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【映画感想】RM: Right People, Wrong Place【BTS】
【追記:2025/1/25】「RM 'Around the world in a day (feat. Moses Sumney)' Official MV」を見返したら映画のビハインド状態だったので、そこから画像を追加
観る覚悟……と、読む覚悟
ナムさんの映画「RM:Right People, Wrong Place」、公開初日に観てきました!
覚悟してた通り、ナムさんは思いっきり語り倒してて、映画の密度がめっちゃ濃かったです……。10年寝かせた羊羹みたいですね。ほぼ鈍器。
言葉の密度(いきなり余談)
歌詞を書いたりコメントしたりすることが多く、思考の言語化に慣れているナムさん。彼の言葉は、単語量に対する情報量が、とても多いです。
普通の人みたいに「えーそうですね、こういう感じなんですけど、ただ……」みたいな隙間の多い話し方じゃなくて、「僕は〇〇な人なんです。何故かというと」みたいに、すいません原稿あるなら下さいレベルの詰め方をしてくる。
しかもラッパーだから、口の回転早いじゃないですか。こっちの耳から溢れるくらい、ツルツル言葉を流し入れてくる。
ただ語るだけじゃなくて、言いたいこと伝えるために角度を変えて言い直してくれたり、たまに話してる間に思考の方が先へ行っちゃって間が飛んだりもするから、もう受け止める方は溺れかけ😇
こっちも聞きながら、頭の中で必死に「これって要するにこういう意味だよね」って要約したり、「この話はこう進んでここに着地しようとしてるはず」とルート見返したりしてるんですが、成すすべなく言葉の奔流に押し流されてしまうこともしばしば。
頭が追い付かないから、一時停止か注釈機能を実装して……!( ゚Д゚)ムリ!
記事書いてて思うんですが、SUGAやナムさんは、ホント言語化する能力に長けてますね。
作詞家かつラッパーで、更に配信やMCを重ねて鍛えられているから、話し言葉と書き言葉の差が少ない。言葉の密度がやたら高いです。
おかげで二人が気合入れて話し出すと、内容が濃すぎて消化できないという問題が……全然要約できない( ;∀;)
語り倒すのはナムさんだけじゃなかった
今回は、そんなナムさんがひたすら語った映画です。
しかも、実際に観てみたら、タッグ組んでるアルバム制作リーダーのサンヤンさんも、大概似たタイプでした。羊羹が二本に増えた……!( ゚Д゚)シヌ
記憶とパンフと公式動画類を照合し、覚えてる限りの言葉を書き残しましたが、また観に行って修正したいです( ;∀;)クヤチイ
ちなみにグクの映画同様、映画字幕・パンフ・動画はそれぞれ翻訳者が違うので、採録されたセリフには多少ニュアンスの違いがあります。
今回、ナムさんの言密度の高さに引きずられて私もめっちゃ語ってますが、許してください。
ナムさんの言葉はほんとツボに入ります。母国語でもないのに、不思議!
パンフレット
パンフレットは3000円。P82でほぼ小冊子。ポスターにもなる帯カバーがついてて、ひと手間かけた感があります!
映画内の映像やナムさんの言葉もたくさん載ってて、それだけでおススメなんですが、「Team RM」メンバーへのロングインタビューがまたミッチリ詰まってていいんですよ。何が詰まってるって、ナムさんへの愛です!!
Lee Seokjun:撮影監督
JNKYRD:音楽監督・プロデューサー
Sehoon:A&R(制作・プロモ統括)
Subin:データ整理・記録
MAHITO:ヘアメイク
「BTSのRM」をあまり知らない層がナムさんの虜になっていく様子が窺えて、ARMY全員必読!って言いたくなりました。
読んだARMYは皆、「そうでしょう、そうでしょうとも!」とウリリーダーを自慢したくなったんじゃないかしら( *´艸`)
構成
映像は、2023/02/08の打ち合わせから、2023/11/10のアフターパーティまでの9か月間。
時系列は前後していて、「いつどこで何と言った」と定点観察的に変化を追う記録物というより、映画全体で「2023年のナムジュン」を描いてる雰囲気。
映像に声を被せている部分があったり、Teaserの言葉も途中抜粋されたりしているので、会話の全体像が若干分かりづらい部分があります。
カットが切り変わってる部分は、繋がれてる可能性があると思った方がいいかもしれません。
下は映画のTeser系プレイリスト。上が公式で、下が日本公開してるavexのサイトから私が拾ったものになります。
ちなみに、登場人物やTeaserの内容はここにまとめています。
感想
映画の開始は夕日から。
フィルムチックな画面で、色々な撮影風景が切り替わる様はコラージュのよう。後で思い返すと、映画全体がそういう作りだったように感じられます。
K-POPスターにとっての30代とは何だろう?
「君もできる」がK-POPのエネルギーだけど、無難な言葉や音楽ばかりだよね。ネガティブなことや個人的な側面を曝け出して、話せる人間が必要だと思う。
僕は変わり続ける。「RPWP」は、この業界にいる自分について考えた言葉だ。
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2023/02/08 打ち合わせ
作業室で、サンヤンさんと話し合ってるナムさん。
ここでの長い話が、この映画の基調になっているようで、ここのシーンは度々出てきます。
Trackごとに違う話をしたい。愛の話をするかもしれないし、仕事の話をするかもしれないし、人と人との関係についてかもしれない。正しい人が違う場所にいる感じ。それぞれの曲に違う自我があり、10の違う話をする。それが集まって「Right Place, Wrong Person」になる。
そう提案するナムさんの意見に、サンヤンさんが賛同しています。
さあ、アルバム制作を始めよう、と意気込む2人。
「冒険の始まりだ」「ゴール・D・ロジャーのように!」って笑ってます。ここで「ONE PEACE」かましてくるかw
ちなみにサンヤンさんも別のインタビューで「ONE PEACE」を例えに出しているので、お互いそういうところでも気が合ってるのかもしれませんね。
ひとりまたひとりと、麦わらの一味(著・尾田栄一郎による漫画『ONE PIECE』に登場する海賊団)のように、愉快な仲間が集まりました。
チームのみんなとお寺でトレッキングをした時、道に迷ったことがありま した。その時思わず「I think we're in the wrong place」と言ったのですが、サンヤンはそれが面白かったみたいでメモをしていました。
その後ソングキャンプでアルバムのタイトルを決める際、いくつかのアイデアを考えて「I think we're in the wrong place (僕たちは間違った場所にいると思う」から「Wrong Place(間違った場所)」を抜き出して、タイトルにしようと思いました。だけど何か物足りないと感じ、結果「Right Place, Wrong Person (正しい場所、間違った人)」としました。
今周りで事件や事故が起きているし、入隊前でもあって、自分の中で価値観がぶつかり合っています。『Right Place, Wrong Person』では、それに目を向けて、今起きていることをどうにか残してみよう、記録しておこうと思ったんです。
パンフレットP61の絵を見せ、指さしながら「こういうのをやりたかった」って話してます。
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2023/04/25 『Come back to me』打ち合わせ
落日飛車の國國さんから聞いたというシーシュポスの岩のエピソードに、自分を重ね合わせているナムさん。
押し上げた岩は転がり落ちて、自分に戻ってくる。愛や苦しみ、それらは永遠に繰り返され、僕に跳ね返ってくる。
色んなことが繰り返し起きても、人が来て去ったとしても、それをまた押し上げる。大丈夫だ、全部僕のところへ来い。とにかく迷わず僕のところへ来い、繰り返される全てをありのまま受け止めてやる、という気持ち。
ここで、「解脱?(サンヤンさん)」「循環……そう、解脱(ナムさん)」という会話が入っていて面白いです。輪廻を連想したんですね。
アジア圏以外のARMYにはどう伝わったんでしょう。こういう時、多国語字幕読みたくなるわ。
「テーマに合う」と頷いているサンヤンさん。
