ドトールで考えた、ブランドが社会的資本になるとは?
昨日ドトールについてのnoteを書きました。
ドトールについてSNS上で話していたら、社会資本としてのブランドについて改めて考えることになりました。
きっかけ
ドトール議論のきっかけはコピーライターの原田さんのこの投稿です。
上記はXでの投稿ですが、Facebookでも同様に投稿をされておりFacebook上で盛り上がりました。
原田さんがそのやりとりを踏まえて以下のような投稿を。
こちらの投稿にはドトールが企業として社会に提供している価値を提案する活動をしていることと開発背景についてまとめたアドタイの記事が共有されています。
記事中にステートメント開発にあたったコピーライター こやま淳子氏のコメントがあります。
そして、
とも。
まさに「誰も置いていかないコーヒーショップ」です。
素晴らしい企業広告のコピーを以下に記載させてください。
企業の社会における役割:ブランドの価値
ブランドになるとはどういうことか、ドトールでコーヒーを飲みながら考えました。
顧客との共創があってこそブランドとして成立する、これが僕の基本的な考えです。
その共創の意味を僕の本務である広告から見出していきます。
かつてワイデンさんが「広告の本質はありがとうにある」ということを話したというエピソードを聞きました。
広告だけではブランドはつくれませんが、顧客にとって「ありがたい」存在になることがブランドが目指すべき一つのゴールではないでしょうか?
そして、企業はより多くの人(顧客)に受け入れられるべきではありますが、選ばれる側の企業にとっての社会はコミュニティと捉えるべきではないかと思っています。
マーケティングにおいてターゲットが重要であるのはこの点にあります。
スターバックスとドトールは当然違って良いのです。
それぞれのビジネスのスケールを図る方法はいろいろありますが、顧客にとっては実は二つの企業の優劣はどうでも良いことかもしれません。
企業が社会資本として活用される
社会資本という言葉に最近興味があり、最初に紹介した原田さんの投稿はこの興味を改めて刺激することになりました。
僕が理解する社会資本は:
「ありがたみ」を社会資本から捉え直す
ブランドの「ありがたみ」とは、個人の日常生活におけるその役割と影響を通じて理解できるものです。
ドトールの例では、ブランドがいかに社会内で支えとなり、信頼と感謝の感情を育むかが示されます。
この経験がブランドの社会資本を形成する基盤となり、ブランドが価値ある社会資本としてどのように機能するかを明らかにします。
サードプレイス議論を踏まえて
サードプレイスといえばスターバックスですが、自宅でもない、職場でもない、第三の場所ということで考えると、全ての喫茶店はサードプレイスと見なすこともできます。
サードプレイスの提唱者である、オールデンバーグはカフェ、コーヒーショップ、書店、バー、ヘアサロン、その他のハングアウトの場所が、コミュニティの形成や維持においてどのような役割を果たしているかについても分析しています。
ある喫茶店が提供する場所とサービスがターゲットする顧客たちに活用されることで、メディア(媒介)としての活用されます。
お茶を飲みに来るだけではなくコミュニティとコンテンツが形成される場所として機能し始めます。
喫茶店が「証券会社の発祥・起源」となったと言われていることからもわかります。
人が集い当初の目的をこえて利用されることで社会資本として存在することが可能になるのではないでしょうか。
ブランドとはコミュニティとコンテンツを象徴する=ある社会において資本として活用される存在だからこそカルチャー(行動様式)と理解されています。
企業の社会的役割とブランド
現代の企業には、ただ製品やサービスを市場に提供する以上の役割が求められています。
ドトールの事例を通じて、ブランドが社会資本としてどのように機能するかを考察しました。
スターバックスと比較されがちなドトールですが、そのサービスは一貫してアクセスしやすく、親しみやすい空間を提供することで、異なる背景を持つ顧客たちを結びつけ、強力な社会的結束を促進しています。
これは、単なるビジネスの成功を超え、ブランドが持続可能な社会的価値を生み出す手段としての社会資本となることの重要性を示しています。
ブランドが持つこの「ありがたみ」という社会資本は、顧客の日常に深く根ざし、共感と信頼を築くことで、さらに大きな経済的・社会的影響を与えうる力を持っています。
したがって、企業はマーケティング活動において、ターゲット顧客が形成するコミュニティで積極的な役割を担うべきです。
このような取り組みは、ブランドが顧客と共創することであり、持続可能な成長を促進する鍵となるでしょう。
最終的に、ブランドが社会に与える影響は、単に製品やサービスの品質の問題を超えて、その社会全体の文化や価値観に貢献することになります。この理解は、企業が今後進むべき方向性を示す北極星になり得ます。
マーケティング、プロモーションにおいても、ブランドの力とその社会的役割を見出し、より良い未来への一石を投じるべきです。
この活動はすべての企業が直面する普遍的なチャレンジです。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは、また。
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