【RPWP/MMM】BTSリーダー・RMのストレスと消しゴム【ミニモニ】
교환앨범 MMM(Mini & Moni Music) - RM
配信後、半日で100万回再生行く勢いで回っていた「교환앨범 MMM(Mini & Moni Music)」。皆待ってましたよね!
ミニモニコンビによるナムさん新作アルバムレビューだと!?って私も思い切り飛びつきました。
感想としては、「ぎゃー、またヤバイものを見てしまった……!」の一言につきます。
かわいい金髪ピンクパーカーのジミンちゃんを前に失礼極まりない感想で申し訳ないのですが、正直ジン君の『Awake』をうっかり聞いてしまった時と同じ打ちひしがれ方になりました( ゚Д゚)
これ、公開カウンセリングに近くないでしょうか。素人が気軽に見ていいやつですか?( ;∀;)
そういうとこ出す時はSUGAみたいに「ココ!👇」って書いた看板立てといてくれないと、新規はまだ心の準備ができてないからさぁ……(涙目)
しょうがない。これも天の采配だと思って、消化するしかない。
しかしナムさんのアルバムは彼の記録で、リーダーの蓄積はバンタンの歴史。色々考えてたら半年学習したことの総まとめみたいになったんで、noteに吐き出してみます。
1本の記事としては少々長すぎますが、こういうのは一気に行きましょう。毒食らわば皿までです!
暗くて長くて重いので、体調の良い時にどうぞ!
前提の共有
私はナムさんを、「自分との対話をやめられない人」だと思っています。
「流れに任せて現在に集中する」派のジン君やホビとは逆で、「これでいいのかな」って毎回立ち止まって考えてしまうタイプ。
頭の回転と言語化が早いため、人が無意識にスルーしていくような引っ掛かりまで拾わずにいられないんじゃないでしょうか。
ストレス溜めやすいかどうかで言えば、溜めやすい方だと思われますし、世界的グループのリーダーでもある彼がしんどかったということ自体は、意外ではありませんでした。
ここで気になるのが、何が最大のストレスなのか(だったのか)、です。
好奇心猫をも殺す。その道入って無事帰れるのか、私よ。
先輩ARMYの皆さんは何となく把握されているところかと思うのですが、暗黙の了解を共有できないのが新規のもどかしさです。自力で紐解くしかない( ;∀;)
以下、自分が見聞きした中で思ったことを述べますが、あくまで個人的解釈なので事実ではありません。よろしくお願いいたします。
増大するストレスの正体
公人化するBTS
実際どうだったのかは知るよしもありませんが、私は「BTSが公人化した」ストレスは大きかったんだろうなと受け取っています。
私は日本在住の日本人なので、韓国内の常識やバンタンに対する温度感は想像するしかないのですが、色んな記事を読んでいると、考えているよりすごい展開になってるなと思わされることがよくありました。
彼らをただの「アイドル」として捉えていると理解できない規模の公人化が、発生している。
例えば、大統領がBTSに祝電を何度か送ったという記事があったのですが、これ日本の総理がやったら「お調子者の人気取り」との誹りを免れられないところですね。
国家的パーソナリティの違いを感じました。気になりすぎて検索しに行っちゃったわ……。
この祝電に代表される政府筋からのアクセスがいつから始まったのかはわかりませんが、少なくとも花冠文化勲章をもらった2018年頃からは明白だと思います。
「BTS=KPOP=韓国」による世界ミュージックチャートの席巻が愛国心と結びつき、BTSが国威発揚のシンボルになった面があるように思われます。アイドルと政治との距離がやたら近いですね。
最初の頃は、単に「すげぇ!」と驚き喜んでいたように見えるバンタンですが、アイドルとしての人気が過熱し広範な影響力を獲得していく中、彼らの「公人」としての性質もまた強められていきます。
2018年に発表されたホビの「白昼夢(Daydream)」では、既に一般人としての生活を断念している様子が垣間見え、夢想に慰めを見いだしている姿には胸が詰まります。
正しさに圧迫される自我
2018年のユニセフスピーチを皮切りとしてホワイトハウス訪問に至るまで、韓国を代表するグローバルアイコンとなっていくBTS。
名実共に国を背負う立場での発言が増え、求められる「あるべき姿」への要求も桁違いに跳ね上がります。何かあった時の炎上の規模を考えると、言動も慎重にならざるをえません。
「言霊」ではありませんが、人間は言葉を使って考え、世界を解釈し、自我を構築しますので、口にする言葉は本人にも影響します。