このエピソードを聞いて、『ON』の歌詞を思い出したARMY、多いんじゃないかと思いました。
모두 내 피와 살이 되겠지
Bring the pain
すべては俺の血と肉となるだろう
痛みを連れてこい
ちなみに、ナムさんの『ON』解説はここ(2020/2/21リリースの「MAP OF THE SOUL : 7」収録)。
『ON』のタイトル案はグクの何気ない一言からで、歌詞はジミンちゃんの「持ってこーい!」っていう口癖を思い出して書いた話。
2023/05/07 『Come Back To Me』レコーディング
オヒョクさんがギターを弾いて、テンポなどを確認しています。
ここの会話から、この時点で22人のスタッフがいることがわかります。初期にしてはわりと多い気がしましたが、曲ごとにコラボ相手も違うし、妥当なラインなのでしょうか。
大きな夢を持つことが大事だ。それを信念に生きてきたような気がします。
これから僕はどんな語り手になるべきなんだろう。それをまず考えました。
自宅を離れるとコンディションが落ちる気がして心がすさむのも、自分が弱いようで気に入らない。どこでも寝られるようになりたいです。
なのに今は、守りに入って環境を整えて、そこから出ないようにしている気がする。(溜息)
逆説的に、ナムさんは枕が変わると寝付けないタイプ、ということが確かめられる言葉。って受け取るのその情報で良かったのか、私よ。
いやー、2014年のバラエティでも、寝る前に神経質になる話してたの思い出して。人ってそう変わらないものですね。
「RMが一番神経質になるのは?」は「寝る前」で二人とも正解。
ちょっとでも物音がすると気になって、「やめてくれ」って言ったりするそうです。「その代わり寝た後がうるさい」って弟にバラされてますw
映画館では違和感がないんですが、後から思い出して再構成し読み返すと、どういう流れでその話をしてるのか不明、というシーンがちょいちょいあります。
いわゆる「何言ってるかわからないけどいい話だった」現象。って私が勝手にそう呼んでるだけですが。
この記事そういう部分多くなりそうですが、とりあえず「考えるな感じろ」理論で各自対応をよろしくお願いします。丸投げした(/ω\)
レコーディングの時は、二人とも緊張していました。
オヒョクは他のアルバムに参加した経験がなく、ボーカルのディレクションも初めてでしたが、自分なりに説明したようです。ナムジュンも、ディレクションを受けるのは初めてだったと思います。
雰囲気はお祭りでした。(落日飛車の)國國も来ていて、ウィスキーを飲んでいました。アルバム制作が始まるんだな(という感じがした)。
2023/06/11 『? (Interlude)』打ち合わせ
韓国のミュージシャンに頼もうか、それともDOMi & JD BECK(ジャズデュオ)に?という話が出ています。最新アルバムのスタイルが似ていたそう。
『Come back to me』と『Heaven』の間くらいに置こう。
『ㅠㅠ (Credit Roll)』のようにアルバムの流れとしても大事だけど、この曲としても独立した生命力を持っていてほしい。
居酒屋で、音楽談議に盛り上がっているTeam RM。
K-POPボーイズグループとして経験してきた「音楽」とはまた違う世界と出会い、興奮を隠せないナムさん。
音楽をやって来て、こんな話は初めてです、ここをギターにするか、シンセにするか、ベースラインを変えるか……音楽についての根本的な話をしています。初めて見た気がします。ずっと忘れてたんだ。
いつもは、コンセプトを決めて、歌詞を書いてディレクションをして、それから振り付けやインタビュー、バラエティの準備などに追われて……何故なら、それがK-POPの大半だから。
でも今は音楽について話しています。ここはギターを外して、ここの音色はもっと低く出したいとか、そういったサウンドについて。
久しぶりに、音楽に関する根本的な話し合いをしています。
同じことを、Weverseのライブ配信でも言っていました。
最近は、実際に音楽をどうやって作るのか、初めてどうやって作業するのかを学んでます。17年間音楽を作って来たんですが、最近すべてのことを忘れてしまって、新しいものを作ってます。初めて最初から作ってます。
一緒に作業をしてきて知ったことですが、彼の過去の作業は非常に閉鎖的な環境でした。1人でレコーディングすることが多く、共同作業は苦手だったと。
僕はそれを1つ1つ変えたかったし、共同作業にしたかった。
僕たちは、多くの壁を乗り越えることができると思います。そのプロセスは大変でも、きっと彼の助けになる。このプロジェクトも、彼に必要なプロセスだと思いました。
ここを聞いて、「おっ始まったか」と身を乗り出しました。
ナムさんというプレイヤーを中心に集まった、「Team RM」。その中心にいるのが、バンド「Balming Tiger」リーダーのサンヤンさんです。
Balming Tigerには多くのユニークな側面があるが、本稿で言及しておきたいのは、彼らが作曲や編曲はもちろん、MVの制作、A&Rなど、一般的なミュージシャンならレーベルや外部のクリエイターに任せる部分まで自分たちでこなしてしまうハイパーDIYなグループであること
曲を丸ごと手作りしてきたサンヤンさんには、システマチックで大量の人が関わる分業制の曲作りが、箱の中の世界に見えたのかもしれません。
彼の言葉には、そこからナムさんを出してやりたい、自由に息をさせ、一緒に音楽を作る楽しさを分かち合いたい、そうしなければダメだ、という強い気持ちを感じました。
私はそれを見て、「わあ本題に入って来た!」と興奮もしましたが、同時に「おっと、これは若干物議を醸しそうな気配!」と警戒もしました。
サンヤンさんの思いは、ある意味自分たちがやって来た音楽への誇りと、キム・ナムジュン個人への愛から出ているものと理解できますが、この発言は微妙です。
何故ならサンヤンさんの発言は、意図はどうあれ、彼がナムさんを連れて行きたいと思っている方向と、今までナムさんがバンタンやARMYと共に歩んできた道を対比させているように取れるからです。
下手をすると、音楽家個人としての充実と、K-POPアイドルとしての役割とを二択化してしまい、どちらを選ぶか迫る結果になりかねません。
まあ、万が一そうなってたら先に観てる海外ARMYが暴れてるでしょうから、そういう話を聞いてないということは違う展開になったんだろう、と予測はしましたが。どういう判断の仕方だ。
個人的には、音楽に「正しいやり方」はないと思っています。サンヤンさんが自分の音楽を愛するように、他の人はまた違うやり方を愛したり受け入れたりしているでしょう。
でも、ナムさんはどう思うのでしょうか。サンヤンさんの指し示す道を受け入れるのでしょうか。新しい世界を前に、彼は自分の辿ってきた道をどう振り返るのでしょうか。
この時点で、映画への興味が「サンヤンさんはナムさんを変化させるのか」にロックオンされました。
と同時に、自分の中に「ナムさんはどうするのか」だけでなく、「これを見たARMYはどう反応するか」という視点が生まれているのも感じました。
どっちも興味の対象なんですよね。自分も一応ARMYなんですけど。
2023/06/15 『Groin』レコーディング
まだ髪が長いナムさんに、キム・ハンジュさん(SILICA GEL)が歌い方のアドバイス中。
2時間以上歌い続けたようで、ナムさんが「声が枯れた」と言っています。
レコーディング時、ナムジュンのハードウェア(喉や声)は個性的なので、そのまま発展させたかった。彼は僕についてきてくれて、僕以外のPDの意見も受け入れてくれ、ボーカリストとして良い姿勢を示してくれた。
おかげでいいレコーディングができました。
話が反れますが、ナムさんがさっさと坊主頭にしたのは「暑かったから」だそうです。2023/7/4のインスタに、散髪してるっぽい写真が載ってます。
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thv「솔직히 너무 귀여운거 아닙니까」
thv「쓰다듬어 주고 싶은 머리네」
rkive「@thv 북북북 1회권 드릴게요」
テテ「正直、めちゃくちゃ可愛くないですか?」
テテ「撫でてあげたくなる頭ですね」
ナムさん「@thv 頭を撫でる1回分の権利をあげますよ」
このColdeさんとの動画が公開されたのが2023/7/5なので、このあたりが長髪ナムさんの見納め時期でしょうか。それにしても、このナムさんは大型犬みあってかわいいですね。和む( *´艸`)
