
全く展開が読めない本だった。
いや、展開を読みたくなかったのかもしれない。
話自体は割りと淡々としていて、東野圭吾にしては盛り上がりの濃度差が全体的に上下していない本だった気がする。
人の死とは何か。
少し苦手なテーマだったかもしれない、私には。
この話の途中には、そんなに「人の死とは何か」を語りかける部分はなかったかもしれない。
苦悩と幸せが混じっているような、そんなストーリーだった。
しかし、終盤語りかけられる。
人の死とは何か?
何を持って人の死とするのか?
生きるとは何か?
私はとても母親とは言えないのだが、一応娘がいる。
もし、この本と同じ目に娘があったら?
私も狂うのかもしれない。
いや、狂っていると言えるのか?
しかしながら、この本に出てくる薫子という母親には少し嫌悪感さえ抱いた。
周囲が見えていない。
こうも周囲が見えなくなるものなのか?
そしてそれは、本当に愛なのか?
私には愛というより、少し独りよがりの空回りにすら見えた。
しかし、想いは届くものだ。
388ページと、そう長くはない話だったが、とてもとても長い話を読んだような印象があった。
深い話だった。
愛が生むのは、悲劇か奇跡か。
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