ナムさんの綴る歌詞がバンタンに共通言語を与えグループを結束させたように、リーダーとして「正しい」コメントやスピーチを繰り返すことは、スピーカーであるナムさん自身に影響を与えます。
これは想像ですが、人間らしさや弱さを持つ自分自身を、自ら否定させられているような感覚を持ったのではないかと思っています。
もちろん、ユニセフなどで行ったスピーチが真実でないとは思いません。
誠心から出た等身大の良い言葉だったと思いますし、だからこそ聞いた人々の胸を打ち、キャンペーンの盛り上がりにつながったのだと思います。
ただ、それがすべてではなかった、と言うことだと思います。
ナムさんの中には成熟したカリスマもいれば、HIPHOP出身ラッパーもいるけれど、特定の一面だけが輝かしくクローズアップされ求められると、残りの面が暗闇へと追いやられてしまう。他人には見えない闇の中が自分自身には見えるからこそ、ナムさんは違和感を覚える。
立場で人が変わることがあるように、求められる面以外を捨てて変わっていくという選択肢もあったと思いますが、ナムさんはそうしたくなかったので葛藤し続けた、と私は受け取っています。
「自分」と「役割」との乖離
視野が広く、観察力に優れているナムさん。彼は、良くも悪くも他人が気になる人なのだと思います。
MMMでのジミンちゃんによるリーダー評や、エゴサーチを止められなかったエピソードから見ても、他人が自分に何を求めているのかが知りたいし、求められたら何ができるのか考えてしまう人なんだろうと想像しています。
ナムさんは人に優しく、自身の役割に対して誠実で真摯なのだと言えますが、そこで「自分と役割がかけ離れすぎている」と感じてしまうと、辛くなるだろうと思います。
嘘ではないが不誠実だと感じる、「お前はそんな奴じゃないだろ」とのセルフツッコミが止められない、他人のリクエストに答えているうちに自分の声が聞こえなくなる、というような混乱が、彼を悩ませたのではないかと思います。
メンバーが入隊を開始した後、ナムさんは1年ほどグループのことをあまり考えないようにしていたそうです。
この期間について、ナムさんはメンバーに借りを作ってしまったと感じているようだけど、必要な時にちゃんと逃げて、音楽に吐き出すことで自分を守れたのは、彼の強さだと思います。
(メンバーはちょっと寂しかっただろうけど)
『Groin』のこの歌詞は、それまでのナムさんにとっては禁句だったのではないでしょうか。
実際に外から禁止されていたかどうかはわかりませんが、少なくともナムさん自身は言わないことを選択していたように見えますし、そういう選択が積み重なって彼を息苦しくさせていたように思います。
兵役に行くことが決まり、外交官としての看板を一時的にせよ下ろすことが明確になって、ようやく出せた本音なんじゃないかと思いました。
これを聞いた時の、ジミンちゃんの笑顔が印象的です。
怒りに満ちて叩きつけられるラップは、黙って苦しむナムさんを待つ時間が終わったことを告げる、夜明けの鐘のように響いたのかもしれません。
多分他のメンバーも同じ反応をするだろうな、と思いました。
バンタンはスタート地点がHIPHOPなので、反骨精神がDNAに刻み込まれている感がありますね。
ラップラインだけでなく、真性ナムペンのグクやサイファー信者のテテを始め、メンバー全員が同じ感性を共有しており、何も知らなければ良識派に見えるかわいさ満点のジミンちゃんでさえ「そんなこと言って大丈夫?」と引き留めるどころか「すっきりするね!」と言い放って盛り上がるあたりが、彼らの魅力ではないでしょうか。
ちなみに、私は好きな歌詞を訊かれて「灰になれ Bow wow wow」って『FIRE』歌ったテテが大好きですw
余談ですが、私は音楽の好みは変わるんじゃなく広がるものだと思ってるので、バンタンは提供曲や英語曲を歌おうが80歳になろうが、根っからのHIPHOP野郎のままだろうと思っています。
おじいちゃんになってもマイク叩きつけといてほしい( *´艸`)
閑話休題。
兵役は、ナムさんにとってはリーダーとしての役割を離れられる、貴重な期間になるのかもしれません。もうこれより後に、社会的強制力のあるリセット期間はないと思うので。
早く帰ってきてほしいけど、この1年半が彼にとってできるだけ安らかな、再構築の時間になればいいと思います。
国民的関心事になった兵役免除問題
私の考えるもう一つのストレッサーが、兵役免除問題です。