2023/07/08 『Around the world in a day (feat. Moses Sumney)』レコーディング
JNKYRDさんと録音した歌を聞き返しながら、歌詞を手直ししているナムさん。
ここは「And」より「Yet」の方がいいね、「確かに間違いだけどそれが僕らの願いだ」で意味も繋がるし、という話をしています。最後の最後まで直し続ける姿勢やよし。
What's wrong is right Yet it's our design
2023/06/17 BTSフェスタ
2023 BTS FESTAのラジオ企画ステージ。この時、「RPWP」撮影班も来てたんですね。
この映画は人物説明のないドキュメンタリーなので、ナムさんのBTSとしての側面を見せるためFESTAのシーンを入れた、とインタビューで監督が話しておられました。
映画内でRMさんがBTSのRMとして仕事をする時の姿を見せることがとても重要でした。RMさんとナムジュンさんという人物の間に対比を見せることで、「RPWP」プロジェクトを通してRMさんが自身を探究していく過程自体も注目されるだろうと思いました。
ARMYを装ってグクが電話してきた時のやりとりが映っていて、この映画の中では数少ない「BTSのRM」としての顔が見られるシーンです。
ナムさんが水上タクシーに乗って会場へ移動しながら、遠くからも響くARMYの声に「予想してた」と苦笑してます。
「楽しくやろう」と言うナムさんは頼もしくて、ここはここで彼のホームグラウンドなんだなと感じさせられます。Team RMの方が、居心地が悪そうw
パンフレットのロングインタビューで、監督がこの時初めて「BTSのRM」としての姿を見たという話をされていたのが、印象的でした。
アーティストとしてのAMさんを実感したのは、むしろ時間が経った6月頃、BTSの10周年の時だったと思います。たくさんの人混みの中でイベントを進行し、公演をするRMさんを見ました。ファンの前で公演をしているRMさんは、すごくプロフェッショナルで、余裕があって、アーティストとしての経験や力を強く感じました。多くの悩みの中からプロ意識が生まれているなと感じ、かっこいいと思ったエピソードでした。
ナムさんがTeam RMのメンバーと知り合っていった切っ掛けは、Balming Tiger の『SEXY NUKIM』にフィーチャリング参加した時だそうです。
Omega Sapien: これまでBalming Tigerの曲でフィーチャリングを入れたことがなかったのですが、「SEXY NUKIM」の曲を作りながら何か足りないと思い、初めてフィーチャリングを迎えてみようかとなって。San Yawnさんが候補としてRMさんを挙げた時、「いやいや、もっと現実的な人にしないと...」って思ったのですが(笑)、San YawnさんとBTSのプロデューサーのSupreme Boiさんは大学の同期で、彼を通して提案したところ、何とRMさんが快諾してくださったんです! 僕たちも本当に驚きました。
2022/8/24に彼らのコラボが公表されたという記事がありました。
涙の防弾会食が同年6月なので、彼らは基本ソロ時代のナムさんとお付き合いしてきたと思われます。
ピアスやメイクをして日頃見慣れたものとは違う姿になり、たくさんのファンの歓声を一身に引き受けて進行していくナムさんの姿は、Team RMの目にはどう映ったんでしょうか。
キム・ナムジュンコールに見送られ、水上タクシーの上で「照れるよ」と笑いながら手を振り返しているナムさん。
私たちが見慣れているのはこっちの姿なのですが、この映画の中では若干の違和感を覚えますね。不思議。
約10年ぶりに何かが変わったけど、今記録しておかなければ、兵役後では勢いを失うと思いました。
そう感じなければ、多分スタートしていなかったと思います。
船はもう出港して、もう戻れない。ここに来た時、自分がどこに向かっているのか分かっていると思ったけれど……違ったのかな?
2023/05/16 『Heaven』打ち合わせ
僕たちは揺れているけど、この話はキム・ナムジュンにしか話せない。
これは、”キム・ナムジュン”という人間のディスコグラフィーの始まりなんだ。今どう始めるかによって、そこから君が進む道も変わってくるだろう?
そういう話ができるのは君だけだ。君はオンリーワンだから。
ひとつの塊が、その塊の全てが、君なんだよ。こういうのが、君の人生で初めてだよね、今。
この映画に収録されているサンヤンさんの言葉を聞いていて、へえと思うのが、「全部の言葉がナムさんを通して出ている」ところですね。
バンドのリーダーとしてここまでやって来た以上、彼も相当我が強いと思うのですが、よくこれだけナムさんに注ぎ込めるなと、ある意味感心しました。
ナムさん自身がそうしたくなる魅力や、注ぎ込めるだけの器(理解力や表現力、BTSとしての一種の権力=実現力も含めて)を持っていたということなのでしょうか。
「こいつは俺よりでかい」と感じ、この魅力的な素材を使っていかに自分の描きたいものを表現するかに燃えた的フィクサー説展開だったりすると熱いですが。
残念ながら、今回の映画ではサンヤンさんはかなり黒子に徹してしまってるので、あまり自分を前に出しておらず、そういった内面は窺い知れません。
パンフのロングインタビューも回答していない徹底ぶりなので、意図的だと思います。どこかに面白いインタビュー落ちてないかな( *´艸`)
ナムさんはナムさんで、今がタイムリミット付きの時間だということを理解し、全力で今できることをやり切りたいと思っている様子。
次はいつこれだけソロに集中できるかわからない。これだけ1つのことに集中するのは初めてだ。
アルバム作成の合間に、人の少ない奥地(Weverse Magazineによると華川のビスグミ渓谷)へ遊びに行っているTeam RM。
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JNKYRDさん「ボーカルの効果が残ってる感じがする」
ナムさん「そうだね」
JNKYRDさん「終わって残念」
ナムさん「余韻が残ってる」
JNKYRDさん「いい曲だね」
ナムさん「誰の曲かなw」
広がる草むらに寝そべり、できた曲を聴くナムさんとJNKYRDさん。
河原でたわいない話をし、つかの間の休暇を楽しむTeam RM。
車窓の向こうに広がる川、それを輝かせる少し乾いた日差し、失った夏の日の思い出のような、美しい光景です。
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すごく奥地で、幸せな時間を過ごしました。僕が肉を焼きすぎても、誰も気にしない。貴重な経験です。バカな話をして、遊んで、食べて。
唯一の休暇らしい休暇。最初で最後の休暇を過ごせました。
今回の映画、ナムさんの言葉の中で時々出てくるのが、「誰も僕を気にしない」です。
非常に長い間、カメラや視線に囲まれて生きているバンタン。それを見せARMYと分かち合いたいと願った思いも、常に注目されるが故のプレッシャーも、記録され残る過去の自分に悩まされる気持ちも、どれも真実の感情なのだろうと思います。
ここでナムさんが休暇を心から楽しめて、本当に良かったと思いつつも、「お肉を焼きすぎたんやな……」と心にメモったARMYはたくさんいると信じていますw
アルバム制作は具体的に進み、佳境へ。
2023/08/02 日本で水島貴大と撮影
情報公開された時イルアミが立ち上がりまくった、日本撮影!
タクシーの中で寝られなかったよ、眠いとワイワイ話しながら、夜の街中を移動する一行。
次の日は駅前かどこかに集合して、「町、川、海を撮りますが、まずここで町を撮って、川まで歩いて……」と撮影プランを説明し、いざ出発。
歩道橋の階段や線路際など、色んなところで撮影していた様子。
ピンクの花の下に立つナムさんに、「かわいいから撮りたい」って声がかかってて、そうでしょ!?って立ち上がりかけました(*ノωノ)
東京の郊外で、廃屋や公園を探して歩き回り、メイクも適当なまま撮ったけど、その時が一番楽しかったです。
浴槽に入り、温泉にも行き、美味しいものも食べました。あの時、サンはコロナにかかっていました。
東京ではメンタルも安定していたし、喉も異常がなくて、幸せでした。順調なプロセスだったとは言えないけど、あれほど穏やかな時があったでしょうか。この先何が起きるかも知らず、ただ幸せでした。また行きたいです。
夜の河原での撮影時、大きな月が重たげに輝いているのを見て、興奮する一行。「CGみたいですね」って日本語で言ったの、ナムさんかなあ?
