Chizuko-koya|愛別離苦を綴るnote

愛別離苦。 2019年に娘に先立たれるという稀有な体験をしました。 記憶が風化してしまう前に、彼女が生きた証とあれから私に起こった事、その想いを綴ろうと思います。

Chizuko-koya|愛別離苦を綴るnote

愛別離苦。 2019年に娘に先立たれるという稀有な体験をしました。 記憶が風化してしまう前に、彼女が生きた証とあれから私に起こった事、その想いを綴ろうと思います。

マガジン

  • 四国1000Km走破:可能性の扉をこじ開ける

    フランス人の友人夫妻と3人で2023年11月に11日間、四国を車で回りました。その珍道中のストーリー

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愛別離苦。あれ以前とあれ以後に分断されてしまった私の人生。

書くか書かぬか、相当迷った。 書けば全てを晒すことになる。が書かねばあっという間に風化してしまう。 結局、彼女が生きた証とあれから私に起こった事を綴りたい気持ちが勝った。 2019年10月末、次女が33歳でこの世を去った。5歳の娘を残して。 忘れもしない10月26日は土曜日で、私は3か月に一度の英語仲間との飲み会だった。いつもの居酒屋から駅前のカラオケ店に席を移して、一曲目を入れようとしていた時、娘婿から電話が入った。 次女が頭が痛いと言って、倒れ込んだまま意識がないと

    • 5年前の私にかける言葉があるとしたら。

      2019年10月29日。 COVID-19の存在はまだ欠片もなく、私も慌ただしく日々を送っていた。 次女は26日の夜に倒れ、3日間頑張って、29日の日が明けるとすぐにこの世から旅立った。 それから2か月経たないうちにコロナパンデミックが始まり、全世界がこの世の終わりかと思うような様相を展開し始めた。 5年経った今、予想したようにパンデミックの狂騒は色が薄れてきて、コロナはわれわれの日常に同化しつつある。 5年後の今、私はまだ生きている。 普通に。 いや、前よりエネルギ

      • 桜の静かな狂気の中を

        今日は次女の38回目の誕生日。 もう何歳になったのかも怪しくなってきて、指折り数えた。 桜の季節の誕生日と紅葉の季節の命日、年に2回はどんなに忙しくてもnoteに何か書こうと決めている。 娘のことを思い出さない日はない。 いつまでも慣れることのないこの悲しみ。 誕生日には彼女が生まれた病院の辺りをうろついて、なぜ、こんなに早く逝ってしまったのかと同じ質問を繰り返すのが定例となってしまった。 今年も咲き誇る桜 それが余計に胸を締め付ける。 あの子が生まれた日も桜が満開だ

        • 【最終日】旅の終わりに★可能性の扉をこじ開ける(四国旅 avec Anne)

          2023年12月1日(金) 旅もようやく今日で終わり。 レンタカーを返しに行って、徳島駅前から高速バスで難波へ戻る。 「家に帰るまでが遠足」とはいうものの、もう運転しなくていいという解放感と家に戻れるという安堵感に満たされる。 正直、フランス語もフランス人も、もう沢山だ!と言う気持ちになっていた。 フランス人と言うより、Anne独特の食事ポリシーには悩まされた。 こんなとこまで来て、これだけ運転して、美味しいものを食べられない不満がいっぱいだ。 家に帰って早く日本食

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        • 四国1000Km走破:可能性の扉をこじ開ける
          11本

        記事

          【第10日】虹をくぐる★大歩危小歩危を通過中(四国旅 avec Anne)

          2023年11月30日(木) 今日は実質、長距離運転最終日。 高知から徳島へ移動する。 高速を使えば3時間ほどで行けるが、私が高速嫌いなのを知ってるので、Anne が途中まで地道を行くことを提案した。 ローカルな景色も楽しめるし、スピードを出さなくていいし、追われれば先に行ってもらうこともできるので,私には楽だ。 【走行距離】60.8Km      高知市〜道の駅大歩危 ひらすら32号線を走る。 小雨が降ったりやんだりしていた。 すると、前方に虹が見える。 思わず