今まで見てきた限りでは、BTSは兵役自体に抵抗したことがありませんので、何故大きな話題になり続けているのか不思議でした。
バンタンは兵役がある国で生まれ育っているので、普通に自分達も行くものだと受け止め、心づもりもしていたと思われます。
しかし、2018年にBTSの兵役免除問題がクローズアップされ、一躍国民的関心事になりました。
バンタンも、アイドル界で生きているからには、軍白期がグループ活動に及ぼす影響について様々な話を見聞きしたでしょうし、自ら選んだ職業なので当事者として覚悟はしていたと思います。
しかし、自分達が兵役に行くか行かないか、それ自体が彼ら自身の手を離れて国を巻き込む騒ぎになっていくとは、予想していなかったのではないでしょうか。
自分の人生なのにコントロールできず、兵役は国民全体の共有事項であるためアイドル活動で出会うアンチとは別の層からのヘイトも買う、これは想像を絶するストレスだったと思います。
最年長であるため槍玉に上がることの多かったジン君も、入隊前のライブ配信で「すごくお叱りを受けた」と繰り返していました。よほどきつかったんだろうと思います。
普段考えないようにしていると公言しているジン君でそれなら、考えたくなくても考えてしまうナムさんは一層苦しかったのではないでしょうか。
経済効果と場外乱闘
BTSの公人化のきっかけは「国の名誉」だったかもしれませんが、そこに「経済効果」が拍車をかけます。
特例として兵役開始を遅らせる、通称「BTS法案」が成立したのが2020年。この年、HYBEは上場を果たしています。
BTSだけに依存していると、軍白期のダメージが大きくなりすぎますから、そこを乗り越えるため事務所も必死です。
HYBEは既に国内の経済動向に影響を与えるレベルの企業規模になっていますが、BTSはその売り上げを支える屋台骨であるため、影響が拡大して関係者が増える一方。
音楽業界だけでなく、釜山万博招致の広報大使就任に関連して釜山市長も陳情するなど、場外乱闘がメインイベントを乗っ取っている状態の騒ぎが続きます。
挙げ句の果てには、SUGAが出したミックステープ曲の歌詞まで、国政監査の場に持ち出される始末。これはさすがにないなと思いました。
先の見通しが立たない状況に、会社側もさすがに苦情を漏らしたり陳情したりしていますが、政権交代の影響もあって結論は保留され続けます。正直、迷惑でしかないですね。おっと。
結局、時間切れを前に、BTS側が決断する形でジン君の入隊が決定。
非常に言葉が難しいですが、これ以上彼らが兵役免除問題に振り回され苦しまなくて済む、という点だけは良かったと思います。
この時、何故ナムさんがホビと一緒に入隊しなかったのかが謎で、「マンネラインのお目付け役なのだろうか……」などと思っていたのですが、アルバムを完成させてから入隊することを選んだからだったんですね。すみませんでした!
「ああ、これで合ってたのかな」「僕も行くべきだったんじゃないかな」と悩みは尽きないナムさんですが、「でもしかたないよね」と吹っ切ったところも見せてくれます。
アルバムもほぼ完成し、兵役スケジュールが決まったことで社会規範に乗っ取ったルートにも入れ、少し気持ちが安定したように見えました。
始まりの人
死にたくなると思った、と言うほど我慢し続けたナムさん。何故そこまで耐えたのでしょうか。
ナムさんを見ていて印象的なのは、チームに対する責任感の強さです。
それはリーダーだからというより、グループの成り立ちに由来しているように感じます。
防弾少年団は元々ナムさんをデビューさせるために作られた集団なので、彼からすべてが始まっています。
「始まりの人」でありバンタンを全力で背負ってきたナムさんだからこそ、もしバンタンを壊せるとしたらそれは彼なんじゃないか、と私は妄想しています。
誰も肩代わりできない、「BTSのリーダー」としての立場。
その重さをメンバー達は一番良く理解していますので、もしナムさんが「もう嫌だ」と言ったら受け入れるかもしれません。
ナムさんは、それが怖いのではないかと思っています。
実際にするしないということではなく、そうできる可能性を自分が持っているという時点で、責任を感じるのではないでしょうか。
バンタンを愛していればいるほど、自分自身の取り扱いに注意しなければならない。
ナムさんがBTSから距離を取ろうとした背景には、そんな恐れもあったのかもしれません。
ジミンちゃんの「よかったです」には、心の底からの安堵が感じられました。
その様子に気づかず語り続けるナムさんが平常運転で、またいいですね! 言葉を紡ぐ様子に、過去は一旦整理されたんだなという印象を受けました。
