〔スリーエレメント作家〕一丞しゅん
3エレメントより生み出されたファンタジーやホラー、コメディーやロマンスものなど、”ミステリーチック”な香りのする作品群です。 1記事ずつのご購入もできますが、いくつかお読みになるなら《ミステリー》マガジンの購入がオススメです。 一度ご購入していただくと、今後このマガジンに掲載される有料記事も継続してご覧いただけます。 作品数が増えるにつれ、徐々に販売価格も上げていく予定ですので、購入時期が早いほど”お買い得”となっております。 〔一丞しゅん〕が綴る少し謎めいた世界観、不可思議なるキラメキを…
3エレメントより生み出された「純愛」から「ちょいエロ」まで、様々なラブストーリーを集めた作品群です。 1記事ずつのご購入もできますが、いくつかお読みになるなら《恋愛》マガジンの購入がオススメです。 一度ご購入していただくと、今後このマガジンに掲載される有料記事も継続してご覧いただけます。 作品数が増えるにつれ、徐々に販売価格も上げていく予定ですので、購入時期が早いほど”お買い得”となっております。 〔一丞しゅん〕が綴る幾多の愛の世界観、まろやかなるトキメキを…
3エレメントより生み出された、小説でもなくポエムでもない、心と魂の導くままに綴った、《恋愛》や《ミステリー》に属さない作品を集めてます。 1記事ずつのご購入もできますが、いくつかお読みになるなら《ノンジャンル》マガジンの購入がオススメです。 一度ご購入していただくと、今後このマガジンに掲載される有料記事(Max15記事)も継続してご覧いただけます。 作品数が増えるにつれ、徐々に販売価格も上げていく予定ですので、購入時期が早いほど“お買い得”となっております。 〔一丞しゅん〕が綴る心と魂の世界観、遥かなる安らぎを…
パープルダスト・イエローエンジェル・ブラックコントロールの3部作をまとめたマガジンです。
毎日作品を投稿し続け、50作品まで到達しました。そこで、今までは記事の全てを無料で公開していましたが、一部有料化へと変更させていただきます。 ここではその説明と楽しみ方を案内していますので、僕の作品や文章に興味のある方はご一読頂ければ幸いです。 【無料と有料】無料:小説や詩などの作品 有料:3エレメントを含む解説・おまけ・あとがき どんな3エレメントで構成されたか知りたい人や、本文の解説や要約、Wordで書いた原文のPDF(ダウンロード)、各作品から感じた僕の思いや感想
『震えるミュート』 No.076ベットの上でふと目を覚ます 私はゆっくりと身体を起こし、ベッドサイドの水を一口飲んだ 時間を見るため携帯電話を開く 通知が来ていたが震えた記憶がない いつの間にかサイレントになっていた もう4時間も前 夫からのメッセージ 開くと私の所に来た後に撮った動画があった イヤホンをセットし、再生する 滑り台とブランコで遊ぶ娘 口の周りに着いたソフトクリームを拭う 池で白鳥のボートを漕ぐ夫 娘は“もっと早く~”と笑いかける それにつられて私もフフフ 固定
『壊れた美学』 No.075廃墟となったビルをじっと見上げる一人の男 高校にも行かず、現場の仕事ばかりして生きてきた 25歳で独立し、15年解体屋を経営してきたが資金繰りが上手くいかず、遂に倒産 荒れ果てた事務所に戻り、荷物の整理をする デスクの奥からダンプカーの玩具と知恵の輪が出てきた ここで息子と遊んだ記憶が込み上げてくる ひとときの思い出をバーボンで流し去った… 知恵の輪を取り出し、カチャカチャと音を鳴らす 暫くいじっていると、スッと二つの輪が偶然外れた その時、男の中