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食事シーンの撮影。山盛りの枝豆とカレーを前に、若干緊張しながら参加するTeam RMメンバー。
「楽しい会話を演出する?」って緊張をほぐそうとするナムさんに「こんなWrongな気分は初めてだ」って答えが返ってて、持ちネタにしてる様子。
「BTSを10年頑張ったら、日本の家庭でカレーを」ってナムさんがお皿持って笑ってます。
猫プリントの布やチャイルドシート付きの自転車、うつ伏せた公園のベンチ、四角い金属の浴槽、猫形の付箋や写真がいっぱい貼られた壁……。
撮影風景の合間に、「はい、出ます〜」と日本語も聞かせてくれて、サービス満点。
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流石に疲れて体力が落ちたらしく、「日本に来てお酒が弱くなった」と言っています。
水島さんが英語できなかったので、ナムさんがPapagoと日本語で意思疎通したよと言う話は、このライブ配信。(5:00~)
シーンが変わって、作業室のナムさん。マイクを握ってご機嫌な様子。あ、本気で喋る気だ( ゚Д゚)ゴク
最近、一言では言えないけど一喜一憂することが多いです。僕は付和雷同と二枚舌のアイコン(象徴)です。
ある時はHAPPY、ある時はBAD。君を愛してる、でも嫌い。会いたい、でも顔も見たくない……色んな相反する気持ちが生まれます。個人的なことや、仕事や軍隊についてなど、僕の人生には色んなことが起きていて、その度一喜一憂させられます。
昨日、サンが電話をしてきました。彼の電話の用は2つしかありません。外出の誘い――遊びやお酒か、あるいは僕を心配してのアドバイスです。
ナムジュナ、最近の君は急発進と急停車しかないんじゃないかって言われました。
僕自身は、全力で突っ走るか、急に止まるかの象徴みたいなものじゃないですか。でも、BTSのリーダーとしての役割が、その性格を抑える助けに少しはなったと思うんです。
いつも自分に言い聞かせていたんです。「バランスに集中しろ。バランスが大事だ。永遠や普遍性を追い求めよう」って。
もちろん、これらも僕の一部です。この感情の浮き沈みが激しい自分も、確かに僕自身ですから。だから、そんな『僕』をどうすればいいのか……この『僕』を?
僕を守ってくれるメンバーがいない。もちろんTeam RMはいるけど。But still……
今運動した後でハイだからふざけてます。今日は落ち着きます。落ち着いて、チルになる。監督、笑わないでくださいよ。落ち着きますから。
とりあえず、何をさておいても「僕を守ってくれるメンバーがいない」は心に刻みました!!
箱推しARMYですから、彼らから時々ポロっと出てくるメンバー恋しさの欠片を拾い集めて、大事に溜め込んでおります。
ちなみにこのくだりの頭、ナムさんがテンション高く「nevertheless!」とか合いの手挟んでるあたりは、韓国の피식대학(ピシク大学)というお笑いグループのネタらしいです。
「Are You Sure?!(イゲマジャ)」といい、世界規模で配信される映像に韓国ローカルミームぶっこんでくるバンタン、愛してるけど惑わされるwww
상체에만 1300만원 두르는 04년생한테 느낀 상대적박탈감과 그를 사랑하는 감정이 섞여서
— hisa♡ (@sahisahigo) June 17, 2022
나지금 피식대학아저씨 됨..
난 니가 참 좋아
근데! 니가 너무 싫어
하지만! 널 사랑해
그러나! 널 미워해
however! 널 갖고싶어
but! i hate you
nevertheless! 너와 평생 함께하고싶어
진짜.. 내마음은 뭘까? pic.twitter.com/d57BY1RyXq

心が行ったり来たりしていたようです。
「これをするためにBTSを10年やってきたんだ」という日もあれば、「これでいいのかわからない」という日もあって、気持ちが大きく揺れ動いていました。僕にそう話してくれました。
そんな迷いのある彼の姿は、傍から見ていると面白かったんです。
今まで彼は自分のやり方で生きて来て、高いステータスに辿り着いた。そんな人が、他人の道を辿るのは厳しいじゃないですか。ナムジュンもそれが簡単だとは思っていませんでした。
自分を白紙にして何を伝えたいか、何を我慢してきて、何を言いたいのか、それは瞬時にわかるものではないと思いました。
「迷いのある彼の姿は~」っていうのは、何となくわかる気がしますねw
ここのサンヤンさんのセリフからは、ナムさんにはナムさんの経てきた道があり、自分が指し示すのは「他人の道」だということを理解している様子が垣間見えます。
しかし、前のセリフとは思い描いている光景が少し違うようにも、感じられます。
ここでは「道」が、音楽の作り方や作業の分かち合い方ではなくて、この後ナムさんが本格的に語り出す「正直さ」に移行していないでしょうか。
私たちが知らない間にステージが進んでいる予感! 早!
因みに一喜一憂の話は、Weverseでも近い話をしています。
この時のナムさんは兵役を前にナーバスになり心が揺れている様子が全面に出ており、「人前でこれだけ全力で迷えるのはすごい」と変な感心をしました。
混乱中って思い乱れて言葉にならない人が多いと思うんですが、ナムさんはものすごい力でアウトプットしてくるので、うっかり巻き込まれると轢かれて死にそうです。
自分がまだ若く心が柔らかな時期に轢かれていたら、こじらせただろうと思います。ユンギとは違う方向で、青少年に与えると危険。
多くのことが悲しいのに喜ばしく、喜ばしいのに悲しく感じられます。
昔の僕が言った言葉や映像を見て、ひとりで照れたり、今ではすっかり記憶が薄れてしまったことを惜しく感じたりします。
その鈍感さが寂しく、不思議で、自信があったり、なかったり…そういう感じです。ただ、こうして今ここにいたいのだと思います。
2023/08/20 『Out of love』レコーディング
最大の難関と形容してて、難産だった様子が伺えます。
レコーディングの場でもまだ「Scriptは悪くない。発音もいい」「fxxking fearじゃなくて……」と言葉選びに悩んだり、何本もある(No.的に、少なくとも19はある様子)デモを聞き返したりしています。
「全体的に満足? いまいち?」
「納得できると思う」
周りのメンバーも迷うナムさんを見守りつつ、「幼さが抜けたね」「発音は今の方がいい」「ここはコンプを入れたら安定するから、今くらいのダイナミックさで」と、語り合っていて、それぞれが自分の仕事をゆるく共有しながら共同作業をしている空気が伝わってきます。
「1箱のタバコ(I'm just a pack of cigarette)」と書いた理由は……タバコや蝋燭は自分を燃やしてなくなりますよね?
僕を燃やしてなくす、そこから『Out of love』に繋がるんです。
この曲を歌うには、その瞬間を切り取る必要があります。
僕は楽天的ですよね?
嫌いな人も多いし不満も多いけれど、人の愛すべき点をすぐ見つけられる。
ナムさんの環境だと、皮肉屋になったり人嫌いになったりしても致し方ない側面があると思いますが、彼は人への興味を失わないんですよね。私はそういうところに彼のタフさを見ます。
他人の嫌な面を見ないようにするんじゃなく、多分めっちゃ見まくってるだろうのに、そう言えるところが強靭だと思います。
ただ、この人はこの人で、何故か芯に大らかなものを感じます。
ジン君の場合はそれが「愛された人の図太さ」なのですが、ナムさんの場合はもっと素朴な呑気さがあるように見えます。
普通これだけ悩めばカリカリしそうなものなのですが、「虫取り少年の無頓着さ」みたいなものが中心で胡坐をかいているため、不思議とそこまで神経質さを感じません。
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打ち合わせ中、ウィン・シャさんに、アルバムジャケットやMVスチールを頼めるかな?という意見が出ています。
ナムさんとのコラボを持ちかけた時といい、「無理だろ」って最初から気後れすることなく、やりたいものを上から取っていくスタイル、前向きでいいですね。
2023/09/22 ウィン・シャとの撮影
映画『シャイニング』のような、不思議な古いホテルで、ウォン・カーウァイ監督のポスターを撮ったウィン・シャと丸刈りの僕が撮影したのも不思議で楽しかったし、空間も良かった。映画の主人公になったような気分だった。
ウィン・シャさんとのコラボは早速実現したらしく、撮影日。
青い空を背景に、吹き抜ける風がシャツの裾をはためかせてます。ナムジュンのヘソは地球を潤しますわね、アミヨロブン!(=´∀`)人(´∀`=)
ちなみに、私が見てウィン・シャさんとの写真が一番載ってるっぽいと思ってるインスタ投稿はこれ。
いつもこう考えてる。人生はバランスが大事だ。それは綱渡りによく似ている。バランスを取れる人が一番カッコいい。
相手を鋭く突きながらバランスを取るのは、一番難しい。
絶対的な白黒より、素敵なグレーゾーンがあるんじゃないかと思ってる。そう思って、ずっとやって来ました。
自然にそう思いましたし、それが僕の価値観でした。極端に突き進まず、愛し愛されながら長く続けられる秘訣はそこにあるのかも。
世の中は芸術家なら「青」や、例えば「真っ赤」「真っ黒」であるべきだと言うかもしれない。いいとこどりだと言われるかもしれないけど、曖昧なスタイルも悪いことじゃない。
