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【第8日】室戸岬で若き日のお大師様に出会う(四国旅 avec Anne)

2023年11月28日(火)

今日も今日とて、前日足摺岬に行きそびれたので、室戸岬に行きたいと言う。
どんだけ、岬が好きやねん。

【走行距離】85.2Km×2 
      高知市内〜室戸岬

岬までは距離は長いが、海岸沿いの国道55号線をクネクネと走る道なので、景色が良くてけっこう快適だ。高速も走らなくていい。

Pasific Magnifique!
口数の少ないBernardが助手席で嬉しそうにはしゃぐ。

Anneの情報源によると、「室戸岬は、まるでハワイ」の様らしい。
太平洋に面しているとは言え、絶対にハワイみたくはないだろうと、私は内心、舌打ちした。

室戸岬に着いたら、海岸沿いに乱礁遊歩道(らんしょうゆうほどう)があるのでそれを歩く予定にしていた。

実は室戸岬は私も気になるところで、行ってみたかった。

2年前に「般若心経」を履修した時に、空海が虚空蔵求聞持法を習得した場面に惹かれ、その修行場としての室戸岬の御厨人窟(みくろど)を知った。
是非とも訪れたかったが、奈良からはちょっと遠すぎるので諦めていた。
多分、一生行くことはないだろうと。


室戸岬の先端に整備された全長約2.6kmの遊歩道は、岩礁や温暖な地域にのみ自生する植物も観察できる歩きやすい道。


MAPを見ると、灌頂ヶ浜、目洗いの池、行水の池など気になる名前が連続する。御厨人窟はその先にあって、そこまで歩いても20分くらいのようだ。
お大師様を崇拝する身としては、手の届くところにある今、何がなんでも行ってみたいと歩き始めた。

遊歩道の道標が「御厨人窟」と示すところで、国道の方へ出ると、何やらそれらしきものが見える。洞窟が二つある。

2つの洞窟


御厨人窟


入唐前、若き日の空海はここで求聞持法の修業をし、悟りを開いたと伝えられる。修行中に、明けの明星である”金星”が口から体内に入る超常現象を経てこの修行を完遂したと。
求聞持法を満願すれば無限の記憶力を得られる。

“空海”と言う名前も、ここからは鳥居越しに空と海しか見えなかったことに由来すると言われる伝説の場所だ。

恐る恐る中に入る。
洞窟内には「五所神社」

感極まり、額付いて平伏し、ご真言を唱えた。

ノウボウ アキャシャ キャラバヤ オンアリキャ マリボリ ソワカ

若い日のお大師様に想いを馳せる。

もう何でも出来る!
全てを超えられる!

これから先は何をしてもお大師様がついていて下さると思えた。

AnneとBernardは、後ろでポカンとして私の所業を見ていた。

自分でも信じられないくらいのマシンガントークで二人に説明する。

「私は厳格な意味での仏教徒ではないが、空海は人間として尊敬している。
彼は入唐前の若い時にここで修行をして無限の記憶力を得た。
唐に渡ってから、彼はその能力で仏教教典のみならず、技術や文化を持ち帰り、以後の日本の発展に寄与した。彼は私のヒーローであり、ここはメッカのようなものだ」と。

日本人の宗教観を説明するのは本当に大変だ。

・日本では仏教の信者と神道の信者とどちらが多いか?

・日本人はいつ仏教徒になるのか?(キリスト教の洗礼みたいなものは何歳でするの)

と聞いてくる外国人に理解してもらうのは大変で、今後の課題でもある。


ともあれ、Anneの無茶振りのお陰で御厨人窟まで来れた。

彼女に無限大の感謝を捧げたいと思った。


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