ビックリするほどハイスペックなのにそれに無頓着で、時々すごく鈍感なウリリーダーが愛しいですw
ジミンちゃんありがとう
君は僕の消しゴム
私はミニモニ(ジミニ&ラプモニ)の2人がすごく好きです。
身長差とか、内省派コンビとか、ヒョンのスポに呆れるジミンちゃんとか、「かわいいもの好き」のツボを射抜かれて騒ぐナムさんとか、好きなとこは色々あるのですが、中でも好きなのが、ジミンちゃんがナムさんの選択肢を減らしてくれるところです。
考えるのを止められないナムさんの前には、たくさんの道が伸びています。選択肢(可能性)の数だけ道があり、それが彼を悩ませます。
でもジミンちゃんは時々、「ヒョン、その道いらないですよ」と言ってくれます。例えば、2021AMAに行く時のEPISODEがそれ。
考えすぎる人が考えるのを止めるのは非常に難しいです。それはその人の思考パターンなので。
多すぎる道を前に惑うナムさんは、「良い記憶だけをしまって、今のことだけ考える(シュチタ EP.12)」と言うジン君に憧れたとしても、そうはなれません。
でもジミンちゃんは、ナムさんが抱えている、「多すぎる道」を消してくれるんですよね。オーバーフローを起こした彼を整理してくれる。
それは、悩み方が似ているけど、兄とは違う目と言葉を持っているジミンちゃんにしかできないことなのかもしれません。
だから私は、ジミンちゃんはナムさんの消しゴムだと思っています。
それがわかっているから、ナムさんは今回の相手にジミンちゃんを選んだのかなと思いました。間違った道に進んでいたら、ジミンちゃんは「ヒョン、それじゃダメですよ」って言ってくれそうだから。
多分ジミンちゃんは自分(アルバム)を否定しないってわかってはいても、ナムさんは可能性がある限り捨てられないので、曲を聴かせる時はドキドキしただろうなと思います。
ジミンちゃんに褒められたり拍手されたりした時の、ナムさんの笑顔は本当にかわいくて、ミニモニが存在する世界にいる幸運に感謝しました!
必要な暗闇
ジミンちゃんの受け答えを見ていて感心したのは、利害関係を感じないところです。
愛する相手が苦しんでいるのを見るのが辛かったり、仕事仲間の行き詰まりが自分にもデメリットをもたらすと感じたりしたら、手や口を出して早く回復させたくなるのが人情です。
しかし、ジミンちゃんは自分が煮詰まっていた時メンバーがそうしてくれたように、ナムさんが結論を出すのをじっと待つ方を選びました。
ただ待つということの難しさは、私が改めて語るまでもありません。
相手が戻ってきてくれる保証も、望む方向に進んでくれる確証もないのに、それが今の相手に必要な暗闇だと信じて待つ姿には胸を打たれます。
「ヒョン、もっと迷ってくれてもいいんですよ」と笑うジミンちゃんは頼もしくて、同じ暗闇を抜けてきた人なんだなと思わされました。
私たちはバンタンに色んな夢を見ます。その中でも美しいのが、彼らが互いを心から守り合っている姿だと思います。
稀有な人生を共有し、ぶつかり合いながらも「家族」と言えるまでの関係を築き上げ、互いの一部になった7人。
この先どんな変化があっても、7人の中には仲間の存在が残り続けるだろうなと思っています。小さな7つの友情タトゥーのように。
今回、正直に思うところを吐き出せた、と言うナムさん。
しかしナムさんは気づかずにいられない人なので、今回立ち上がってもきっとまたどこかで悩むだろうし、言いたい言葉もすぐ溜まるだろうと思います。
今この時にも、多すぎる道の前で途方に暮れているかもしれません。
そうなったとしても、悩むだけ悩んで時には泣いて、その過程で何かを生み出しながら、ナムさんはまた立ち上がるだろうと、私は信じています。
彼が何度迷っても、大丈夫じゃなくなっても、6人の家族がいつも側で待っていてくれるでしょう。
以上!
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
この記事、「MMM」リリース当日に書き始めたのですがなかなか納得いかなくて、めっちゃ書き直しました。
何とか諦めがついたところで公開しましたが、気になるとこが出てきたらまた直す気がします。すみません。
よし、私も吐き出したから、またすっきりしてバンタンを愛でてこよう!
7人が再び揃う2025年6月まで、あと1年。
ジン君帰還はもう目の前ですし、ジミンちゃんのアルバムもありそうだしグクが残したスポも気になるし、まだまだ楽しみが隠されていそうです。