何かに定義されないということは、逆にどんなものにでもなれるということ。それこそが、僕たちが願っていたことなんです。
どんな経験やストーリーと出会うかで、その時やりたいことができる。あちこちドスンドスンとぶつかって前へ進むような、あてもなくジグザグ進むような旅路だと思います。
バランスの話は前も出てましたね。ここで、ナムさんが「カッコいい」という形容を使うのが、興味深かったです。
何故かというと、K-POPアイドルとしての価値観の中で、「カッコいい」という形容は最上のものを示しているように感じられるからです。
それだけ、彼の中でバランスを取ること、極端に走らず中庸を守ること、は比重が大きいのだと思いました。
そこに「相手を鋭く突きながら」が入るところに、バランスは取るけど切り込む姿勢は捨てないという立ち位置が窺え、ラップラインらしいなとも感じます( *´艸`)
「何かに定義されないということは、逆にどんなものにでもなれるということ」という発言も興味深かったです。自分が愛しているバンタンの柔軟性や安定感の理由はこれだろうか、と思えたからです。
自分はこうであるという定義づけは、時に本人を縛り、身動きを取りづらくさせますが、彼らは英語曲の採用にせよ、多彩なソロスタイルや音楽ジャンルにせよ、「これがバンタンだ」というスタイルに拘りすぎることなく、新しいものを選択し見せてくれます。
私は彼らのそういうところが好きです( *´艸`)
この時、ナムさんが何を指して言っているのかは明確に発言されていないのですが、最後で主語が「僕たち」になっていますし(という記憶)、「愛し愛されながら長く続けられる秘訣」は特にソロ期に入ってからのバンタンが何度も気にし、形を変えて問い続けてきたことなので、BTSを念頭に置いて話してるのかなと思いました。
日本語は主語を省くことも多いので目立たないんですけど、バンタンメンバーはバンタンとして話す時の主語が「We」で、いつも「僕たち」率高いなと思ってるんですよね。
この映画のナムさんは自分自身に集中しているようでいて、端々からバンタンとしての立ち位置からの視点を出してくるので、それだけ心身に染みついてるんだろうなと思いました。
2023/10/01 『Around the world in a day (feat. Moses Sumney)』打ち合わせ
僕は、自分の感情や気持ちに疑いを持っています。
入隊が近づいているのに方向性を決められなくて、自分を信じられない状況でした。
とても不安定だけど、それを自覚してトリップ(訳注:文脈的に「つかの間の冒険」)を楽しみたい。
でも、僕は不安定さは楽しめない人間なんです。
習性は捨てられない。今までやってきたことはちゃんと終えたい。
期待してくれた人たちがいます。期待という言葉じゃ足りない。心と時間と誠意を傾けてくれた人たちの気持ちを、無駄にしたくない。
それだけじゃない。僕も自分勝手だし、僕のため、僕の未来のためでもある。ここでは大変だけど、昔よりいい。共有できるから。一緒にやっている人とこういうことを正直に共有できるのは、大きな変化だと思います。以前はできなかった。
僕は今まで7人のうちの1人だったから、任せてしまえた部分もある。一緒に何も考えずに走ろう、どうせ上手く行ってるんだからって考えたこともある。でも相当抱え込むことになって、完全にはできなかった。
「期待してくれた人たちがいます」は、ARMYのことを念頭に置いて話しているように感じました。文脈的には、会社やスタッフなど諸々の関係者が含まれるだろうけど、この言い方はARMYかなという印象を受けます。
これは私の妄想ですが、バンタンがARMYの話をする時の声音には、独特の切なさ、近しさ、思い入れがあるような気がするんですよね。
ここの言葉は、思考の過程という感触がありますね。
まだ結論に辿り着いていない感じ。糸でつなぐ前にビーズを並べてみるように、浮かんだ感情や考えを全部挙げてみている印象です。
だから、聞いた人によっては不安になるかもしれません。
基本的にARMYは「BTSのRM」が好きだから、ナムさんが変化することは受け入れても、「BTSのRM」を否定したり後悔することは受け入れにくいと思います。
そういうことに敏感な人は、「昔よりいい」「7人のうちの1人だったから」に引っかかり、「1/7のメンバーであることは、彼に取っては嫌だったのだろうか」と不安を感じたかもしれません。
でも、ナムさんは別に後悔はしてないと思います。そういうことがあったと言っているだけです。
この認識からナムさんがどういう結論を出すのか、それはまだ先です。
ちなみに私はこの言葉を聞いて、「別の役割を担ってみて、改めて過去の自分の役割を外から見返したんだな」「彼の中に、また一つ複層構造が増えたな」と思いました。
心配しなくても大丈夫じゃないかな、愛は増えても減らないから。
ナムさん「そんな人にはなれそうもない」
出演者「そう?」
ナムさん「では決めないでおきます」
出演者「君はもう正直な人になってると思うよ」
彼は、自分の中で多くが変化した経験をしていると思います。このアルバムやプロジェクトで人に出会って、多くのことが変わった。
ナムジュンの側で、彼ではない人間として見ていたものの立場から言うと、いつかこの渦の外へ出て振り返った時、「あの中で生き残った、大きな変化を乗り越えた」と思うんじゃないかと。
最初の頃は、ナムジュンを変えようと思いました。「これが正しいからこっちへ来いよ」「それはだめだ」「こうしてみろよ」と……。
でも今は、彼の道連れになることが僕の役割だと思っています。道を間違えても、他人から見れば遠回りになったとしても、「いいじゃないか、ダメなら戻ればいい」と言える人間が必要だと思ったんです。
来た!!と思いました。個人的には、ここが映画のハイライトです。
自分の音楽とキム・ナムジュンを愛し、彼に自分が最善だと信じる道を案内したいと願っていたサンヤンさんが、ナムさんから少し手を離し、彼の行きたい道を信じて寄り添う選択をしたように見えます。
ARMY的に言うと、サンヤンさんもようやく「やりたいこと全部やって」の境地へ辿り着いたか、的な感慨を覚えますねw
この展開をある面から見れば、エゴvsエゴの戦いでナムさんが勝った、とも言えるように思います。
彼の自我は、サンヤンさんの信念に飲み込まれて新しい道へ連れ込まれるほど脆くなく、逆により深い愛に彼を引きずり込んで自らの守護者に変えてしまった。そんな物語として、読むことができるのではないでしょうか。
私は子育て中なので、「愛と支配」に敏感です。自分が子供を愛しながら支配していることを知っているからです。まあ、自由にさせたら死にますからねw
誰かのために何かをしてあげたい、という気持ちは、簡単に相手への支配に結びつきます。サンヤンさんの最初の発言は、そういう視点では危うさを感じました。
ナムさんの世界が窮屈だっただろうという点は否定しません。
「Team RM」と経験した新しい環境、自分達の手で作り上げる自分の音楽、親密な関係、あふれる自由。かつてバンタンと過ごした日々すら思い出させるそれらの要素は、きっと強烈な美しさを放ち、彼を魅了しただろうと思います。
もしナムさんがもっと弱ければ、変な表現ですが洗脳されたのではないでしょうか。
でも彼の「我」はそれほど脆弱ではなかったのだろうと、私は思います。
極端なバッシングや称賛を浴び続けながら、なお人前に立ち表現する道を選ぶナムさんの自我は強靭で、10年かけて築き上げた「グループを長く続けたい」「ARMYに何かを返したい」という意思はそう簡単に揺らぐものではなく、彼自身を形成する一部になっているのだと感じました。
この日のシーンの最後は、髪を染めているナムさん。あ、坊主頭が金髪になりますね( *´艸`)
2023/10/22 『クレジットロール』撮影
チームで仕事をしていた時にも感じたのですが、BTSがやっていたプロジェクトが大規模のものだとしたら、これは小規模なハウスブランドみたいですよね。インディーズ映画のような。
ひとりきりで、自分の声を聞かせ、自分だけのものを探そうとした時は孤独でしたが、そうならずにすごく充実した時間を過ごせました。
それに、小規模な自社ブランドの良いところは結束が強いところじゃないですか。密度も高い。
BTSも最初はそうでした。だから大変だったけど、美しかった。今のTeam RMもまさにそうだと思います。
2023/10/24 『Groin』MV撮影
トンネルで撮影してるんですが、貸し切りとかではないようです。「人が通るから急がないと」って言ってる傍から足跡が響いてきて、「早く来ればよかった」って苦笑しています。
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「色んな経験をしています」って言いながら普通にサイクリング中の人達が通っているのを待ったり、避けたりしてますねw
糸目で笑う夕闇の中のナムジュンが愛おしくて、爆発するなどしました。
この映画、ナムさんの横にずっとサンヤンさんがいますね。まるでもう1つの自我のような寄り添い方だと思います。
最初は、等身大のRMを撮りたかった。
皆リラックスしてたと思います。好きに体を動かして、好きにやってもらって……おかげで今まで見たことのない、皆がTVやネットなどで知っている姿じゃない、キム・ナムジュンの一面を記録できたように思います。
こう言うと大変失礼かもしれませんが、このシーンは超癒しでした。MV監督のPennackyさんが日本人だからじゃなくて、普通の人の話し方だからです。この映画を観て来て初めて、「これだよこれ!」と安心しましたw
羊羹の雪崩に埋もれていた心が潤うわ……!