          【第10日】虹をくぐる★大歩危小歩危を通過中(四国旅 avec Anne)

          【第9日】梼原町には隈研吾建築物がいっぱい(四国旅 avec Anne)

          2023年11月29日(水) またまた今日も予定変更。 高知市内をバスと路面電車で回る予定だったのに、朝から梼原町へ行けと言う。 高知城や牧野植物園、ひろめ市場、桂浜とかへ行こうかと考えていたのに。 運転しなくてよい、せっかくの安息日なのに… 【走行距離】83.3Km×2   (高速道路)高知自動車道 梼原町は隈研吾の建築物が点在することで有名なこじんまりとした街で、訪れたい候補地の一つだった。 当初の予定では27日に行くようになっていたが、ブンゴ・キャナールに行きた

          【第9日】梼原町には隈研吾建築物がいっぱい(四国旅 avec Anne)

          【第8日】室戸岬で若き日のお大師様に出会う(四国旅 avec Anne)

          2023年11月28日(火) 今日も今日とて、前日足摺岬に行きそびれたので、室戸岬に行きたいと言う。 どんだけ、岬が好きやねん。 【走行距離】85.2Km×2        高知市内〜室戸岬 岬までは距離は長いが、海岸沿いの国道55号線をクネクネと走る道なので、景色が良くてけっこう快適だ。高速も走らなくていい。 Pasific Magnifique! 口数の少ないBernardが助手席で嬉しそうにはしゃぐ。 Anneの情報源によると、「室戸岬は、まるでハワイ」の様ら

          【第8日】室戸岬で若き日のお大師様に出会う(四国旅 avec Anne)

          【第7日】で、ブンゴ・キャナールってどこやねん?(四国旅 avec Anne)

          2023年11月27日(月) 今日の行程は中々の難問だった。 前夜に、明日は是非とも”ブンゴ・キャナール”と”足摺岬”へ行きたいと言われた。宿毛とか宇和島とか…。 例のフランス人ブロガーの情報源が絶賛していたようだ。 日本に来る前に四国旅行の後半部ははっきりと示してくれなかったので、そこはノーマークの場所だった。 観光案内所に行く時間もないし、スマホだけを頼りにナビタイムで調べるしかない。 最大のネックは今日は高知市内のホテルへ着かなければならないこと。 足摺岬へ行

          【第7日】で、ブンゴ・キャナールってどこやねん?(四国旅 avec Anne)

          【第6日】内子町★伝統芸能まつり(四国旅 avec Anne)

          2023年11月26日(日) 内子町連泊なので、この日は町内を徒歩で回る。本日の【走行距離】は0Km。 朝から古い町並みを歩き、内子の涅槃さんで有名な高昌寺まで行く。 内子町は和蝋燭の原料となる木蝋で栄えた町。木蝋はハゼノキの実から取れる。 アロマで使われる蜜蝋(ビーワックス)は知ってたが、木蝋は初めて知った。動物系が蜜蝋で、植物系が木蝋。 知らんことが多すぎる。 勉強になる。 散策途中で、Anneが ”道の駅からり”へ行こうと言う。「月の家」のオーナーの息子さん

          【第6日】内子町★伝統芸能まつり(四国旅 avec Anne)

          【第5日】松山城下★五色うどんは五色そうめんだったの巻(四国旅 avec Anne)

          2023年11月25日(土) 前夜は(部屋が布団でいっぱいで、何もできないので)早く寝るしかなかった。そのせいで、とても朝早く目が覚めた。 Anneと私は朝食前に、中島の姫ヶ浜海岸を散歩した。 朝日が昇る瞬間は見れなかったけど、この時間を共有できたことに幸せが満ち溢れてきて、二人で手を取り、ありがとうと言い合った。 【走行距離】7Km   三津浜港―松山城 8:35 大浦港発のフェリーに乗ると9:57に三津浜港に着いたので、松山城へ向かう。コインパーキングが満車で、や

