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BTS入門編:新しい文化との出会い⑥禁止曲と歌謡審議【KPOP】


謎の審査機関あらわる

BTSで初めてK-POP回に足を踏み入れた私。その中でも知ってビックリしたのが、歌謡審議の存在でした!

新曲リリースのタイミングで、ふっとXのタイムラインに現れる「適格」「不適格」っていう言葉。あれ何だろうと思ってたんですよね。
大体ハングルの表が貼ってあるので、本国由来のデータだろうという想像はついたのですが、ツイートに添えられたコメントを読んだら「歌謡審議」っていうシステムがあるらしい、ということがわかりました。

歌の審議って何?

これは検索するしかないですね!
ハングルの表に書いてあった「가요심의 결과(歌謡審査の結果)」を手掛かりに、さっそく旅立ちました。

「歌謡審議」とは?

KPOPの歌謡審議とは、韓国の放送局(主に公共放送局であるKBS)が音楽番組で放送する楽曲の適格性を審査するプロセスのことです。

歌詞や表現が放送に適しているかどうかを審査します。審査基準には「悪口や罵倒表現の有無」「ブランド名への言及」「公序良俗に即しているか」などが含まれます。不適切と判断された曲は「放送不適格」や「放送禁止」となります。

対話型AI検索「Perplexity」より

日本で例えるなら、NHKが放送していい曲かどうか事前審査で決めてる、みたいな感じでしょうか。

審議の結果と共に、楽曲の申請情報が公開されるため、ここで新曲の「タイトル」「歌手」「作詞」「作曲」を知ることができます。
ちなみに、韓国音楽著作権協会(KOMCA)の場合は、もう少し公開タイミングが後なので、楽曲に関する公式情報としてはこれが一番早いものになると思われます。

『NEVER LET GO』でも、多くの作業にグクが関わっていることが事前にわかり、TLが沸きましたね……!

空 ~MUSE~さんのツイートより

最近だとジミンちゃんも。
提供曲もいいけど、やっぱり歌手本人の手掛けた曲は格別。特にバンタンの場合は、日記を読ませてもらうような喜びがありますね!

POM 🐥💐MUSEさんのツイートより

ナムさんのアルバム「Right Place, Wrong Person」リリース前に、歌謡審議で「不適格」曲が多かったらしいという話が流れて来た時は、ナムペンさんたちがやんやと喝采して盛り上がっており、面白かったです。
アーティストとファンの成熟した関係を感じましたw

みやび🍓🍓🍓🐻💜보라해💜🐯🍓🍓🍓SLOW🐢さんのツイートより

確かに息をするように「F**K」言うてはりましたから、まあ黄色くもなるでしょう。それもまたよし!
卑俗語には卑俗語にしか出せない意味合いがあるから必要なら使う、がナムさんのスタンスだったと思いますが、彼が必要と思ったなら致し方ない。好きなだけお使いください!

正直、今のバンタンの立ち位置だと韓国の放送局で禁止曲になってもデメリットがあまり感じられない……というのは言いすぎでしょうか。
発表場所には事欠かないし、自前で発信できるし、国外のアミにはそもそも影響ないし、むしろバンタン新曲祭りに乗れない放送局にデメリットを感じる……。公序良俗の維持って難しいですね!(白々しい)

「Right People, Wrong Place」審議結果

■適格
Come back to me, ㅠㅠ (Credit Roll), Heaven, ? (Interlude)

■不適格(反社会的または不健全な価値観を助長する歌詞)
Right People, Wrong Place
■不適格(卑猥な言葉、俗語、下品な表現が使用されている歌詞)
Around the world in a day (feat. Moses Sumney), LOST!, Groin, Domodachi (feat. Little Simz), out of love, Nuts

11曲中7曲が不適格と言う、堂々の結果w

「放送禁止曲」とは?