『隠れ家』 No.074男はバスルームで、ジッと鏡を見つめていた そこに映るのは、冷淡な瞳と揺れ動く決意 迷いを振り払うよう大きく息を吐き、熱いシャワーを解放する 勢いよく放たれる音を聞いても、両手は壁から離れない さっき出会った占い師の言葉が、何度も浮かんでは語り掛けてくる “アンタ、自分を曲げられない主義だね” 厳重に隠しておいたはずなのに… 寒波が吹きすさぶアーケード街 この町の賑わいは、もうとっくの昔に消え去った 開いているのは僅かな飲み屋しかない いつもの店で飲ん
『阿修羅が水着に着替えたら』 No.073コンビニで買ったアイスを食べながら公園のベンチに座る 雲一つない夏の空と雲しかない僕の心 数日後の水泳大会に気持ちが沈む 溶けたアイスがベンチの隙間に滴り、下を見た 足元にあったのは、小さな古めかしいラジオ それを拾い上げ、チューナーを回してみる 雑音が続いたが、ふと何かが聞こえた 何度か波の音が流れ、人の話し声がする 音量のつまみを上げ、耳を近づけた ゆったりとした女性の声に引き込まれる… 〈では今日の相談内容を読みます〉 〈私は水
『空色伝説』 No.072クソ、なんで今のプレーが警告になるんだ…! 後半は特にディフェンスのマークが強くなっている ダメだ、冷静にならないと… 全国高校生サッカーの決勝戦 コバルトブルーの服を着たサポーターで埋め尽くされる 今日の空は、スタンドにも大きく映し出されていた そして、そのほとんどの声援は俺に向けてのものだろう 準々決勝、準決勝と二試合連続ハットトリック この決勝戦でも達成すれば… 伝説まで後一点だ 後半の残り時間も半分を切っている 自陣のゴール前で相手のパスを
『ソルト安堵プラム』 No.071少年は、蹴られた空き缶を探して草むらに分け入った あいつ、何でこんな遠くまで飛ばすんだよ… 文句を言いながら探していると、茂みの奥に廃材で建てられたような小屋が見えた あ…!あんなところに… それは、屋根を覆う蔦に挟まっていた 少年はため息をつき、仕方なくそれを取りに行く決心をする 手を伸ばして届く高さではなかったので、周りを見渡し、台になるモノを探した 唯一使えそうなものは、木が腐りかけの木箱 恐る恐る木箱の角に乗り、蔦を掴んで空き缶に手を
『ダンス・ダンス・ダンス』 No.070男は飛行機と舟を乗り継ぎ、遂にその地に降り立った プエルトリコの東に在る名も無き無人島 ここまで運んでくれた船乗りと通訳者に別れを告げた 胸のポケットから手書きの地図を取り出す アメリカのある歴史学者から貰った金色のコンパスを見た 暑さと高揚が混じり合う 密林に吸い込まれるよう歩を進めた… 暫く進むうちに、男は妙な感覚に陥った 木々のざわめきや葉の色、土の匂いなどを鮮明に感じだした気がする ふと立ち止まり、辺りを見渡す 熱帯特有の鳥た
『フェアスタイル』 No.069オイ、アンタ、随分と暇そうじゃないか …ワタクシに何か用でもあるのですか? オレは散々悪事を働いてきたが、これからは善いことをしたいなと思ってよ アンタのような博愛の精神を見習って、誰かの役に立ちたいと考えたんだ 世の中の奴らを思いっきり笑わせたい、だからオレとアンタで漫才やらね~か? …いいでしょう、では貴方がボケでワタクシがツッコミですね いやいや待て、それだと分かりやすすぎるから逆の方がウケると思わないか? …確かにそれも一理ありますね、
『ホーリービジョン』No.068輝く光体が上空で揺らめいている 形を歪めながら三つに分かれ、それぞれに散っていった… 少女はいつもの様に森を散策している ふと足元には見慣れない綺麗な黄色い花 屈んでそれを摘みっとった その時、一羽の小鳥が舞い降りる 白い煌めきは、少女の肩に飛び移った 自然と笑みがこぼれる 花弁から吸い込まれた香りは、鼻腔を満たす 澄み渡るさえずりは、三半規管を揺らす 少女は段々と息苦しくなった 平衡感覚を失い、よろめき始める そんな身体を支えるように、黄金