          【第5日】松山城下★五色うどんは五色そうめんだったの巻(四国旅 avec Anne)

          【第4日】忽那諸島・中島で煌めく海に囲まれる(四国旅 avec Anne)

          2023年11月24日(金) 朝早く高松のホテルを出て、松山市の三津浜港へと向かう。 【走行距離 】165.2Km   高松―三津浜港  (高速道路)高松自動車道+松山自動車道  高速を2時間以上走る。四国の制限速度は70Kmだったが、いくら踏み込んでも70Kmしか出なかった。 車の性能が悪いのではなくて、私がスピード出すのが怖くて、の話。 今日はまた新たな問題の一つをクリアしなければならない。 それは、「車ごとフェリーに乗る」こと! 連休の真ん中のためか、松山市

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          【第3日】68歳の誕生日はアートの島・直島で(四国旅 avec Anne)

          2023年11月23日(木) 金刀比羅宮へ行くか、直島へ行くか。 前日に悩んだ結果、直島へ行くことになった。 Anneが800段近い階段を登りたくないと言うし、私も草間彌生のパンプキンは見たかったし… 8時12分、高松港から直島行フェリーに乗る。ホテルが埠頭の前で助かった。 上手くすれば1日で回れそうだが、かなり効率よく動かなけばならない。 宮浦港に着いて、町営バスで「つつじ荘」まで行き、場内シャトルバスに乗り換え「ベネッセハウスミュージアム下」へ。 ベネッセハウス

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          【第2日】初めてのレンタカーで高松へ(四国旅 avec Anne)

          2023年11月22日(水) 事前にORIX徳島中央店で11日間のレンタカーを予約していた。 9時前にホテルまで迎えに来てもらい、営業所で運転免許証をコピーし、カード決済する。 初めてのレンタカー。 レンタカーの手配は私がすることになっていたが、この件でもすごく悩んで色々と調べた。 Bernardが国際運転免許証で運転して、私がたまに代わるという話だったが大丈夫かなと、それも心配の種だった。 まず、どんな大きさ? (普段、軽自動車しか乗ってないので、大きな車は怖い)

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          【初日】難波から徳島上陸★珍道中のはじまり(四国旅 avec Anne)

          2023年11月21日(火) 8時30分、私はホテル日航奈良でAnneとその夫のBernardに4年ぶりに再会し,四国に10泊する旅に出た。 WhatsAppで毎週のように話していたとは言え,リアルに過ごしたのは4年前の12月17日の4時間ほど… 二人は定年後を優雅に謳歌するフランス人夫妻で大の日本好き。 毎年来日して2か月程滞在していたが、コロナで4年間空くことになった。 今年こそは復活ということで、11月初旬から来日。 東京から河口湖、飛騨高山、金沢を巡り、 その

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          此岸を生きるものには肉体を継続しなければならない義務がある。

          2023年秋。 私が一番恐れていたことだった。 KANAの父,つまり亡くなった次女の夫であり、我々の元義息に彼女ができて、実家を出て三人で暮らしているという。 それを聞いた時、ショックで1週間ほど落ち込んだ。 次女が可哀想で仕方がなかった。 夫と子供の為に一生懸命働き過ぎて亡くなったようなものだったから、たった4年で切りを付けられ、忘れられてしまうのかと思うと胸が締め付けられた。 そして、KANAはどうなるんだろう?  継母、虐待、非行、家出…  異母兄弟が出来て僻

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          4年間のモラトリアム:コロナパンデミックを回想する。

          今日は次女の4回目の命日だった。 皆んなで墓参りをして、ランチして、子供たちをモールで遊ばせた。 コロナは終焉したわけではなく、罹患者が増え続けているのは知っている。 現に我が家全員が5月末にコロナにかかった。 でも明らかにもうパンデミックと言えない様相になってきていて、あちこちで4年ぶりとなる神事やイベントが復活している。 また人々が集い、話し、笑う。 私も何食わぬ顔で参加している。 この4年間は、傷を癒すことは出来ないにしても、傷を覆い隠す分厚い膜が張ることには役

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