禁止曲については、2種類あるらしいです。いわゆる放送禁止曲がこれ。

放送禁止曲:
これらの判断は、韓国の放送基準に基づいて行われており、特にKBS(韓国放送公社)などの公共放送局では厳しい基準が適用されています。
ただし、放送禁止や放送不適格となった曲でも、音楽配信サービスやコンサートでは聴くことができ、むしろファンの間では人気が高まる傾向もあります。

例:『Run BTS』
この曲は、歌詞に悪口、卑語・俗語、低俗な表現が使われたという理由で放送不適格判定を受けました。具体的には、「F***ing Facts」のような過激な表現が含まれていたとされています。

BTSの曲が不適格判定を受けた際には、韓国でハッシュタグ「#부적격소년단(不適格少年団)」がトレンド入りするなど、ファンの間で話題となりました。

対話型AI検索「Perplexity」より

「不適格少年団」は日本でもトレンド入りしてましたね! Xで検索すると、当時の痕跡が残ってます。
ちょうどホビがソロでフェアに出た時だったらしくて(ステージからジン君に電話かけて声を聴かせてくれた回)、「J-HOPE」「不適格少年団」が並んでおり、笑いましたw

特に2022年のアルバム『Proof』に収録された『RUN BTS』『Born Singer』の2曲が不適格判定を受けた際、オンライン上では「逆に期待しかない」「名曲の予感…」など、荒々しいデビュー初期のBTSを期待するコメントが多数上がり、ツイッターでは「不適格少年団」がトレンドに浮上するほどの盛り上がりを見せたりした。

スポーツソウル日本版「再び「不適格少年団」…BTSのリーダーRM、新ソロアルバムの11曲中9曲が“放送不適格”の判定」より

放送禁止曲については、まとめ記事がいくつかありましたので、そちらをご参照ください。

私の大好きな『Pide Piper』も禁止曲なんですよね。
それを初めて知った時の感想がこれ。

余談ですが、『Pied Piper』は歌詞の「Twitter」が広告表現に引っ掛かって放送禁止、という記事がありましたね
しかし、正直あの楽曲の不道徳性はそれ以前の問題ではないかと思います。顔とか声とか「いい子だ」とか息吹きかけてくるホソクとか、全体的に18禁ですよオンマ!

「【BTS】アルバムレビュー&アルバムインタビュー」より

もう1つあったのが、こちらは笑える禁止曲。
歌謡審議とは関係ない、ネタ枠です。

スヌン禁止曲(修学能力試験禁止曲):
韓国の大学入試共通テスト「スヌン」の前に聴くことが推奨されない曲のことです。ポジティブな称賛表現として使用されることが多いです。
これらの曲は、キャッチーなメロディや繰り返しの多い歌詞や耳に残りやすいフレーズやリズムなど、中毒性の高い楽曲構成が特徴で、一度聴くと頭から離れにくいため、試験に集中できなくなる可能性があるとされています。

例:『고민보다 GO(Go Go)
「YOLO」や「タンジンジェム」という言葉が繰り返し使われ、耳に残りやすい。

対話型AI検索「Perplexity」より

スヌンどころか、日常生活阻害しに来る白雪姫テテ置いときますねw

どこにあるのか教えてAI!

歌謡審議結果はいつも本国アミからリポスト経由で流れてくるのですが、自分でも調べてみたいですよね!
どこかにデータベースがあるなら、二次利用できたりしないかしら( *´艸`)

というわけで探してきました。
直接「가요심의 결과」で検索するとハングルページばっかり出て来て選り分けに時間がかかるので、対話型AI検索「Perplexity」にこの単語に関する質問を何回かしてみて、ソースとして出てきたサイトから逆流して発見したのがここ。
あ、KBSで探しても良かったのかも。

何故か「歌謡」ではなく「全体」タブで発見

記事を開くと、歌謡審議結果のExcelファイルが添付されています。

最初折りたたまれてるので、クリックして開いてください

添付されてるExcelファイルを開いたら、こんな感じになってます。

歌手名はハングルで、作詞作曲の表記は英語なんだ……

個別添付のExcelかー。1つのデータベースに入ってる感じじゃないんですね。一括検索したいという夢が潰えました!( ゚Д゚)

しかも名前表記なんだ。ID方式とかじゃないんですね。てことは、理想は「全Excelファイルを回収して統合して表記揺れ直してデータベース化」でしょうか。何の理想なんだ。
ああ、世界のどこかに、これのデータベース作ってるARMYいないかな……!(切実)

検証タイム!