2023/10/30 『LOST!』打ち合わせ
MVの内容について話しており、MV監督のオーブ・ペリエ(Aube Perri)さんと「全然違う解釈ができました」「迷ってる感じ(ナムさん)」「ご参考までに伝えますが、人は好きなように解釈すると思いますよ。頭の中に入り込んでる」というやり取りをしています。
ナムさん、「迷った道が、その人の道なんです」っていい話してる感じがあるんですけど、スポ映像用のおかっぱヅラでウキウキしてる姿がかわいすぎて台無しだよ!( ;∀;)
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2023/10/24 ロージー・マークスとの撮影
ロージー・マークスによる撮影、と出てます。いつものメンバーだけじゃない様子。建物が広いですね。天井がすごく高くて、古い講堂みたいです。
猫とソファに並ぶ穴あきニットのナムさん、素敵!
そしてバイオリンの仮装してバイオリン弾いてるナムジュン、クソ面白いんだけど、何この落差www
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(上の、ロージー・マークスさんのインスタ参照)
この時、周りの人がめっちゃ振り返ってるわ、サンヤンさんは「僕の人生で一番いい撮影www」って笑ってるわ、というカオスな状況です。
その中で「落ち着いた雰囲気で」って冷静に注文してるスタッフと、笑わず対応してるナムさん何者( ゚Д゚)
撮影後にいじられたナムさんの「やるからにはやる」って返事に、プロアイドルの気概を見ました!
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ロージー・マークスとジャケット撮影をした時は、ウェイターになったり知らない人と食事をしたり結婚式の立会人になったり、色んな経験をしました。
一番記憶に残ったのは結婚式です。付添人の経験はなかなかできません。
ロンドンの真ん中で、誰も僕に気づかず、本物の結婚式だと思われました。撮影したあの場所は、特殊で異色な光景だった。文字通りWrong Place。
誰も僕を気にしない、パラレルワールドのような不思議な場所。それが一番記憶に残っています。
ごめん、一番記憶に残ったのバイオリンマンで……!
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少し怖いのは、このプロジェクトを4月から始めて、監督にお会いしてから、毎月色んなことが一気に起きましたが、でも少し時期が来たらすぐ忘れていってしまったことです。『Come back to me』のMVのように、現在過去未来が走馬灯のように流れ去ってしまう。
2023/08/03 D-DAY ゲスト出演
歯磨きしているナムさん。アイドルの気合は歯磨きから!
流れからするとこのシーンが出てくるのは当然なのですが、すっかりナムさんワールドに入っていたため、ちょっと驚きました。
「歌詞が聴こえないかもしれないけど、とことん冷静にやってみます」と言ってる時点であまり冷静でない気配のナムさん。「そこまでしなくても」と周囲から声を励まされ、「そうですね、力を抜いて」と答えています。
これを起点に、他の道を進んでいくという宣言。
公式的な宣言になるという気がしました。
宣言を読み上げる、そんな機会になるように思いました。
ここまでの流れで、一瞬「この ”他の道” って何を指しているんだろう」と考えてしまいましたが、普通に考えると、ARMYとの最後の舞台なので、別れと兵役への新たな旅立ちですよね。
沸き起こるキム・ナムジュンコールと輝くアミボムが、ナムさんを迎えます。
聴いてください。タイトルはありませんが、僕の大事な未発表曲を歌います。
ここの演出が変わっていて、印象的でした。
D-DAYのフィルムを借りたのか自分達で撮ったのかわかりませんが、ナムさんがステージに出ていく時はシネマクォリティの高解像度映像なんですよね。
でも歌い始めた途端フィルムライクなエフェクトがかかり、荒い粒子で顔もよく見えなくなるんです。視野=画角も狭くなります。
そしてステージを終え振り返った途端、再びクリアに映し出される場内。それに背を向けて立ち去るナムさん。まるで夢から覚めたようでした。
ステージでは意識して力を抜きました。公演の時、ステージの上でも下でも、力が入りすぎている姿は愉快じゃありません。
1年の間にフッテージ(訳注:映像やその素材画像)を見ましたが、ステージの下では頑張っていても、上では余裕を持ちたい。そんな気持ちでステージへ上がりました。
やっぱり緊張したけど、いい経験でした。これが入隊前の最後の公演ですから。
この時のことを語ったライブ配信がこちら。(3:40~)
顔は全然緊張してないですが、手があまりにも震えてて……よく見ると手が震えてこう(両手で指を組み合わせて)握ってるんです。
ステージに立つのがめっちゃ久しぶりで……不思議な経験。僕も人間だなと思いました。(中略)
国連でのスピーチ以来初めて、手が震えててコントロールできなくて。
2023/09/13 『Come back to me』レコーディング
音聞きながら、激しくエアギターをかき鳴らすナムさん&サンヤンさんw
落日飛車の國國さんもいますね。
高音部分を聴きながら、「この音が印象を決めるね。最初に耳に入る」と話しています。
ナムジュンさんは、所属しているチームがとても有名で、ビッグで、それがプレッシャーになっているのではないか、だからこそ彼には別の一面があるのではないかと思っていました。
実際に作業をして話してみると、彼はただ音楽が好きで、文化にとても関心を持っていました。キラキラ輝く少年のように見えて、とても好感が持てました。
ここの「キラキラ(반짝반짝 / パンチャッパンチャッ)」っていう言葉がやたらかわいいです( *´艸`)
ちなみに、この日の前日がナムさんの20代最後の誕生日で、Weverseに以下のようなコメントを残しています。
僕はできるだけ正直な人でありたいと思っています。
でも、ファンとアーティストという無形と有形の狭間にいる僕たちは、果たしてどこまでを越え、何にまでなることができるのでしょうか。
「愛」という優しい幽霊の下ですべてが許されるのでしょうか?
自己表現が弱点になり、正直さが傷になる経験を今もたくさんしていますが、まだその答えは分かりません。
(中略)
そうです。僕が音楽以上に美しい方法で正直になれるでしょうか?
それが分かっているのに、時々、それだけでは物足りないような気がします。
だからこそ、僕は防弾少年団になったのかもしれません。
いろいろな方法で自分を表現したくて。
2023/07/20 『Domodachi (feat. Little Simz)』打ち合わせ
すごいタトゥーの入ったMokyoさんと、手を打って楽しんでます。
2023/10/23 『Domodachi (feat. Little Simz)』レコーディング
スタジオで、リトルシムズさんとレコーディング中。
打てば響く感じで、めっちゃスムーズに音入れが進んでます。リトルシムズさんの、できる女感が頼もしい。
彼女に合わせて自分もラップを重ねてるナムさん、嬉しそうで大変かわいいです( *´艸`)
何かのインタビューに答えてる様子。
この時期をそのまま記録して、もっと正直に、率直に、ありのままの自分でいよう、って思ったんです。
それで実際には、このモードに切り替えたのはまだたった1年くらいなんです。彼らといると、毎日新しいことを学びます。
ようやく、自分自身で何かをやり遂げている感覚に、100%近づいている気がしてるんです。
「どうでしたか? トライした音楽は望んだものでしたか?」
彼らといると毎日新しいことを学びます。
15で音楽を始め、マイクとブームボックス(訳注:ポータブルスピーカー)を持って路上で歌っていました。
10年K-POPでやるべきことをやって、僕の役割である歌詞を書いたり、ディレクションをしたりしました。ディテールは気にしませんでした。プロデューサーもプレイヤーもたくさんいたから。
ソロを始めて、レコーディングからアレンジ、プロデューシングまで一通り関わりました。今は、ようやく自分のアルバムを作り上げたという感覚が大きいです。
あと1ヶ月半しかないのは寂しいけど、締め切りがあって良かったとも思います。災い転じて福となす。そう思いたい。
残り時間が少なくなった今は、ベストを尽くしています。
最近バンタンの楽曲制作スタイルに興味を持ち、各音楽PDの関わった曲を集計したり、デモ曲について記事を書いたりしていたのですが、これを聞いて新たに「ミックステープ(ミクテ)曲の規模はどれくらいなのか」という疑問を持ちました。
バンタンの場合、デモ曲やミクテ曲にもいつもの音楽PDが関わっていたりして、完成品の前の試作と言うにはもう少し規模が大きそうだと思っていたのですが、ナムさんの話から想像するに、「mono.」や「Indigo」は「RPWP」よりK-POP界寄りというか、システマチックで分業制な作り方だったのでしょうか。
今後、ナムさんのバンタン楽曲制作における役割や関わり方は変わるだろうか、という部分も気になりますね。
これは他のメンバーもソロで新しい立ち位置を体験しているから、変わると思いますが、どう変わるか今の時点ではまだわかりません。完全体が楽しみです!
