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UK旅:その美術品はどこからきたのか!大英博物館に行く理由。
前回の両親を亡くしたnoteが想像以上にバズり、
(Twitterは1万インプレッションを越え、いまだにRTされる日々)
久しぶりな人から「記事読んだよ」とオンラインでもオフラインでも声をかけられ、自分の辛い&大変な経験が世の役に立つならよかったと思えました。
色々落ち着いてきたので自分へのご褒美を含め、
今週からロンドンへ有給で遊びに行きます。
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なぜ、ロンドンへいくのか
「いいなー!ロンドンには何しにいくの?」とみんなに聞かれるのですが、
「大英博物館の近くにホテルとって、毎日博物館いくんだ!」と答えても、いまいち周囲の人に、この尊さ、貴重さが伝わっていない気がする今日この頃です。
今回の旅のテーマは、
「大英帝国が略奪した世界各国の宝物を見に行く」です。
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世界一の大英博物館にいきたいのは、それが理由。
博物館のコレクションの充実度は、
その国の経済的な豊かさに比例してると思います。
旅先の世界の有名な博物館で「略奪してるね~~!」と思う人、
あまりいないと思いますが、
私はそういうことを考えて美術館全体の立ち位置を楽しむのが好きです。
大英博物館へ行こう!となった、ここまでの私の経緯をまずご説明します。
1.天下のルーブル美術館@パリ,フランス @私、19歳。
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モナリザやサモトラケのニケをはじめ、
アートに疎い人でも初めてパリにいったら
まず一度は足を運ぶであろう美の殿堂、ルーブル。
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世界で一番来場者数の多いルーブル美術館。
この最初の展示もエジプト文明からはじまります。
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そうなんです。
ルーブル美術館は、有名な絵画だけでなく、「人類が美しい」と思い、大切にしてきた宝物がとんでもない量コレクションされている美のミュージアムなのです。
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フランスは、アフリカにもアジアにもアメリカ大陸にも植民地をもっていた歴史的大国。
大英博物館の1番の宝物「ロゼッタストーン」は、かのナポレオンがエジプト遠征したときに発見、その後、英国がフランスとの戦争に勝利してロゼッタストーンを略奪したらしい。
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しかし、初めて私がルーブルにいったときは、まだ19歳。
母と一緒に、だだっぴろい美術館を駆け足で巡り、クタクタになって
短時間で鑑賞を終了し、他のパリ観光へ。(ああ、もったいない!)
ガイドブックの有名作品だけ見て帰るという、今思えば、何もわかっていない小娘でした。
2.ペルガモン博物館 @ベルリン,ドイツ 21歳
前後に有名な美術館はいってたものの、
今思えば、ベルリンにある「ペルガモン博物館」が1つの私の人生の分岐点に。
ペルガモンは、ギリシャ、ローマ、中近東のヘレニズム美術品、イスラム美術品などを展示する博物館。
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「なぜバビロン王国のイシュタル門やミレトス市場の門がここに?」
と全くドイツと関係ない、古代遺跡がなぜベルリンにあるのか、
どうやってここにもってきたの?
と不思議に思いませんか?
「遺跡の発掘品を所蔵および復元展示している」
= ”発掘も復元もドイツ人の俺らだ。おかげで学術的に守られてんだぜ”
と博物館のパンフレットには書いてありました。インテリの泥棒かよ。
さらにペルガモン博物館には、
近世までの中東の工芸品も多数展示
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バカでかい芸術的な絨毯がめちゃいっぱい!という初体験
ドイツと言えばメルヘン街道!
白雪姫やシンデレラなどのディズニープリンセス世界感の観光地が世界的に有名ですが、ベルリンのペルガモン博物館で驚愕エキゾチック体験ができ、
頭の中は人生初のイスラム世界に大興奮。キリスト教的世界ではなく、もっとイスラム的世界の美しいものを見たい!と、ここから私は古代の中東世界にのめりこみます。
3.シルクロードのオアシス,カラ遺跡@ウズベキスタン 28歳
ペルガモン博物館以降、
イスラム建築に興味が湧いたので、
その後も、大学生の最後にスペインのアルハンブラ宮殿にいったり、社会人2年目にもイスタンブールのアヤソフィアを見る旅へでました。
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23才の大学卒業旅行時
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24才 1社目辞めてすぐのとき
トルコ、スペインで、
イエス·キリスト的ヨーロッパと
唯一神アッラーのイスラムの文化が混ざり合う世界を目にして大興奮。
「じゃあ、ヨーロッパとアジア、東西の文化的境界線はどこなんだろう!」と考え、そこから28才の時に会社から3か月休みをもらい、シルクロードを一人で横断する旅へ!
中国上海からウイグル~中央アジア~イラン~モロッコまで駆け抜けました。
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中国人だけどイスラム教の人達
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イスラム教の少数派
特にこの旅で楽しみにしていたのが
ウズベキスタン!!!!
