エリートになるための努力時間は5500〜6000時間?それ以上?スキル世襲制の時代?
東大合格に必要な総勉強時間は、3500〜4000時間とされる。しかし、これには、中学受験の勉強時間は含まれていない。中学受験で開成などを狙う場合は、これにさらに2000時間は追加されるだろう。そう考えると、エリートになるには5500時間以上は必要だろう。
さらにいえば、今の時代、東大卒というだけではエリートになれない。ジョブ型雇用を見据えて資格やスキルを身に着けたり、ガリ勉のリカバリのために無理してリア充を目指したりすれば、在学中の努力も必要だ。そうなると、7000〜8000時間という、とんでもない時間が必要になりそうだ。そこまで努力しても、せいぜい、年収1000万円が関の山だ。よく、50代の東大卒の年収をこれでもかと出す人がいるが、彼らが若い頃は今よりも学歴主義だった。そのため、今の若い東大卒が50歳になっても、必ず年収1000万円を超えるかは怪しいだろう。
もはや、受験勉強のメリットは薄れてきた。医学部を狙うか、学歴は諦めて資格試験を狙うほうがコスパ・タイパは良い。
福井大学医学部は河合塾全統模試の偏差値で60なので、東大よりも遥かに簡単だ。また、司法試験予備試験や公認会計士試験が難しいのは、法律知識や会計・監査知識ゼロの大学生がチャレンジするからだ。子供の頃から勉強していれば、大学生が受けるよりも遥かに難易度は下がるだろう。
何のための受験勉強なのか、加熱する中学受験の渦中にいる保護者たちは、立ち止まり、冷静に考えるべきだ。
私の息子は高専に行きたいと言って、情報システムを学びたいらしい。私はSAPのスペシャリストだし、US CPAを勉強しているので、そのスキルを息子に伝授するつもりだ。ジョブ型雇用のフィールドで活躍できないと、何の意味もないのだ。
課金ゲームによる学歴世襲の時代は終わり、スキルを伝授するスキル世襲の時代が来ると思う。医師は医師の素晴らしさを子供に伝えることができるし、クリニックや医療機器を相続できる。弁護士は法律知識や法廷弁論のテクニックをわかりやすく教えられる。公認会計士は会計や監査をわかりやすく教えられるし、監査法人からの転職テクニックも教えられる。明確に「資格・即戦力スキル>>>学歴」の時代になってきたと思う。「子供に何を与えるのか?」真剣に考え直さないといけない。小さい会社を起業して、それを「何かあった時のための保険」として子供に継がせるのもありだと思う。失業したら会社を継げばよいのだ。