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コンテンツ作りは、決して誰もができることではない

「コンテンツなんて、誰でも作れるでしょ」

・・・という言葉が、耳にこびりついて離れない。
(※ここで言う「コンテンツ」とは、会社HPで更新しているブログのこと)

職場で前にいた部署の元上司が発した言葉だ。
70代の男性上司で、前の部署では2年ほどお世話になった。

優しくて有能な人ではあるのだが、声がとにかく大きいのが玉に瑕で、その人との会話の内容はフロア内にいる人にすべて丸聞こえなので、もうとにかく恥ずかしかった。

私が今の部署に異動してからは、その人と関わる機会は一気に減った。
私が今どんなことをやっているのか間近で見ることもないから、「コンテンツなんて誰でも作れる」と思ってしまうのも無理はないのかもしれない。


いろいろ思うところはあった。
でも、ここで反論して、その場の雰囲気を悪くするのも忍びない。
というか、この人は声がデカいから、話をこじらせて恥をかきたくない。
絶対いるよね、しれ~っと聞き耳立てている人。

結局、「・・・まあ、そうですね」と苦笑いを返した。
モヤモヤと、後味の悪さだけが残った。


ねぇ本当に?コンテンツって、誰でも作れるものなの?


会社のお役立ちブログは、およそ2年ぐらい前から月2~3本ペースで書き続けて、今や記事数は50を超えた。

最初は、コーポレートサイト責任者の勧めにより、会社HPリニューアルプロジェクトで一緒だった先輩と2人、ブログ記事を書き始めた。

途中で先輩が脱落してからは、更新が途切れないように、私1人でせっせと記事を書きためていった。

2023年4月に今のマーケ部門へ異動してからは、Web集客のためSEO対策にも本格的に取り組むようになった。
せっかく書いた記事を少しでも多くのユーザーに読んでもらえるように。


狙ったキーワードでの検索上位を目指すため、すでに上位表示されている競合記事を片っ端から研究した。

途中で展開が破綻しないように、構成は最初の段階できっちりと固めた。

読んでも意味の分からない表現はなるべく避けるようにした。

1文の長さは多くても3行以内にとどめ、情報を一気に詰め込みすぎないようにした。

長くなりそうな説明は箇条書きにした。

文章ばかりで理解しづらいかも?と思った部分は、PowerPointで作った図や画像キャプチャを挿入した。

図はむやみに色を使いすぎず、デザインや配色にも気を遣った。

パッと目を引くオリジナリティあふれるアイキャッチ画像を作った。

画像検索で引っかかるよう、画像すべてに代替テキスト(altタグ)の設定を忘れずに行った。

ページ内リンクがきちんと機能しているか毎回確認した。


その結果、アクセス数は激増し、資料ダウンロード数も伸び、問い合わせもほんのたまにだけど来るようになった。

「もう、やめてしまおうか」と何度思ったか知れない。
それでも書き続けた。

コンテンツを作るくらい、誰でも簡単にできる?
そんなわけないだろう。

1つ1万字近くの記事を公開するまでに一体どれだけの工夫を凝らして、1人で50記事を積み上げるまでに一体どれだけの誘惑を断ち切ってきたと思っているんだ。

「コンテンツなんて、誰でも作れる」なんて、そんな軽々しい言葉で片付けられたくない。


・・・と、仮にも元上司に真っ向から反論する勇気は私にはないので、心の中でこっそり自分を励ますことにする。

コンテンツは、誰でも作れるものではない。
読んでくれる人のことを考えて考えて、やっと作り上げるもので、
結果が出るまでにはすごく時間がかかるから、継続しなければ意味がない。
決して、誰もができることではないのだ。

文章を書いている自分を、もっと誇りに思おう。



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