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自分で撮ったとは思えない写真
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どれだけお金あればつくれんの。
秀吉の「黄金の茶室」の非じゃない
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モダン!美意識が高すぎ!
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名もなき天才職人多すぎ
このウズベキスタンは
古くはシルクロードの交易で栄えた国。
車も飛行機も船もない、ローマ帝国やクレオパトラの時代。
商人たちがラクダで砂漠を渡って、
交易を行い、中国の絹が
ローマまで届いていたという、
あの時代です。
その時の「シルクロードのオアシス」へいってみたい!と長時間の移動に耐えて、とうとうオアシスに到着すると、
遺跡が乾燥した荒野に現れる。
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宮殿は引越し、時間をかけ遺跡に・・・
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無茶苦茶賑わってという、
カラ遺跡は看板とかなんもない。
全く観光地化されてないただの岩w
近くの町にいたんだけど、
宝物もない。歴史資料館すらない。
え?これ見に来たのかな?レベルで
遺跡しかなかった。
ここまで遺跡しかないと
当時のことすら想像できん!
ガイドさんいわく「ここに残っていた宝物ものは、全てロシアに奪われた」
「サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に行けば見れるよ」とのこと。
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え?お金も時間もかけて
とうとうウズベキスタンに到達したのに私が見たいものは「サ、サ、サ、サンクトペテルブルク・・・?」と、愕然。
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めちゃ遠いやん・・・
ドイツのペルガモン博物館には、
イラク周辺で発掘したものを持ち帰り、門を再現した。
きっとロシア人も同じことしたんだね。
「この国はソヴィエト連邦に併合された社会主義国家だったんだな」と
ウズベキスタンは、いまだにロシアの抑圧に耐えている国の1つだと痛感。
ガイドのおじちゃんの
「ここには宝ないねん」という
怒ったような言いぶりを思い出すのでした。
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建物は持ち出せないから
建築はここでしか見れないね
4.私的約束の地、エルミタージュ美術館へ @32歳
ということで4年後には
2か月休んで、ロシア横断旅へ!
そしてとうとう、サンクルペテルブルクのエルミタージュ美術館へ!
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超壮大。
エルミタージュ美術館は、世界三大美術館に数えられるミュージアム。
ロマノフ王朝の歴代皇帝が200年にわたって収集した膨大なコレクションが特徴。
超有名な女帝、エカテリーナ二世による宮殿は、情報量多すぎだろ!
というくらい、細部まで豪華絢爛。
「人類はもうこのような美術館を作ることは二度とできないだろう」
と思うくらいの派手さで、
どの部屋も見ごたえがすごいです。
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ミュージアムのコレクションを見て回るには最低1週間は必要と言われているので、我々は2日間にわけて、
先に近代~現代アートのコレクションを鑑賞。
(エルミタージュは現代アートのコレクションも立派なのに、新館ほぼ貸切!)
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三日目にして、
古代~近代の「世界の美」エリアへ。
私はここで、ようやくシルクロードのオアシスの宝物を見ることができました。
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中国からどこへいくものだったのかな
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柄の美しい布たち!
当時のお金持ち貴婦人達は、
珍しい国の布を喜んだことでしょう
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埋め尽くされた迷路
ウズベキスタンで話したおじちゃんは
このシルクロードの貴重な資料、
見ることはないんだろうな・・・😿
自分の国に素晴らしい遺跡があるのに、そこにあったお宝や美術品を
見られないのか・・・と、
世界で最も豪華な絢爛な美術館にて、
またも【文化の略奪】を考える
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美術館にアート飾るって、
1.寄贈される
2.購入する
3.略奪する
の3パターンしかない。
この3パターンを行使できるのは
つまり金持ちの権力者。
美術品=「権力の象徴!」
そりゃZOZO前澤さんもアート作品を買うわけね。
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植民地の国から宝物を持ち出したり、
戦争で負けた国の宝を戦勝国がもっている意味を、改めて理解。
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政治的駆け引きのために、
外交の場での貢ぎ物としても活用された。
特に宝石は重宝!
ルーブル美術館のあるフランスも大国、
そしてロシアも、皆さんも知る通り
今も強い力で独裁を続ける国。
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いまだにフランス語を話す国が多い。
貴族は、絵を描かせ、
美しいものを造らせた。
文化的で美しいものが好きな彼らは、
絵画だけでなくバレエなどの舞台や宮廷ファッションも愛し
様々なアーティスト、職人が育ち、
作品を残していく。
美しいものが愛する
貴族や王様を喜ばせるために、
世界各地の珍しいものを集め、
そして出世していった商人、
軍人もたくさんいたことでしょう。
ルーブル美術館も、エルミタージュ美術館も、絵画はもちろん、黄金の食器や
当時のインテリアとかが飾ってある
貴族部屋があったりするんだけど、
これが信じられないほどお金かかってる。存在が宝石。
こういうの見ると支配者階級の暮らしぶりがよーくわかるんだけど、
日本人観光客は全くそんな部屋にいかずに、有名作品見て写真撮るたてに。
地図もってバタバタ移動してる。
もったいないねー!