でもソロ活動で感じたんです。自分がBTSでどんな役割をしていたのか、改めてわかりました。そしてメンバーを恋しく思う自分にも気づきました。チーム活動は楽しかった。一緒にいた時自分が何を感じていたのかを知りました。1人でいるからこそ、知ることができたんです。
2023/11/07 『Come back to me』MV撮影
女優さんとの喧嘩シーンでは、演技に苦戦中。ナムさんが、「自分で選んで自分で苦労してます」「死ぬ気で頑張る」って笑ったり、「何のことかわからないから余計に腹が立つんですね?」と確認したりしています。
途中カメラにぶつけたそうで、目の端を切っています。血が出てる。テープ貼ってるから気になってたけど、現場で怪我してたとは( ;∀;)
この時のことを語った監督の証言が面白かったですw
このMVでは演技が重要な要素になっていますが、RMとの作業はいかがでしたか?
世界的なスーパースターと仕事をするのはいつも少し緊張します。「彼らはリハーサルをしてくれるのか」「指示を受け入れてくれるのか」と考えますが、RMは全てに対応し、長時間の撮影にも耐えてくれました。
初日の最初のシーンでカメラに頭をぶつけ、目の上に大きな傷を負ってしまいました。この時、「国宝を傷つけてしまった、これで僕は即刻国外退去だ」と思いました(笑)
でも彼は病院に行って縫合を受けた後、すぐに現場に戻り、再び撮影に臨みました。
彼は非常に柔軟で、指示を受け入れるだけでなく、自分からモニターを確認して「もっと良くできる」と提案してくれることもありました。
彼のチームも素晴らしく、K-POPの新しい道を切り開こうとしている姿勢に感銘を受けました。
サンヤンさん「君のこの一年はゼロに戻る期間だったと思う」
ナムさん「ゼロに戻ったよ」
サンヤンさん「お疲れ様、と同時に頑張ろう、って手を離した途端、次があることを知ったw」
ナムさん「まさか第二弾があるとは」
「次」の話が出たらしく、興奮して笑い合っています。この頃、映画化の話が出たのかなと思いました。
「監督に人生の歌だと言ったのに、帰り道でいきなりこれは愛の歌だなんて言い出すから」と暴露されてます。いいのよ、人生は愛なのよw
仲間と子役を見ながら「こんなに可愛い娘がいるなんて成功したね」「実生活と比べられるかも(ナムさん)」「いや立派な父親だよ」って自虐ネタ飛ばして苦笑してます。
最終のモニタリングには30人以上が参加してて、大人数!
喜怒哀楽がそれぞれ詰まったMVかもしれません。人生の断面のような小さなかけらだけど、拡大すると人生を見渡せる。そんな形にしたかったんです。
アップダウンがあり、ダイナミックな一年半でした。よく闘ったと思いますし、無駄な時間はありませんでした。
MVのストーリーを構成する時も、自分の経験を正直に述べました。
立派で、申し訳なくて、ありがたい。人生が詰まっている感じ、人生というものが溶け込んでいる感じです。
そして何度も戻ってきて「もしああだったら」と思い惑い、あれこれ思い出すと思います。
2023/11/10 『Come back to me』アフターパーティ
まだまだミキシングやフィジカルアルバム作業などは山積みながら、ここで一旦中間打ち上げ?
互いに感謝の言葉を交わす中、「僕のじゃなくて Team RM のアルバムだよ」って言ってるナムさん、尊いです。
お店の外へ出て「すべてのことには理由がある」とカメラにささやくナムさん。さすが歩く名言製造機。
「楽しむのは難しい」と呟いたナムさんに、そばにいた監督が「何故?世の中には楽しいことが多い」と声をかけてます。
聞き流さず、訂正してくれる人が側にいてくれるのはいいですね。「ヒョンを信じるよ」って笑ってるナムさん、弟感があってかわいいです。
太陽の光が降り注いでいて、その光を背に立っていたら部屋は真っ暗で、ドアをパッと開けたら、光が周りに降り注いできてよく見えなくなって……ある日突然、そんな人を想像しました。それが何だか……僕のようだな、と思ったんです。
下のインスタ画像が、この話のイメージに近いように思いました。
気を使いすぎるのは、僕の性格で気質です。長い間、それが嫌でした。空気や、周囲の人のジェスチャー、そんなことに敏感で、そこから大きな影響を受けていました。
だから、自分が影響を与える人になりたいと夢見たし、自分を追い詰めました。
RMまたはキム・ナムジュンはどこまで正直になれるか、何故そうなれないのか。僕が失ったものがあるとすれば、それです。正直に、または率直になれなかったこと。
これまで、色んなことに打ち込んできました。打ち込み、ベストを尽くし、努力してきた。でも、僕が僕自身である気はしなかった。
いつも何かに追われて、焦っていた。夢と現実の狭間にいるようで。
久しぶりに、僕が僕自身として存在する感覚を覚えた気がします。今の自分の気持ちがすごく嬉しい。
10年経つけど、未だにカメラは苦手です。そうじゃない時もありますが。
バックステージにもカメラがいて、常に観察され記録され、今はもう変化した何年も前の姿が全て残っている。そういう職業を選びましたから。
僕は自分が停止していられる人間ではないことを、十分に認識しています。2年、3年、5年が経ったとき、僕がどれほど変わっているかを想像してみてください。これは2023年の僕の記録に過ぎなくて、それをやり遂げたことが本当に嬉しくて、ホッとしています。
この音楽を聴くと、それが記憶を呼び起こすきっかけのような役割を果たすんです。
ドキュメンタリーのようなジャンルの作品は、視覚的な面でも、特定の時間に戻りたい時、その瞬間を捉えたものが本当にその時間を思い出させてくれるので、この記録を見ることで当時を追想することができると思います。
撮影中、本当に自分は幸せ者だと感じました。僕は人前に立つ人間として、また主演俳優として、耐えなければならないことが多いということを考えながら生きています。
それでも、こうしたコンテンツの主人公として存在できること、そういったチャンスを得られることがどれほど恵まれているかを深く感じました。
もし次にドキュメンタリーを撮る機会があれば、違う人たちと一緒に、その人たちと魂をつなげ、真の友達になることがどれほど大切なことなのか、学んだことを伝えたいと思います。
多くの学びがありました。……楽しかったです。
最後の最後にめっちゃ語りおった( ゚Д゚)
締めの「……楽しかったです」が印象的でした。話を終わらせようとしてまとめる言葉を探し、語るのを止めてこの言葉でポンと封をした感じ。
「ほんとに?」って深掘りしたくなっても、ナムさんの糸目笑顔でこう言われたら納得するしかないわw
ちなみに「この音楽を聴くと、それが記憶を呼び起こすきっかけのような役割を果たすんです」あたりで、「僕の2023年に現れたこの子は誰だろう? 変わった子だけど、その子が何かを見せてくれたとしよう。それを後で見れば、おそらくその時代を思い出す。だから撮影しながら、恵まれていると思いました」みたいな例え話が入ってるんですが、扱いに困ったらしくてTeaser類ではカットされてます。味わい深いのにw
私は公開済み動画を全部見てから映画へ行ったので、覚えのあるテキストが出る度に「ここ割愛されてる」などと指さし確認をして楽しんでいました。周回するARMYにおススメしたい遊びです( *´艸`)
カメラの話の下りは、「Indigo」の『Change pt.2』を思い出しますね。
F*** my interviews in years ago
何年も前のクソインタビュー
I'm whole different, not that anymore
今の俺はもうあんなんじゃない
F*** that wiki f*** all those infos
いまいましいwikiもまとめサイトも
What a stranger, I don't know this fool
誰の事書いてんだよ、こんなバカ知るか
でも話を聞いていると、変化し過ぎ去った過去が記録され、残ることに対する抵抗と、それがあるからこそ記憶を辿れるという安堵の両方を感じます。
この表裏になる価値観を混在させているところが、ナムさんの思考の癖でもあり、「バランス」でもあるのかもしれませんね。
ナムさん「僕は光と影を同時に考えてしまいます。いいことを思い出す時も、その裏で起きた悪いことをセットで思い出してしまう」
ラスト
映画の最後は、『ㅠㅠ (Credit Roll)』の歌詞の言葉をもじった言葉。これを本当のクレジットに合わせて挿入してくるところが憎いw
