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『初体験へのカウントダウン』

『初体験へのカウントダウン』 No.047

恋はサバイバルよ、と大学生の姉は言う
私も大学生になる前にどうしてもやっておきたかった
姉の話を聞いて少し怖くなったけど、芽生えた興味はもう消せない
高校生活最後の夏休み
覚悟を決め、部屋に幼馴染を呼んだ
彼はもう既に経験済み
お互い初めてだと、ね…
誰かに最後まで押し込んでもらわないと…
緊張と暑さで身体が汗ばむ
彼が、そろそろいいか?と囁く
歯を食いしばりながら、こくりと頷く
私の垂れた髪を彼の指が優しく耳にかけた
あ~、ちょっと待って…
私は深呼吸をし、選曲をボンジョヴィからモーツァルトに変えた
ロックの方が勢いがあっていいかなと思ったけど…
やっぱりクラシックで気持ちを落ち着けるわ
彼は小さい頃から私が怖がりなのを知っている
でもいつまでも子供のままじゃいられない
私だってやるときはやるわ
そう言って冷えたグラスの水を飲み干した
さぁ、一思いにやって!…でもあんまり痛くしないでよ
あぁ分かった、少し濡らしておくから安心しろって
3・2・1の後でいいな?じゃあカウントするぞ
肩にかけたタオルをギュッと握り締め、声を合わせる
いくぞ、3、2、…

数日後、幼馴染の彼が様子を見に来てくれた
なんかあれから癖っていうか快感になっちゃって、一人で三回もしちゃった
…おいおい、マジか…あんまりやりすぎるなよ
だってハマっちゃったの、ほら見てぇ~

髪をかきあげた私の耳には、透明なピアスが4つ綺麗に並んでいた…


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