とにかく、私はロシアまでいって、
ウズベキスタンで見れなかった宝物を
この目で見て、
ロマノフ王朝の圧倒的な富の力を見て、
自分に雷が落ちたのであります。
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5.歴史が240年しかないのに世界中のアートが集まる不思議。メトロポリタン美術館@NY,アメリカ 34才
ルーブル美術館、エルミタージュ美術館を堪能したら、
もうあとは世界三大美術館に数えられるミュージアム、
「メトロポリタン美術館」に行くっきゃない。
どこそれ?となっている貴方、
MET GALAの会場ですよ!
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行うなんて、まじで流石VOGUE
リアーナかわいい。
NYの上流階級学生ドラマ「GOSSIP GIRL」で
セリーナとブレアがよく座っていた階段ですよ!
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メトロポリタン美術館は、先ほどのフランスのルーブル、
ロシアのエルミタージュとは異なり、
建国247年と若い!王様もいない!
アメリカの美術館です。
しかし、ここもとんでもない数のアート作品や美術品を収蔵しています。
日本の作家だけでも北斎の富岳三十六景から名和さん、
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実はコレクションしやすいんだぜ
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仏像かぶせてくんのもやばない?
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エジプト文明のミイラから、はじまり
とんでもなく大きいペルシャ絨毯から
ロダンの考える人から、アンディーウォーホールまで、美の歴史を現代物多めで網羅。
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アメリカの歴史の何百倍も古い時代の作品が、コレクションされている美術館。
純粋に1つ1つの素晴らしさに感動するけど、毎度の「一体君たちどうやったこんなに集めたの・・・!?」が脳内をよぎります。
歴史ある国になめられないぞ!と、
ジャンジャンお金にものを言わせて、
コレクションしていく姿を想像すると
成り上がりのタワマン在住男性像が浮かびます。お金でコンプレックス解消w
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「アメリカはやっぱり現代アートだぜ・・・」と成金美術品コーナーよりも、現代アート展示コーナーがNYアート文化の気迫を感じ、最高でした。
パリからハリウッドに映画産業がうつり、パリからNYへアートの主流がうつったように、アメリカが新しいアート、現代アートの価値観を育てたようなものですからね
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意気投合したおじさんに
MOMAの年間パスで安く入れてもらい、
その後、フリーコンサートなどを教えてもらい最高だったのはまた別のお話
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ロシアとアメリカにDanceがそれぞれあるの面白くない?
『ダンス』は、ロシアの実業家で美術収集家のセルゲイ・シュチュキンの要請により、
1910 年にアンリ・マティスが制作した絵画。
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そして、私は世界三大美術館を
これで制覇したのででござる!
5,圧倒的に世界一な博物館。それが大英博物館。@ロンドン,イギリス 37才
はい、今回イギリスへ私は行く意味が
皆さんもうわかりましたね?
今回の旅も、人類が世界に残し、
大切保管してきた宝物、美しい物、
アートを見たいんです。
ライフワークのように世界中の美術館を旅してきたけども、
とうとう今回、 収蔵品約800万点!常設展示だけでも約15万点!
世界一と言われる大英博物館へ
初トライできる!!!!!
世界三大美術館とかじゃない。世界一!
約800万点は、もう圧倒的横綱!もうどこもかなわない!
ということで、
大英博物館は、世界のあらゆる文化や歴史にまつわる資料が展示され、
美術品だけでなく、書籍や考古学的遺物、民俗資料などなどが
多岐にわたりまくり、”大英帝国”の威光を感じることができる
人類の歴史つまりまくり博物館!!
しかも、無料!!毎日通ってもゼロ円!
他の3大美術館はチケット高かったのに!
さすが元大英帝国!
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そりゃ宝物いっぱいあるわよ。
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ということで、いよいよ3年ぶりの海外旅行です。
前回NYのメトロポリタン美術館へいったときはコロナが始まったころで、
滅茶苦茶ガラガラで、ゆっくり絵画みては感動して泣いたりしてました。
今回は混んでるのかなー!
明後日には、大英博物館の近くにホテルに泊まり、
毎日朝起きたら大英博物館に行きます×5日間💓
最初に言った通り、今回の旅のテーマは、
「大英帝国が略奪した世界各国の宝物を見に行く」です。
どうぞこの後の英国旅日記をお楽しみにーー!!
※テートモダンやテートブリテンやサーチギャラリーもいきたい!
今までの旅行記はまた別にありますので、ゆっくりとご覧ください