『ほどけた才覚』No.067私は、崩れかけのブロック塀の裏に身を潜めた 一呼吸置き、五感をフルに働かせる 耳を澄ませ、注意深く視線を運ぶ 工事現場の看板、不法投棄の車、ドラム缶の裏に一人ずつ隠れていた まだ誰も捕まってないわね… 私には何故か、人より物事を察知する能力が在った 状況を常に分析し、最善の行動をとる でもその力を発揮し過ぎると、みんな私を怖がり離れてゆく 今回も、そうはなりたくない… そんな思いの中、メールの着信音が鳴り響く 慌てて音を止め、全ての身体の動きを一瞬
『仕組まれたラストファイト』 No.0663人の男達の戦いは、最終ラウンドを迎えていた… 1ラウンド目は数回手を合わせた後、なんとか俺が勝った そして2ラウンドは、髪をくくった金髪野郎に一撃で取られてしまった 銀縁メガネをかけた優男はニヤリと微笑む 気持ち悪い笑顔を浮かべやがって…クソッタレが… 俺がこの勝負に負ければ親の借金が倍になるか、女が身売りされる どちらかを天秤にかけて選ぶなんて、俺には出来ない だからどんな勝負でも勝つことだけを考えて今まで生きてきた… 俺は小さ
『息詰まったメッセージ』No.065私が意識を取り戻した時、既に椅子に縛り付けられていた そして口にはハンカチで猿ぐつわを噛まされている こんな状態で身体を揺すって助かるはずはないが、試しに一度だけ抵抗してみた それに気付いた質の悪そうな男が睨みながら近づき、おとなしくしてろと髪を掴む 私はそいつが立ち去るまでぐっと目を閉じた 耳を澄ましてみたところ、車の音はあまり聞こえない… ゆっくりと目を開け、周りをそっと見渡す そこはかつて商業施設が入るテナントのような古びた造りの空間
『ロック・オン・ザ・ロック』 No.064私は湯船に浸かりながら最近起こった事件を整理していた 先ずは警部補の自宅が放火された可能性があるということ そして大学生の乗った車が崖から転落する事件 それに決して公には出来ない血を吸われたような変死体の数々 最後は夫婦でクルーズ船に乗ったが、妻が行方不明になった事件 夫の証言では旅の途中で喧嘩をし、妻がいなくなっていることに気付かなかったと 周辺を捜索したところで船旅の範囲があまりにも広すぎる 海に落ちていたとしたらきっともう… そ
『護られたデータ』 No.063俺は特殊なアルゴリズムを使って、データを保護した このコードを解読できるのは、あいつ以外不可能なはずだ 電話は盗聴されている可能性もあるので、いきなり送り付けるしかない 今回の一連の流れを手紙に書き、USBメモリと共に封筒に入れた しかし、かなりやばいところまで踏み込んじまったか… 真相を追っていくとやはり財界を裏で牛耳るあの一族が絡んでいた 父親の跡を継ぎ、長男も政治家になっている 次男が裏稼業の中枢にいるのは、この業界を知る人間なら有名な話
『消されたコード』 No.062ある日友人のジャーナリストから小さな封筒が届く アイツの身に何かあったのか… そんなことがふと頭をよぎる 封を切ると、こんな手紙が入っていた… 突然で驚いたと思うが、俺が信頼出来るのは大学教授のお前だけだ 俺はある事件をきっかけに独自の取材を続けていた そして調べていく内にあるペーパーカンパニーを見つけた そこからさらに真相を追求していくと、一人の政治家が関与していることが判明した そのあたりから、俺の周りで不可解な現象が起こり始めたんだ 車