時間を割いてくれて、映画を観て、アルバムを聴いてくれてありがとう。素敵な夜を過ごして下さい。ありがとうございます。
I’m so grateful for everyone’s time
Hope you all had such wonderful night
皆さんの時間を割いていただき、本当に感謝しています。
素晴らしい夜をお過ごしください。
そして、いつものこれ。
VERY SPECIAL THANKS
OUR BIGGEST VOICE, ARMY
ソロ活動でも、「OUR(僕たち)」としてARMYに感謝の言葉を書き添えるバンタン、愛してます。
まとめ(という名の妄想)
ナムさんが求めた「正直さ」とは何か
今回映画を見に行くにあたって、私の興味は「ナムさんの "正直になりたい" 欲は満足したのか」でした。
ナムさんのソロ活動中の発言には「包み隠さず話すこと」「気兼ねして言葉を押し潰さないこと」を意識したものが多く、「正直」がキーワードになっている印象を受けたからです。
私は社畜系日本人なので、他人と腹を割って話したい、そうすべきだ、という価値観をあまり持っていません。本音は包み隠せてナンボであり、腹を割るのは夫くらいで良い、程度の認識です。
なので彼の「正直さ」に対する拘りには、好奇心をそそられました。
「正直さ」を阻むもの
ナムさんの場合、「正直になれない状況」はたくさん想像できます。国や業界を代表する位置まで行ってしまったことによる「炎上しない・させないための言葉選び」「求められる姿や影響の大きさに応じた対応」……。
個人的には、それに加えて「正直になった自分は受け入れられるのか」という根源的な恐怖があったのではないかと思っています。
”どこまで正直であるべきか”
"僕が100%正直になった時、人々は耳を傾けてくれるのか"
もし聞いてくれたとしても、不安になる。
心の内をさらけ出したら、弱いヤツだと笑われるかもと。
自分にとっては、もうこの段階で「正直」が限界突破しています。というか、それどころのレベルではない。
こんなめちゃめちゃセンシティブな弱音を大量のファンを前にして吐けるところが、バンタンのすごさというか怖さだと思っています。普通言えない。
バンタンが弱みを言語化して出すことにある意味慣れているのは、ずっと続けられているメンタルケアの影響もあるのかもしれません。
それは彼らを支える力になっていると思いますが、別の側面から見ると、自分の心の一番柔らかい部分を差し出すことで、同じ感性を有するファンをガンガン沼へ引きずり込んでいっているとも言え、何つーか凄いもん見た……という気持ちにさせられます( ゚Д゚)
それなのに、ナムさんはまだ「正直」を求めるんですよ。
どうしてですか?というのが自分の中の謎でした。もう十分正直じゃないですか、まだ先があるんですか?
それに対する答えは、映画の中では語られません。
ナムさんはいつものように悩み、揺れ動き、整理された思考も混乱した感情も、全部語って、私たちを彼の作り出す渦に巻き込みます。
でも、何となく「ああ、一段階は進んだんだろうな」とは思えました。
前述した「自分を曝すことへの恐怖」は、結局自分への不信に根差しているように思います。
何者でもない自分として存在して、なお受け入れられる自分だろうか。
その問いに「Team RM」は、「ナムジュンが好きだよ」と答え、アルバムの形で彼に手渡してくれたのだと感じます。
家族であるバンタン。かけがえのない仲間である「Team RM」。もちろんARMYも含め、ナムさんは様々な活動を通して世界を広げ、自分を心から愛してくれる人々を獲得していきます。
そうすることで、彼はいつも混乱している自分を守る殻を少しずつ厚くし、いつかは正直に自由に息のできる空間を自力で作り出せるようになるのではないでしょうか。
グクの映画「I AM STILL」でも、稀有な成熟の過程を見たと思いましたが、この映画もまた、キム・ナムジュンというユニークな個性があちこちに頭をぶつけながら前へ進んでいく過程を見せてもらえた気がして、非常に興味深かったです。
バンタンはバンタンが好き
ソロ活動と言うのは、もっと個に専念するものかと予想していたのですが、バンタンの映画やドキュメンタリーを観ていると、皆一人になることでグループを振り返り、この経験をどう還元できるかと完全体での活動を楽しみにしている様子が窺えます。
今回のナムさんの映画でも、もっと個人に寄せていくかと思っていたのですが、思った以上にナムさんの中のバンタンが強固で揺るがず、その強度に感心しました。
「バンタンはバンタンが好き」と言う事実を改めて思い知らされた気がします。尊い……!
SUGAがたくさん話してくれました。28回のコンサートをしながら感じたことについて。どれくらいのARMYや僕たちを愛している方々が2025年度の再会を待っているのか。それを僕も凄く感じています。今ソロでやっていますが、これは休暇なんです。元居た場所(BTS&ARMY)があるんです。すべてのソロ活動はただの――しかしChapter2にとても重要な、家へ無事に戻るための道のりです。結局は戻り、2025年には再集結するんです。
一本の映画を「キム・ナムジュン」という素材だけで成り立たせる、ナムさんの自我の強さにも脱帽しました。ほんと興味深いから、ずっとこの人を見ていたいです。ARMYになってよかった!
とりあえずまた行きます。見直すのが怖いけど、再チャレンジせざるを得ない!!
おまけ
帰ってきたらアルバムレビューしてくれるって信じてる!
1か月前に「Come Back to Me」、3週間前に「RPWP」がリリースされましたよね。昨年の4月にはホソクと一緒に入隊する予定だった計画を何度も先延ばしにして、最終的には弟たちと手を取り合い、一緒に入隊することになりました。2023年は、そんなふうにお酒と作業だけで過ぎ去っていった気がします。友人の兵長の階級章がうらやましい気持ちもありますが、それでも後悔はありません。(ㅎㅎ;)
今回の作品は、僕がこうした思いを直接お伝えすることができなかった初めての作品です。伝えたいことはたくさんありますが、それらはすべてアルバムに込めました。ただひたすら、僕自身が正直であろうと足掻いたアルバムです。どうか、長い時間をかけてじっくりと読み返していただけたら嬉しいです。
パンフレットのロングインタビューでも語られていた、Team RMによる瓦の写真は、サンヤンさんのインスタにありました。
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あと、この映画を観ていて何度か思い出したのが、2022/9/15に行われたファレル・ウィリアムスとの対談です。
興味深い内容なので、未読の方は是非どうぞ!
ファレルが、自分の扱われ方に疑いを持ったり、世界的な重圧やキャリアの問題に立ち向かう経験をしたことのある先達としてナムさんに伝える言葉は力強く、穏やかで説得力がありました。
音楽界の先輩とこういう会話をできる時点で、私にとってナムさんは既に、他人に対し率直に心を開き奥底を語れる人だと思っています。
ファレル:ネプチューンズやN.E.R.D.のメンバーとしての活動もソロ活動も、俺にとっては全部不可欠だったんだ。ある1つのことに没頭したら、一旦しばらく距離を置く。その間に別のことに挑戦し、それもある段階で一度ストップさせる。そうすることで、自分のいろんな側面を試すことができるんだ。だから君の気持ちはわかるし、新たな挑戦が君にとってプラスになると信じている。ソロ活動を経た君が再びグループの一員になる時、その経験は必ず……。
RM:チームに還元される。
ファレル:そう、すごく新鮮な気持ちで再スタートできるはずだ。
関連動画
後から見返したらこのMV、映画のビハインド状態だったw
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映画初見直後の感想をサルベージしてきた
ナムさんの映画見て帰宅中。
— 音色 (@thracia776_bts) January 3, 2025
いいコメントは世界中のARMYがつぶやいてくれてると思うので、私からは一言だけ。
油断してるところに投下されるナムさんのヘソは、細胞を活性化させる😇
いやー、生太ももはわかってたんですけどねー……(´- `*)
ウィン・シャニムありがとうございます!!
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