とりあえずはナムさんのアルバムと、グクミンのソロ曲で検証してみましょう!!

Right Place, Wrong Person
審議結果:2024/05/22
公表日時:2024/05/24
リリース日:2024/05/29

NEVER LET GO
審議結果:2024/06/05
公表日時:2024/06/07
リリース日:2024/06/07

Smeraldo Garden Marching Band (feat. Loco)
審議結果:2024/06/26
公表日時:2024/06/28
リリース日:2024/06/28

【補足】
※審議結果→歌謡審議の結果が発表された日
※公表日時→韓国音楽著作権協会(KOMCA)に提出された日?
(ただしこのデータがデータベースで検索できるようになるのはもっと後)

公表日は若干のズレがあるが、審議結果が一番早い。

なるほど、リリース日の前週を狙って、審議結果を見に行けばいい感じですね。( ._.)φメモメモ

見られる内容はどうなんでしょう。歌謡審議に提出した情報と、著作権登録した情報とは、合致するんでしょうか。
ツイート見てきた限りだと、歌謡審議の方が自由に書かれてる印象があるんですよね。権利(お金)発生しないもんな……。

『NEVER LET GO』 KOMCAに登録された情報(分類「A=作詞」「C=作曲」)
『NEVER LET GO』 歌謡審議に出された情報(赤字はKOMCAに「A/C」で登録されている人)

あ、やっぱわりと違いますね。「A=作詞」は全員合致してますが、「C=作曲」が合いません。
それに、KOMCAの方は「作曲」でまとまっているので、誰がプロダクションやったかとかまではわかりません。

ただ、これ『NEVER LET GO』の歌謡審議の書き方が例外である可能性もあります。
ナムさんのアルバム曲の方は、もっとシンプルに書かれているからです。役割とかがなくて、一般的に歌詞カードとかに書かれてるやつに似てます。

誰が誰なのか探し当てるゲームw

とりあえず、KOMCAではわからない人間関係が歌謡審議結果から見えるかも、とは言えると思います。
曲作りの背景を深堀りしたければ、歌謡審議のExcelを狙い撃ちするしかないのでしょうか。わりと地味なストーキング作業ですね!
まあ、リリース日はわかってるから、絞り込めると言えば言えますが……もうホビの2012『ANIMAL』あたりから全部取得したらいいんじゃないかな。

ちなみに歌謡審議がいつから開始したのかはわかりませんが、少なくとも2012年の審議結果のファイルはありましたので、バンタンデビュー前後には間に合ってそうです。
デビュー前のソロ曲とかも出してたんだろうか……( ゚Д゚)ゴク

いったん休憩!!

というわけで、歌謡審議の詳細と出どころはわかりました。謎が解けて満足です!
ポチポチやったらデータベース作れそうな感触はありますが、若干面倒くさそうな予感がするので、暇で死ぬかもしれない時用の緊急箱に入れておきますね。

近くて遠いKPOP界、意外と知らない慣習が多いです。面白いですね!
それにしても、異国で探し物するのにAI検索エンジンはほんと便利です。
Perplexityがいなければ、私の相談相手はYahoo!知恵袋で終わっていたかもしれません。恐ろしいですね……( ゚Д゚)

あ、忘れてましたがMV(ミュージックビデオ)にも審議はあるようです。審議結果のファイルがありました。
放送不適格なMVって、どのラインでしょうね。最近肌色が多いテテを思い浮かべてドキドキしましたが、あれくらいは行けるでしょ!

ときめきが過ぎる

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